どんこの空(そら)に 。

きっと何かが足りない~それを探す日記~

第52回ダイオライト記念とキングスゾーン。

2007-03-08 | 全国地方競馬の話

水曜日に船橋競馬場で行われた「第52回ダイオライト記念(GⅡ)」は、交流重賞初挑戦のJRA所属キクノアロー号が、安藤勝己騎手のタイミング抜群の仕掛けから直線で先頭に並ぶと、そのまま突き抜けて快勝。
力のあるところを証明しました。
名古屋期待のキングスゾーンは、鋭い出足から先手を取り絶好の2番手から競馬を進めたものの、徐々に速くなるペースについてゆけずにズルズル後退。
最後はこの馬の持ち味で踏ん張ったものの、結局9着までが精一杯で惨敗という結果に終わりました。




それにしてもキングスゾーン。
”らしくない”負け方のような気がしたのは私だけでしょうか?
この馬にとって2400mは長すぎるとしても、あの2500m戦の名古屋グランプリの時のような引っかかるくらいの気迫がなかったことに、少し物足りなさを感じました。
あの頃は比較的マイルくらいの短い距離を中心にずっと使われていましたから、逆に言えば、あれから馬が経験を積んだことにより折り合えるようななった、とも言えなくもないのですが。。。


それにしてもスタートして1周目のスタンド前あたりでは岡部騎手の手綱は緩みっぱなし。
もともと掛かり癖のある馬で、鞍上のジョッキーはハミを抜いたりしながら工夫して折り合いに気を使いながら乗らなければならない馬であることは聞いていますが、それにしても仕掛けどころで岡部騎手が手綱をしごいても反応が鈍く、ズルズルと何の抵抗なく後退していくだけ。
あれを見ると、やはりこの馬には好位差しの勝負は、まだ無理なのかとも考えてしまいます。
岡部騎手は、馬の力を信じて、途中までは”教科書通りの”いやそれ以上の完璧なレース運びをしたように見えましたが・・・。


この結果は、単に馬の力不足なのか?、疲労が蓄積し馬の調子が悪いだけなのか?、それともやはりこの馬の場合は何が何でも先手を奪わなければならないのか?、はたまたコース適性や距離適性などから船橋2400のペースがこの馬に合わなかっただけなのか?、などなど考えれば考えるほど、またキングスゾーンのさまざまな課題が浮き彫りにされました。
以前から、途中で急に速くなったるする展開のレースが不向きなことは指摘されていたことには間違いないのではありますが。。。
とはいえ、9着は微妙な着順ですね。
ミツアキサイレンスやタービンほどの力があるのならばともかく、今の現状ではキングスゾーンがMAXの力を出し切って、なお他の有力各馬の調子次第。。。の力関係であることは否めないでしょう。
次走は、高知か?、それとも名古屋か?
どちらにせよ、無理使いを避けて無事に走ってもらえれば、それ以上の考えは今のところ私にはありません。




それにしても、キクノアローは本物でした。
私の予想はこの馬、距離実績や、また地方の時計のかかる馬場での実績がなく、怪しかったので切ってしまいましたが、全く問題ありませんでしたね。
その時点で、今回の私は完敗です。
でも私の予想通り(少々微妙なタイミングでしたが)、武豊騎手は奇策とも思えるあの”早まくり”をやってみせました。
がしかし、それに全く動じることなく安藤勝己騎手は”待ってました”かのように瞬時に追いかけ、また馬がそれに十分に応えられるほどの力があり、最後は差し切ってしまうのですから文句のつけようがありません。



