白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

網膜が意味するもの

2017-02-17 06:52:54 | RP
今読んでいる小説の一節に、こんなものがあった。

薄暗い部屋の中、主人公の女がカーテンを開けると、そこにいた男が慌てて目を覆う。

「すまないが、カーテンを少し閉めてくれないか。網膜に問題があって光に目が弱いんだ。」

それを聞いた主人公の女は心の中で思う。


「網膜に問題があある人は、いずれ失明する。」


なんか今更ながら、そっか、網膜に問題があある人は失明するんだ。。。っと思った。

その一節が頭から離れない。


網膜という響きは、なんだかどよーーーんと暗く、おもーい印象がある。

網膜の問題は治らない、手の施しようがない、そのメッセージが暗に含まれていて、網膜と聞くと失明を連想させる、おそらくだから重い響きを漂わせているんだろう。

この小説が書かれた時には、治らないものだった。
たった十数年か二十年前のことだ。

今もまだ治らない。

でも、あともう1歩で治療法が生まれ。私はそう信じている。

網膜と聞いても失明を連想させなくなる日がきっとくる。

きっと。

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