化石研究に基づいて定められた地質時代区分によれば、最古の陸上植物が誕生したのはシルル紀(4億4370万年前~4億1600万年前)である。それ以前の植物は、いわゆる「藻類」として水中に生息していた(水棲植物)。シルル紀に現れた生物界の大変化は、陸上における「地衣類」と「コケ植物」の登場である。
「地衣類」は、植物ではなく菌類に区分されるもので、藻類を体内に共生させることにより、陸上植物とほぼ同等の暮らしぶりを実現している。写真は岩上に広がった地衣類。キクラゲのようなひらひらした形状で、岩表面にへばりついている。陸上植物と異なり、強固な骨格構造を持たないため、岩表面から離れて身体を支えることができない。
地衣類とほぼ同時期に現れたのが、最初の陸上植物である「コケ植物」。自らの細胞内に葉緑体を持っているため、藻類との共生が無くとも光合成が可能である点が、地衣類との決定的な違いである。そして、もう一つの大きな違いは、「ケイ酸」の取り込みによって体内にガラス質繊維(プラントオパール:植物ケイ酸と呼ばれる)を形成し、強固な骨格の構築が可能になった点にある。写真は、岩上でフサフサと育つスギゴケ。日本庭園によく見かける「苔むした岩」である。針葉樹の葉のようなトゲトゲは、炭素骨格をガラス質ケイ酸が覆った構造体であり、ケイ酸が持つ高い親水性により、空気中の水分を結露させて体内に取り込むことが可能になった。これによって、コケ植物は水辺から離れた乾燥環境にも適応し、後の「シダ植物」発生に繋がった。
<シダ植物>
「地衣類」は、植物ではなく菌類に区分されるもので、藻類を体内に共生させることにより、陸上植物とほぼ同等の暮らしぶりを実現している。写真は岩上に広がった地衣類。キクラゲのようなひらひらした形状で、岩表面にへばりついている。陸上植物と異なり、強固な骨格構造を持たないため、岩表面から離れて身体を支えることができない。
地衣類とほぼ同時期に現れたのが、最初の陸上植物である「コケ植物」。自らの細胞内に葉緑体を持っているため、藻類との共生が無くとも光合成が可能である点が、地衣類との決定的な違いである。そして、もう一つの大きな違いは、「ケイ酸」の取り込みによって体内にガラス質繊維(プラントオパール:植物ケイ酸と呼ばれる)を形成し、強固な骨格の構築が可能になった点にある。写真は、岩上でフサフサと育つスギゴケ。日本庭園によく見かける「苔むした岩」である。針葉樹の葉のようなトゲトゲは、炭素骨格をガラス質ケイ酸が覆った構造体であり、ケイ酸が持つ高い親水性により、空気中の水分を結露させて体内に取り込むことが可能になった。これによって、コケ植物は水辺から離れた乾燥環境にも適応し、後の「シダ植物」発生に繋がった。
<シダ植物>