とやざき農園日誌

浅間山麓(長野県小諸市)で自然農法による農業を行っています
肥料や農薬を施さず自然の養分循環の中で野菜を育てています

黒土形成の鍵 土壌団粒

2019年03月12日 | 日記
雨上がりから丸一日経過した、本日午後。畝表面が乾き始めました。
畝の理想的な水持ちは、日中に陽射しで表土2㎝程が乾いて白くなり、夜間は地下水上昇により湿って真っ黒になる、という状態です。夜間も真っ白に乾いてしまう畝では、水不足で種が発芽しません。逆に、日中でも真っ黒に湿っている畝では、種が呼吸できないためやはり発芽不良となります。


畝に近付いてみると、程良い大きさの土壌団粒によって表土が構成されているのが分かりました。


土壌団粒は、単なる鉱物粒子(砂・シルト・粘土)の集合体ではなく、生物由来の有機物質(枯草分解によって生じた腐植物質、植物根や微生物が放出した粘性物質など)が接着剤となって鉱物粒子同士を団結させたものです。

粘土は、ミネラルを運ぶ地下水の作用だけでも形成されます。しかし、土壌団粒に取り込まれていない粘土は、雨水が作用すると簡単に崩壊してコロイド(泥水)となり、畝から溶脱(地下に沈降または畝間に流出)してしまいます。有機物質の介在により雨水への抵抗性を獲得した土壌団粒は「耐水性団粒」と呼ばれます。畝間の敷草下では、枯草分解の進行に伴って耐水性団粒が形成されてゆきます。
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