能登のみなさん こんにちは
第三章
「どこで遊んでたんだ。こんなに遅くまで。木くずを集めるのにそんな時間がかかるのか」
「ごめんなさい。父ちゃん。流木を探すのに手間取って」
「親に歯向かうのか。酒はどうした」
「お金がないから買えなかった」
「なんだと」
というやヌーシャの右足を左手に握りしめた竹の棒でたたいた。
「痛い。止めて」
ヌーシャは倒れた。
「父ちゃん、ねえちゃんを叩かないで」
「お願い」
ダクラ―とシャンが父にすがる。
「邪魔をするとお前らも叩くぞ」
「父ちゃん。ダクラーとシャンを叩かないで」
「やかましい」
その時、
「ブルート、何をしているの。子どもを打って」
部屋の奥で横になっていたらヌーシャの祖母が右足を引きずりながら出てきた。
「年寄りは引っ込んでろ」
「それが母親に言う言葉か」
「うるさい。よぼよぼで金もかせがんと、飯食らってるだけのくせしあがって」
「母親によくもそんな口をきけるもんだ。お前を育てたんは私じゃないか」
「うるせい。けったくそ悪いガキとばばあだ」
というとブルートはどこかに出かけていった。
「おばあちゃん。ありがとう」
「お前たちには苦労を掛けるね。あの子も事故で右腕を無くすまで、いい大工だったのに。大きな流木を拾って来たね。それでチャパティを焼いてあげよう」
「やった。おれもうはらぺこで死にそうだ」
「私も」
「でもおばあちゃん。母ちゃんに今日は井戸から水を汲んできておくれって言われているの。先に行ってくる」
「いいよ。母ちゃんは今日、タガール家の噴水工事に行っているから遅くなるんだ。なんだか、明日お嬢さんの10歳の誕生日会を庭園で開くから、それまでに修理するらしいよ。今日中に仕上げないといけないから少し遅くなるって。チャパティを食べた後でも、母ちゃんが帰って来るまでには汲みに行けるよ。あっ、お前も明日10歳の誕生日だったね。何もお祝いをしてやれず、ごめんね」
「えっ、そうなのねえちゃん」
「そうだったかしら」
「ねえちゃん、おめでとう。一緒にチャパティ食べようよ」
「そうよそうよ。おめでとう」
「分かった。じゃあ水汲みは後にするわ」
続く
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