えびす顔の造花卸売問屋元社長からの手紙

かすかな希望を抱いて幸せを自慢する尊大な手紙。重複掲載御免。造花仏花の造花輸入卸売問屋ニューホンコン造花提供

憲法「押し付け」論の幻

2023年08月07日 14時46分18秒 | 本・セミナー
 みなさん こんにちは

 「今の日本国憲法は、米軍占領時にアメリカから押し付けられた憲法だから、日本国民の意志で独自の憲法を制定しよう」との論理で、憲法改正を求める声があります。この本はその主張に真っ向から抗い、国民主権や基本的人権の保障、戦争放棄を盛り込んだ崇高な現憲法を護ろうと呼びかけます。

  連合国最高司令官総司令部 (GHQ)は当初、日本政府に憲法改正作業を任せていましたが、政府の改正案が非民主的であることからGHQ独自の改正草案を作成し日本政府に提示。その草案が政府や衆議院で修正された後、同院で可決成立しました。このことだけを取り上げると、いかにも現在の日本国憲法はGHQの押し付けのように見えます。しかしそのGHQの草案の多くの条項が、この本で取り上げられている民間の日本人による「憲法研究会」の憲法草案要綱などに依拠しています。つまりは、日本人独自の憲法案が大きく取り入れられていて、それらを参考にGHQが草案をまとめたことを、資料を基に明かしています。
 
 例えばその憲法研究会の要綱では、既に
 ・日本国の統治権は日本国民より発す
 ・天皇は国民の委任を受け専ら国家的儀礼を司る
 ・国民は文化的水準の生活を営む権利を有す
 ・国民は労働の義務を有す
 ・議会は立法権を掌握する
 ・総理大臣は両院議長の推薦により決す
 ・各国務大臣は総理大臣任命す
 ・裁判官は独立して唯法律にのみ服す
 など。「戦争放棄、戦力の不保持」こそありませんが、現憲法を代表する条項が見られます。そして象徴天皇制の「象徴(シンボル)」の用語についても、確証は得られないとしながらも、この研究会の議論の中から生まれた可能性が高いことを示唆しています。

 さらには当時、民間から出された数々の憲法草案の内、植木枝盛の日本国国憲案には、
 ・日本の人民は法律の外において何らの刑罰も課せらざるべし
 ・日本人民は日本国を辞することを自由とす
 などともあり、これらもGHQ草案に反映されたうえ、同様な条項は現憲法に見られます。
 
 GHQは当時数十も出された民間からの憲法草案を綿密に検討することで、当時の日本人の考えを把握し、草案作りに入れ込んでいきました。著者はお仕着せでないからこそ、現憲法が戦後60年(執筆当時)にもわたって変更されることなく続いてきたと、現憲法の重要性を説きます。

 それにしても、GHQ案ですでに第一条の主語が天皇で、「その地位が人民の主権による」と、現憲法とほぼ同じ論理で規定されているのには驚きました。私は日本の民主化、国民主権を第一に考えるGHQの草案では、主語は必然的に「国民」になり、その後の政府や議会での修正で、変わったと思っていました。この部分は憲法草案要綱よりも後退しています。GHQ案より憲法草案要綱など民間の草案の方がより民主的な箇所が他にも見られます。当時の日本人研究者、思想家の方々の先見性に驚くばかりです。

 これから先は宣伝です
 造花のことなら、大阪で100年の歴史を誇る造花輸入問屋の(有)ニューホンコン造花へ。卸専門です。装飾造花、ギフト造花から菊、百合、樒(シキビ、しきみ)、榊(サカキ)など仏花、神様用造花まで扱っています。
 (有)ニューホンコン造花 
 〒581-0845 八尾市上之島町北5-32-2
 TEL 072-923-5587 FAX 072-996-4187  
 ホームページ http://nhkf.jp  E-mail info@nhkf.jp
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする