とやざき農園日誌

浅間山麓(長野県小諸市)で自然農法による農業を行っています
肥料や農薬を施さず自然の養分循環の中で野菜を育てています

よく団粒化した畝における粘土の状態

2018年10月20日 | 日記
昨日は夕方から雨。雨上がりの午前、昨日の続きで大豆の後地を耕しました。それなりの雨量だったので、水気を含んだ土が立鎌にへばりつかないか心配でしたが、この畝は団粒化が進んでいてフカフカでした。刃がサクサク通ります。パサつき気味だった昨日の畝とは明らかに違う雰囲気です。


大豆の切り株の周囲を覗き込むと、大き目の団粒が形成されているのが分かりました。いかにも水はけが良さそうです。


表土を手に取ってみました。昨日の畝に比べて団粒が大きく、土壌空隙が広くなっています。根の張り方にもゆとりがある感じです。


続いて、畝間の粘土堆積を確認してみます。


やや粘ついていますが硬盤状に固まっていません。大豆の根がしっかり届いており、畝間まで団粒化された理想的な状態と言えます。どうやら団粒化によって畝から粘土粒子が流出しにくくなるようです。


掘り起こした大豆の株を見ると、根粒がたくさん付いていました。登熟期に通気性が良かったことが推察されます。根に共生した根粒菌は空気中の窒素を固定して大豆に提供し、実を太らせるのに必要なタンパク質の形成を支援します。通気性が悪い土では実がよく入りません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

畝間への粘土堆積

2018年10月19日 | 日記
秋雨期が終わり、土が乾いてきました。
そんな中、ある一角の大豆だけが急速に登熟し枯れてきたため、原因が気になり、畝の状態を確かめてみることにしました。


大豆を刈り取って干場に移し、下草を削って脇によけつつ耕します。


やや乾き気味ではあるものの、大豆の細根が張り巡らされ、先日の畝よりは団粒化が進んでいる感じです。


ぎゅっと握って


開いても、土が崩れません。最低限の団粒化はできているようです。


保水力不足の原因を探るため、例によって畝間の土に立鎌を打ち込んでみると、ごそっと大きな土塊が剥がれてきました。


塊の表面には、細かい粘土粒子が隙間なく並んでいます。畝から流し出された粘土粒子が堆積したのでしょう。


断面を見ると、粘土粒子が積層している様子がよく分かりました。これほど目詰まりしていては、大豆も根を伸ばすのが困難です。


ひっくり返して裏面を見ると、粘土粒子が結合して大きな粒になっていました。夏場、粘土の上に水が溜まることで酸素の流入が遮断され、深部が還元雰囲気下にあったことが伺えます。このまま粘土の堆積が続けば完全な硬盤になってしまいそうです。


土壌学によれば、粘土粒子には、水分と養分の保持という重要な役割があるそうです。これほどの粘土分が畝の外に偏在していては、大豆が早く枯れるのも無理からぬことと言えます。現在取り組んでいる「畝間の土を畝に混ぜ込む」手法により、土壌がどのように変化していくか推移を見ていきたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

風化した畝の回復

2018年10月14日 | 日記
この辺りの畝には昨秋、越冬菜として冬菜(アブラナの仲間)を作付けましたが、マイナス15℃まで冷え込んだ大寒期を乗り切れず枯れてしまいました。春先に畝の状態を観察したところ、風化(砂質化)が進行して土が締まり、凍み上がりやすくなっていました。土壌粒子の隙間に空気を多く含む土は断熱性が高く、根まで冷気を通しにくくなります。団粒土が重要とされる所以です。
春は少雨期における作付となるため、風化した畝では安定した生育が望めないと判断し、半年雑草に委ねました。


雑草の覆いによって、陽射しや風雨から守られつつ有機物を供給され、幾分か団粒に近づきましたが、畝上部の土はまだまだパサパサした質感です。砂質土は保水性が乏しいため、貴重な降水も畝に蓄えられることなく畝間の窪地に落ちてしまいます。


イネ科の雑草が多く見受けられたので予想はしていましたが、耕してみると、やはり畝全体がパサパサでした。


となれば当然、水が溜まる畝間はべとべとの粘土になってしまっています。


そこで、土質のバランスを取るため、畝間から腐植(前作の際に敷いた草の朽ちたもの)と一緒に粘土を厚く削り取って、畝に混ぜ込みました。


<削り取った腐植と粘土層>


粘土を混ぜ込むことで、ぽろぽろとした団粒の質感に近づきました。土壌粒子間に空隙が生まれ、通気性が改善した雰囲気です。


畝の形を整え、鎮圧しました。見た感じ、悪くないように思えます。ここにはタマネギを植える予定ですが、果たしてうまく育つでしょうか。


ジャガイモ後の畝を同様の耕起法で立て直したところ、現在、畝をびっしり覆うように葉物類が育っています。冬菜の二の舞にならずに、タマネギが無事越冬してくれることを願うばかりです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

晩秋

2018年10月13日 | 日記
今朝の最低気温は7℃。晩秋らしい冷え込みでした。

多雨の今夏、トマトやズッキーニが不調な中、元気な生育を見せたナスも葉の色が褪せてきて間もなく終了です。


寒さで勢いを失う夏草と交代に、秋の葉物や根菜が順調に育っています。

<小松菜>


<野沢菜>


<天王寺カブ>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする