どんこの空(そら)に 。

きっと何かが足りない~それを探す日記~

猫の惑星。

2010-08-18 | Sandstorm


連日の猛暑日。
夕方6時。
歯医者へ向かう途中。
ひとっこひとり見かけない。
十字路に出ても、はるか先まで動かない風景。
ずっと見慣れた住宅街も、それはまるで無人の惑星。
死に絶えた町。
いつか観た映画だったか。
ただセミだけがけたたましく鳴いていて、他には何も聞こえない。
何分か歩いたが、見かけたのは猫、ネコ、ねこ・・・。
動いているものを見たのは、それだけだった。
公園の脇では、何匹かたむろしていた。
ここは猫の惑星か。
そんな風情だった。




歯医者では、エアコンの効いた待合室に何人かいた。
少し安心。
若先生とは、最近の暑さの話になった。
昔はこんなに暑くなかっただろうという話。
連日の36度、37度は異常だとか。
アスファルトの町。
数限りないエアコンの温風。
それとも温暖化の影響か。
温暖化が進めば、人間は屋外に出られなくなる。
いや、もうすでにこの町は、誰も外には出てきやしない。
人間は弱くなった?
いや、それは日本人だけだろうか。
毎日毎日、熱中症で亡くなる人のニュース。
そういう自分も学生時代まで、エアコンなしの部屋で生きていた。
たぶん今では、3日も耐えられないだろう。
思えば知恵があった。
そして工夫があった。




帰り道。
夕凪のあと。
窓を開けて涼をとることを忘れてしまった人たち。
寂れゆく銭湯。
なつかしい神社。
誰もいない縁側の家。
見慣れていたはずの町が、もはやそうではないことに気付く。
夕涼みをしているのは、やはり猫だけだった。
たぶんここはいずれ、猫の惑星になるのだろう。








熱中症で死んでいるのは、人間だけだろうか。
そうだとしたら、原因は暑さだけではないのかも知れない。
夏は熱中症と食中毒と、どちらが危険か。
人間と猫と、どちらが賢いか。
わかんにぁ~。








最新の画像もっと見る