どんこの空(そら)に 。

きっと何かが足りない~それを探す日記~

おもしろい競馬とは。

2007-04-20 | 名古屋競馬の話

木曜日の名古屋競馬、第10レース「マーガレット特別」。
1着、4番マスクリン。
8番人気。
単勝配当、22270円。
騎手、加藤利征。
勝ちタイム1分45秒9。



なんてことない条件クラスの特別レース。
単勝配当、22270円。
とんでもない馬がやってきた。。。という感じでしょうか。
このクラスの競馬なら、こんな結果もあって不思議はないのかも知れません。
それでも単勝で20000円以上つけることは、極々稀です。
名古屋競馬でだいたい大穴が出る時は、人気馬が思いのほか凡走し、人気のない馬に跨った腕のあるジョッキーの大殊勲。。。が定番。
この超高配当は、勝ち馬に跨っていたのが他にもなく”加藤利征騎手”だったから?
この加藤利征騎手、今年は残念ながらまだ2勝。
彼の通算の戦歴からしてもこの数字は不本意なものでしょう。
そんな加藤騎手に、戦績のパッとしない馬。
誰しも、まさか勝つとは思わなかったのでしょうね。(笑)



このレース、1番人気だったのは今井貴大騎手騎乗のトップデラッキ号。
前々走、向こう正面大差離しての大逃げから、1番人気強豪ヴァーツラフ号を見事抑えて逃げ切り勝ち。
前走も減量騎手、新人今井貴大ジョッキーの思い切った逃げが決まり連勝中の馬でした。
そして今回。。。
この馬が1番人気は当然としても、荒れる匂いはプンプンしているレースだったように思えます。
その他、名古屋のトップジョッキーが跨っていた馬は、2番人気児島騎手、3番人気宇都騎手、5番人気丸野騎手、6番人気安部騎手と”どんぐりの背比べ”。
これら2番手以下の評価の馬が、若い今井騎手の有力馬をどこでどう捕らえるか??がレースの一番の焦点でした。
普通のレースなら、上記4人のうちの誰かが逆転していたでしょうか?
しかしながら、やってきたのは8番人気の加藤利征騎乗のマスクリン。
なぜに?
なぜにこんな結果になってしまったのか?



それは、今井貴大騎手が思い切ったレースをしたからでしょう。
まさにケレンみのない逃げ。
それがレースをおもしろくしているのです。
前走、前々走と大逃げで勝っている馬。
今回はマークも厳しくなる、という予想はできましたが、それでも今井騎手は思いきって行きました。
そこがおもしろい波乱のレースを呼んだのです。


その他人気馬、トップジョッキー達は”勝ち身”に溢れたレース勘を持っています。
だからこその早仕掛け。
少々のオーバーペースでも、このトップデラッキ号を捉えなければ勝ちはないことをどのジョッキーも意識していたのです。
直線で、少しでも前に出ていれば勝つチャンスはある!
そういった流れ、雰囲気のレース。
最後の直線は、どの馬もバタバタの脚色。
名古屋では珍しい性根尽きるまでの持久戦。
あの絵は、最高ですね。
”これが競馬だ!”
レースに全てを出し尽くす馬の姿は、美しくも感じられました。


そして奇しくも、スタートで出遅れた無欲のマスクリンが最後の直線でまとめて交わす展開に。。。
タイムはごく平凡。
いや平凡以下でしょうか?
あれを見れば、マスクリンが決してすごい脚を使ったというわけではないことがわかります。
マスクリンにしてみれば、いつも通りに走ってきただけ。。。だったのでしょう。
他の馬全部が、バテバテだった。。。
それだけのことです。



しかしこれを、たかだか条件レースの凡レースと思うなかれ。
こういった若い騎手の思い切った騎乗が、こういった波乱も呼ぶのです。
いかに名古屋競馬では、あまりにもありきたりで低配当のレースが多いことか!
確かにこんな波乱のレースばかりでは困ります。
関係者の方も、騎手に毎回こんなレースをされてはたまったものではないでしょう。
強い馬が勝つ・・・、それも競馬です。
ですが!!、今の名古屋競馬はあまりにも同じような展開のレースばかりに感じるのもまた事実。
老いも若きも方程式通り・・・では面白くもなんともありません。
ベテランは老獪に。。。
中堅はキッチリと。。。
若手は思い切って。。。
そんな要素が、競馬の展開の中にもっとあってもいいでしょう。
極論、強烈に個性的なジョッキーだっていても良いのではないでしょうか?
そういうことも、名古屋競馬を魅力的にするひとつの方法なのでは?



今の時代、みんなそんな余裕はない。。。それが事実であり、現実でしょう。
確かに、高い確率で勝つためのレースの方程式は存在するのでしょうし、それをキッチリこなすことが騎手の仕事なのかも知れません。
しかし、馬にもそれぞれ個性があるように、レース展開だって生きていて毎回違う顔を見せてくれます。。
それをステレオタイプに発揮させる乗り方をするジョッキーがいても良いのではないでしょうか?
たとえそれが”最大10”のうちの”7”くらいしか利に適わない作戦でも、その馬のとってはMAXの能力が発揮でき、レースでハマることもあるのですから。


失敗は成功のもと。。。
いろいろチャレンジできるのは、半人前の特権かも?
責任の重いトップジョッキーになってからでは、なかなかそうもいかないでしょう。。。
頑張れ!若いジョッキー達!!
君達がレースを面白くするのです!!
なんてね。。。(笑)



まあ、このことは誰に言っているわけでもないのですが・・・。
ただ、このレースがとても手に汗握る興奮したレースでしたので、こんなレースをもっと名古屋で見たいと思いまして。。。
単なる一ファンの戯れ言です。


これには、所属馬の頭数によるローテの問題やレース体系など、根本的な原因も他にあるのですが。。。



確かに、このレースで頑張った馬。
次開催のレースで出てきたらちょっと狙いづらい・・・かな?(笑)





それでは、また。






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