どんこの空(そら)に 。

きっと何かが足りない~それを探す日記~

邦画マニア。

2010-02-07 | Sandstorm

邦画マニアになってしまった。
いや、邦画オタクか。
去年6月に、何年か振りに近所の映画館で映画を観て以来、何か止まらなくなっている。
DVDプレーヤーを購入し、自宅でも映画を観るようになってから、それがさらに加速した。
それまでも、たまにスカパーで興味のある映画があれば観たりはしていたが、まさかこんなにも嵌るとは自分でも思ってもみなかった。
まあ思えば、仕事の休日も、家庭の事情で自宅にいなければならないことが多くなったことも理由のひとつだろう。
アウトドアの趣味もまだ忘れたわけではないが、この歳にもなれば必然的に身体も思うように動かなくなってくる。
当然の流れといえば流れか。
10年来の悪友達も、関東圏に残してきたままだ。




そして、なぜか最近観る映画は全て邦画。
別に洋画に興味がないわけではない。
以前は洋画も多く見ていた。
ただ映画館で観たとなると、はるか昔?デートコースの定番として使う程度であった。
映画が観たくて観たわけでもないような映画は、そのタイトルですらほとんど覚えていない。
昔から、なぜか自分は邦画に惹かれてしまうのだ。
自分達が学生の頃は、邦画と言えば角川映画かホイチョイ映画の全盛期。
でも個人的には、大林宣彦作品などが好きでレンタルビデオ屋でテープを借りてきては観ていた記憶がある。
高校の修学旅行で尾道に行って、そこで観た「さびしんぼう」が初めての出会い。
その後「異人たちとの夏」や「おかしなふたり」など、いまでも自分の中で忘れられない作品もある。




それにしても、最近全く映画など忘れていた自分が突然思い出したように映画を観だしたのは意外なことであった。
観だした理由はともかく、止められないのは、やはり最近の邦画が面白くなったということなのだろう。
最近はテレビドラマも面白いのかも知れないが、なにせ時間がない中年サラリーマンにとっては何話も続くドラマを毎週見るような気力も自信もない。
その点2時間足らずで必ず完結してくれる映画が、自分にはベストマッチな楽しみと成り得た理由のように思う。
そんな自分が去年6月から観た邦画をリストアップしてみた。
振り返ってみれば相当な数になった。
なぜかこれまで観た映画のタイトルを全てメモするのが習慣になっている。
映画館で観たものなら必ずパンフレットを買い、レンタルで借りたものはDVDを写真に収めている。
長年ずっと観続けてきた人なら絶対そんなことはしないのだろうが、突然のようにゼロの状態から観始めた自分にとって、何かやり始めたらそれがコレクションのようになってしまっているのだ。
まるで、「邦画オタク」そのものだナ。。。




金曜日に名古屋競馬を楽しんだあと、本屋へ立ち寄ったら「キネマ旬報」の決算特別号が出ていて思わず購入してしまった。
2009年のキネマ旬報ベストテンについては以前ここでも紹介したが、その内容についての特集号だった。
自分の観た映画がどんな評価なのかということより、賞を受賞した監督や俳優の方々がどんな思いや感想を持っているかに興味があった。
特に、女優さん。
架空の物語の架空の人間を「演じる」、女優という一人の人間。
その一人の人間が知りたいという思い。
我々だって、普段の生活の中で多かれ少なかれ何かの役割を演じているものだ。
そんな「演技」を評価されるというのは、どんな気持ちなのだろう。
少なくとも新聞や雑誌の中のようなビジネスとしてのリップサービスや売り文句ではないものが、少しでも感じられるような気がしたからだ。





そんなキネマ旬報の「2009年の映画大総括」という謳い文句に誘われて、自分でもこの8ヶ月で観てきた映画を振り返ってみようと思う。
ほとんどゼロ、だったのが、一気に80本あまりの映画を観たのだ。
頭の中は飽和状態に近い。
もしかしたら、本来映画から感じるべき感覚が麻痺してきていて大事なものを見過ごしてしまっているかも知れない。
ちょうど一区切りとして、改めて観てきた作品を落着いて見直してみたいと思う。
映画館鑑賞でない作品は、必ずしも2009年の作品ではないのであしからず。
ただ全て、自分が2009年以降に初めて観た作品に限っている。






