高校野球は秋季大会も、春季大会も見に行くが、選手権の決勝だけは勘弁である。残酷すぎるのだ。そんなことで、今日も高校野球だけはネットのチェックで済ますつもりだったのだが。
よりによって、キッチンのテレビが誰も見ていないのに、点いてるから消そうとしたら、成立VS国士舘の決勝。しかも9回裏、国士舘最後の攻撃。3-1だから、あっさり終わるの見るかくらいで見ていたら、あっというまに同点になってしまった。
それもドラマチックで、国士舘の選手、もう必死も必死で、みんな泣きながら攻撃してる。同点打は代打の選手なのだが、もう打席に入る前から号泣している。成立学園も守りながら浮き足立ってるのがわかる。こりゃ、もしかしたら国士舘逆転かというところで、何とかふんばって9回裏へ。そして、成立のサヨナラ勝ち。
サヨナラのボールが右中間に消えてゆくのだが、もう守る選手たちは全員倒れ込んでいる。試合後のあいさつが終わっても、国士舘の選手たちは地面をたたきながら悔しがって泣き崩れている。もう見るに堪えないくらい気の毒である。これだから選手権の決勝は嫌なのである。見るのが辛すぎる。
試合の経過は書かないが、もうわずかの差である。9回表裏の攻防の中でも、たった1球。0-2から1球見逃しておけば。リスクを冒したディレードスチールをためらっていたら。結果は違ったはずである。昨日の和歌山県予選の那賀高校も同じである。ものすごく高次元の闘いがそこにある。
都大会の準優勝と、優勝して甲子園に行くのとは天と地ほど違う。いくら慰めてもらっても悔しいはずである。後輩に託すといって、二度と決勝にさえ上がってこれない学校は砂の数ほどある。悔しさは決勝戦で惜敗した者たちだけが知る辛さである。その前に負けたチームや甲子園で負けたチームにはない最高の栄誉なのだといってあげるくらいしか言葉はない。