武騎手の戦法。
あれは単に意表をついた”奇策”とばかりは言えません。
サイレントディールには、2400m戦は絶対に長いです。
武騎手は、この2400m戦を、この馬にとって1600m戦辺りのレースにしたかったのでしょう。
前回の佐賀記念も同様、ゆっくり行って前半は馬に極力負荷をかけず、そして後半をハイレベルな時計勝負のマイル戦のペースに持ち込む。
本来超スローの展開ならば、ラスト4ハロンで仕掛ければそれで十分なのですが、サイレントディールの性格や脚質を考えたとき、キレが持ち味の他有力各馬より後ろから行っては勝てないと考えたのでしょう。
”前半はゆっくり行って、なおかつラスト6ハロン辺りでは前に居たい。”
格の高い長距離戦で、過去の名手が何度か行った作戦と同じことです。
高等なレース展開の読みと馬を巧みに操る高い技術。。。
あれがベストのタイミングで最良にできるのは、ごく限られた一流ジョッキーだけでしょう。
今回の武騎手は、たまたま”アンカツ”の好騎乗の前に失敗に終わりましたが。。。


あれも、もしアンカツのキクノアローがいなければ、サイレントディールが勝っていたでしょうね。
結果的にサイレンとディールは最後に後続の2頭にも抜かれてしまいましたが、それはあの馬の”高いプライド”があるがゆえ。
キクノアローに抜かれたところで、サイレントディールは走るのを止めてしまいました。
キクノアローに早めに抜かれていなければ、サイレンとディールは最後まで頑張って走ったことでしょう。
レースのアヤ。。。というのは、ホントに微妙でデリケートなものです。



”レースのアヤ”といえば、やっぱり今回もサイレントディールのおかげで、クーリンガーは得意なレース展開になりました。
今回も”武豊さまさま?”(笑)、なのではないでしょうか?
今回は前走以上に、バッチリこの馬の好走パターン。
わずかでももう少し前半に早いペースになっていれば、この馬は先団に付いていけないでしょうし、もう少し遅いままであったなら最後後ろからキレのある馬に差されてしまっていたでしょう。
自分でなかなか素早く動けないタイプなので、周りが動いてくれないとダメな馬なのですが、不思議と地方交流競走では”この馬のため”にあるようなレース展開になってしまいます。(笑)
惨敗と好走。
レースは、まさに紙一重ということなのでしょう。。。




そういえばこの日、名古屋では山本茜騎手が、第8レース、5番人気のローレルダンス号に騎乗し2番手から見事差し切り勝ちを収め、デビューから自身通算100勝を達成したとのこと。
約1年と4ヶ月、女性騎手では歴代最短日数での快挙だそうです。
おめでとうございます。


またこのレースで、名古屋競馬の3連単史上最高配当2372900円が記録されたとか。
ホント、彼女はこういったド派手なことが得意ですね。(笑)
大穴を開けて勝つということは、ジョッキーの腕が強調されるトコロ。
1番人気の馬で勝つこともそれはそれで責任感もあり大変なのでしょうが、こういった区切りの目立つレースで、こういった勝ち方ができるというのは、もはや才能という以外のなにものでもありません。
またひとつ、全国に名を轟かせることとなったでしょう。


いまだに”女性騎手”として偏見を持って見られるファンも少なからずいると思われます。
でも、今の彼女は”ホンモノ”ですよ。
少なくとも去年のJBCの時よりも、更に数段上手くなっています。
名古屋のオールドファンも、ようやくそれに気がついてきました。
オッズを見ていれば、何となくわかります。
それが今回、全国のファンの方に少しでも分かって頂けたら、私もなぜか少し嬉しい気分です。



あと、大畑雅章騎手も自身通算300勝達成だとか。
この日は何かと記録づくめの名古屋でしたね。
私は船橋競馬場へ旅打ちに出かけてましたので、どちらも見届けられず。。。
名古屋競馬場に行けばよかったかなぁ・・・。
それにしてもまさか茜ちゃんが一気に3勝挙げてしまうとは!


その頃、ちょうど私は・・・・・、
船橋競馬場名物?の”カレーラーメン”食べてたくらいの時間ですかね。
美味しかった~。。。
私がハフハフ言いながらカレーラーメンと格闘しているちょうどその時に!茜ちゃんは100勝達成。。。ということだったんですね。


カレーラーメン、恐るべし!


     ↑(なんのこっちゃ!?)




それでは、また。





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