< 2009年6月~2010年1月(2月)に観た、邦画タイトル >

  ◎・・・映画館鑑賞
  ○・・・DVD鑑賞
                   A・・・見入ってしまった
                   B・・・面白かった
                   C・・・観るべきものがある
                   D・・・観て良かった
                   E・・・眠ってしまった
 (アイウエオ順)

○愛のむきだし (A 心の裏表と人のエロスを晒しだす)
○明日への遺言 (C 歴史の真実を暴く硬派なストーリー)
○阿弥陀堂だより (C 生への問いかけ 他監督作も見たい) 
○1980 (B なつかしさとナンセンスコメディに魅入る)
○いちばんきれいな水 (D 女優の清純なイメージとマッチ) 
○インスタント沼 (B まさにカメレオン女優の魅力爆発)
○ウルトラミラクルラブストーリー (C シリアスだけが正ではない)
◎ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ (A 監督の女性の描き方に酔う)
○おいしい殺し方 (D シリアスとユーモアのバランスが抜群)
◎おとうと (B テーマは数多くのリアルを内包している さすが)
◎おと・な・り (D 女性向きのラブストーリー)
○おっぱいバレー (D 笑える青春モノ)
○俺たちに明日はないッス (D 悶々とした青春モノ)
○害虫 (D 心が痛くなる 女優の演技だとしても痛くなる)
○亀は意外と速く泳ぐ (D 真面目が笑える主人公の話)
○カンゾー先生 (D 人間は誰も完璧ではないということ)
○奇妙なサーカス (D 少女と大人の女性の対比がリアル)
◎キラー・ヴァージンロード (E 眠ってしまったので不明)
○嫌われ松子の一生 (A 女の一生現代版 映画っぽくないが)
○グーグーだって猫である (C 涙だけでない良質のファンタジー)
○クライマーズ・ハイ (B カオスの中の主人公に惚れる)
○クワイエットルームにようこそ (C 狂っているのは誰だ)
◎群青 愛が沈んだ海の色 (D 大人になってゆく女優の魅力)
◎サイドウェイズ (A 同世代のホロ苦ラブストーリーが心地よい)
○サイドカーに犬 (C ノスタルジック感と女性の魅力が切ない)
○ザ・マジックアワー (D 笑えて手に汗握るストーリー)
○サマータイムマシンブルース (D 不思議な感覚に襲われる)
○沙羅双樹 (C 静かにうねる 見せ方が秀逸で引き込まれる)
○サッドヴァケイション (C 引き込まれるストーリー 鈍く痛い)
○自殺サークル (C 衝撃的なテーマ ストーリーよりもテーマ)
◎沈まぬ太陽 (D 重いテーマにリアルが過ぎている気がする)
○重力ピエロ (C ミステリーよりもサラッとした感覚が不思議)
○純喫茶磯辺 (B 二人の女優の異なった魅力に溢れている)
○少女 (C エロスとして観るか、問題作として観るか)
○少年メリケンサック (D やたらと馬鹿馬鹿しいがキラリと光る)
○ショコラの見た世界 (D ホロっとさせるメルヘンストーリー)
○ジョゼと虎と魚たち (C 女の強さを独特の感性で)
○深呼吸の必要 (C 演技は別で二人の女優に目が離せない)
○神童 (B やさしいストーリー ひっかかりがなく心地良い)
○ストロベリーショートケイクス (C 女性向き 男が観れば・・・)
○すみれ人形 (E なぜか怖くなくて眠ってしまった)
○スワロウテイル (C 少し怖い近未来の世界観に引き込まれる)
◎すべては海になる (B 男女の細かな心の動きの演出が秀逸)
○世界で一番美しい夜 (D コメディエロス大驀進)
○世界の中心で、愛をさけぶ (A 今さら観る自分でも泣けた)
○ゼラチンシルバーLOVE (B ゾクゾクするほどの妄想エロス)
◎ゼロの焦点 (C もう少しシリアス感があればもっと良かった)
○チルソクの夏 (D 自分にはもうない青春モノ)
○罪とか罰とか (D 次を予測させない笑いの展開には満足)
◎剱岳 点の記 (C 山のリアルを知っている人ならば満足)
◎ディア・ドクター (A 主役と主人公のイメージが重なって切ない)
○ナイスの森 (E 二度観て二度とも途中で眠ってしまった 不明)
◎なくもんか (D 途中にちりばめられた笑いが切ない)
○虹の女神 (D The end of the world イノセントな余韻が残る)
○ニライカナイからの手紙 (B 女優の魅力に引き込まれる)
○紀子の食卓 (A 意外なほどのドキドキ感で最後まで魅せる)
◎ハイキック・ガール (D ストーリーがイマイチ軽いが面白い)
○ハチミツとクローバー (D 切なくないのはオヤジだからか)
○ハッピーフライト (C 笑いとシリアスでお尻が浮く)
○花とアリス (C うら若き女性の魅力を監督が優雅に綴る)
◎パンドラの匣 (A 不思議な世界観にキャスティングがマッチ)
○眉山 (B 硬派な感動ストーリーの王道に浸る)
○ヒッチハイク 溺れる箱舟 (A シリアスバイオレンスエロス)
○人のセックスを笑うな (B あまり考えずホンワカ気分で観れる)
○百万円と苦虫女 (B 女流監督が映し出す女優の魅力が爆発)
○フラガール (A ありきたりなストーリーでも泣いてしまう)
◎ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かも知れない (D)
○蛇にピアス (D なぜかストーリーより女優ばかりが気になる)
○変身 (D 少し足りない気がするが最後まで見てしまう)
○僕の彼女はサイボーグ (C 女優が天然な魅力を発揮)
○星になった少年 (D じっくり観るには少々足りない気がする)
○ホノカアボーイ (C やさしい気持ちになれるストーリー)
○舞妓Haaaan!!! (A 笑えて切ない 合ったテンポも良い)
◎曲がれ!スプーン (C 映像の中の空気感がたまらなくイイ)
○真木栗ノ穴 (D シリアスエロスだがワンパンチ足りない)
◎真幸くあらば (C ストーリー云々より衝撃度にやられる)
○マスク ド 41 (C 同世代のオヤジに肩入れしてしまう)
○蟲師 (D ストーリーよりも世界観を楽しむ映画)
○萌の朱雀 (B 静かに鈍く心が痛い 感じ考えさせる映画)
◎山形スクリーム (D ギャグもホラーもトータルで足りない気が)
○ユリイカ (B 観てしまう静かなストーリ 繊細な心の動きに)
○楽園 流されて (D サスペンスエロス)
○リアリズムの宿 (B ギャグではないのに笑ってしまう 巧い)
○理由 (B 新しい見せ方のストーリー展開に目が離せない)
○リリィ・シュシュのすべて (C 心が痛い とても痛い 痛い痛い)
○ロボコン (B 女優や俳優陣の初々しさに尽きる)
◎わたし出すわ (C 怖い話でも最後は現実的な女性に我に返る)
◎笑う警官 (A 大人のムードとシリアスな展開に引き込まれる)





