棚田と言うのは、中国のように耕して天に至ると言わないまでも、全国あちこちにあるわけだが、絵になるのは能登の輪島の千枚田が有名である。
だから、広重を姨捨(更埴)でなく、千枚田に連れて行くと、数の多さに眼が廻わってノイローゼになっただろうて。この写真はSAにあったテレホンカードの図柄である。
ここに来た芭蕉も、姨捨に行くと姨に出遭える、そして、いにしえの話でも聞けるかと期待して来たのかも知れない。しかし、姨に出遭えなかった事に案外ほっとしたろう。今夜、空に輝いている月は姨を知っているのではないか。さぞや、その月と語り合い光を身に受けながら、旅の心を癒してくれたろう。