白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

一人で育てる覚悟

2010-05-09 06:49:48 | その他
先日買い物をしていると、CEIDでお世話になったマー君の先生にお会いした。

彼女のおかげで私たちは救われたといっても過言ではないほど、毎週うちに訪問してきては、私たちを励まし、難聴をもつ赤ちゃんの育て方の指導をしてくださった。

年の頃は私と同じくらい。
大変頭がよく優秀で、本人は健聴ながら、手話通訳の免許を持つほど手話が堪能。
子供の成長過程における言葉の発達というのも、すごく知識が深く(それもそのはず彼女は博士号をもっている)、彼女は最高の先生でした。

彼女はもちろん子供が大好きで、子供と遊ぶのも勉強するのも上手。
ただ、当時は結婚する気配はまったくなかった。

それが、お会いした彼女は妊娠8ヶ月の大きなおなか。

さすがの私も「え?結婚したんですか?」なんていう露骨で失礼な質問はできず、「おめでとうございます、楽しみですねぇ~。」っと社交辞令を交わした。

あとで聞いた話、彼女は精子だけ買って人工授精で妊娠したらしい。

す、すごい。


「結婚したいと思えるほどの人がなかなかあらわれず、妥協で結婚なんかしたくはないけど、年齢的に子供はそろそろ産んでおいたほうがいいだろう。」
なんていう女性はここアメリカにもわんさかいる。

でもその中で、「じゃぁ産もう。」と決心できる人がいったい何人いるだろうか。
私だったら、どんなに子供が欲しくとも、一人で妊娠して産み育てていくという覚悟はとてもとてもできないだろう。

少々ガッツがある人だって、そこまでの覚悟ができる人ってそういないと思う。
しかも彼女は親がシカゴかどこかに住んでいて、単身。
本当にひ・と・り・で育てていくことになるのです。

子供を一人で育てていく覚悟、彼女はそれができる人。
その覚悟の大きさ、彼女の人間の大きさに私は感嘆と、賞賛を感じずにはいられないのでした。

「彼女ならできる」そして彼女なら周りのみんなが助けることでしょう。
私も心から彼女を応援したい。