実際に観た作品の数といえば、「殯の森」を改めて観たり、はるか昔にビデオで観た「異人たちの夏」を再度観たりしているのでもう少し多くなる。
考えてみれば、だいたい一週間に2本くらいのペースで観ていることになるか。
これが多いか少ないかは知るところではないが、だいたい以前ドンコで馬券勝負していたのと同じペースのようだ。
凝り性の性分は相変わらず。
本当にどうしようもない。







さて、次は何を観るかな・・・・・。













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2 コメント

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Unknown (セントレア)
2010-02-08 20:45:13
リストのなかに、おくりびとが入っていないですね。それと古いですが、キサラギ も気に入っています。

剱岳点の記はランクCですか? 大自然にはあこがれがあります。ちょっと感想だけです。



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観たい作品がありすぎて。 (tsu-bo)
2010-02-09 01:50:15
御紹介ありがとうございます。
話題作など、まだまだ観ていない映画も多いです。
レンタルショップの1週間5本で○○○円とかだと、重いテーマの作品ばかりだと疲れてしまうので敬遠しがちかも知れません。
感動作や話題作は、時間に余裕がある時にじっくり鑑賞したいと思っているのですが、いつも観るタイミングを逸してしまいます。

最初は何もわからず女優さんなどで作品を選んでいたのですが、最近はヒューマンドラマに惹かれます。
ショップの棚の作品の多さを考えれば、本当に良いと思える作品にはまだそんなに出会っていないのかも知れません。
またご教授下さい。
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