昆布が美味い

羅臼の昆布漁を見た時にスタートしたblogです。昆布のダシのように、人生の旅にも味付けをしたい。旅を中心に纏めています。

渡良瀬川02

2005-07-28 | 国内旅行
 萌子と蕎麦と富弘と02。
 赤城山の東の谷を渡良瀬川に沿って遡る。この道は日光に通じる謂わば裏街道になる。ここに渓谷鉄道が1時間に1-2回走っている。それでも2両編成というから、たいしたものだ。

 渓谷沿いに村が点々とある。その一つの村里の畑1haほどに、今回案内してもらった桐生っ子の女性の旦那さんが、ブルーベリー100本を植栽したと言う。
 外国で野生のブルーベリーをよく見かけたものだ。今年の苗木移植というのに、もう実がついている。数年後には収穫を手伝いに行くという話もある。これは食べると眼に良いそうで。

 行くほどに、進むほどに草木ダムがあって、一帯が公園になっている。観光バスが4-5台駐車していた。そこに、富弘美術館があった。星野富弘さんの作品数百点と、生きることの素晴らしさが展示されている。

 彼は1946年ここ群馬県に生まれ、長じて体操の選手として県でも名を馳せた。1970年群馬大卒業後、中学校で教鞭をとり、クラブ活動指導中に頚髄を損傷し、手足の自由を失った。落胆と絶望は如何ばかりか。
 以後、口に筆をくわえて文や絵を書き始めた。その詩画展は大きな感動を呼んだ。海外での詩画展の反響も大きく、1991年、生まれ故郷の群馬県勢多郡東村に、村立の美術館を開設した。2004年には入館者460万人を超えたという。2005年、この地に美術館を開館したものである。

美術館入ってすぐのロビーに展示された詩文

展示されている数百点の作品は、すべて写真がお嫌いで、パンフレットからのコピーをアップします。じっくりと味合ってみて下さい。
 彼の生きる為の一途な意欲は常人の想像を絶するものがあります。さらに、傷害の日から5年間の闘病生活に、母の献身的な支えが大きかったそうです。


 余談になるが、京都山科にある勧修寺のすぐ隣りに塔頭の仏光院というお寺がある。ここは、両腕を失って仏門に入った大石順教尼が、昭和11年、身障者の救済に建てた厚生施設が前身である。
 彼女は大阪堀江の芸者妻吉で、養父の6人斬り事件として、話題になった際の被害者の一人である。唯一、生き残ったが両腕を無くしたものである。
 彼女が口に筆を咥えて書画に励み、遂に日展に入選したことがある。数々の作品はお寺の入ったところに、ガラスのウインドウに展示されている。