こどものころはめっちゃ貧乏。正確にいうと、ケチでカネを使わないのだが、同じことである。鉛筆ない、ノリない、ご飯ない、おかずない、味噌汁ない、服ない、自転車ない。何にもないのだ。
買ってくれと頼むと、今度買っちゃる。なんて言われてその場をごまかされるが、絶対買ってもらえない。二度目に文句を言うと、キレられる。出ていけ、もう飯も食わさん、親不孝者。なんて怒鳴られる。ハンパなく怖かった。全部母親である。遊びまくりの父親は家にいなかったのだ。
傘やカッパもないから、雨の日はびしょびしょ。そのくせ見栄を張る。あそこの家は大学も出てない、中卒や高卒やと馬鹿にする。おまけに***の場所やと吹き込まれるから、友達との付き合いもうまくいかない。
おまけにめちゃめちゃ厳しい。何回家出したかわからない。家出すると、すぐ警察に電話する。平気で電話するのだ。警察も仕事だから、友達や学校の先生に電話かけまくる。もう次の日は地獄である。むちゃくちゃ恥ずかしい。
今でも家で物がなく不自由すると子供のころ思い出して腹が立つ。そんなもんである。