これが私の生きる道

こむずかしいことやきれいごとは
書いてありません。
読みやすさを心がけて書いています。
読んでみてください!!

角田光代「この本が、世界に存在することに」を読んで

2005年11月29日 19時28分28秒 | 読書
 久々にブックレビューです。
この小説は「本」に纏わる物語が書かれています。
自分は本は図書館で借りることばかりなので
何か申し訳ない気持ちになってしまいました、
この本も借りて読みましたし・・・

 お金を出して買ってまでも、というセコイ気持ちもたぶんにありますが 
本ってものすごくかさばってスペースをとるので
せまい自室にはそんなに何冊も買って置いておけないという事情もあります。

 それはさておき9つの作品を収めてありますが
一番好きなのは「さがしもの」という作品です。
 その中の一節に「できごとより、考えのほうが何倍もこわいんだ」
っていう文があります。
例えば注射を打つ時の痛みより、それを実際に打つまでに抱く恐怖心が
こわかったりする感じです。

 自分を振り返ってみても、嫌なことをするのは苦痛なのは当然として
そのことをああでもない、こうでもないと考えることの方が
より苦痛ではないかと。
 あとこの本でも言っていることですけど、
どんなことでも結局は目先のことをひとつずつ片付けていくしか
ないんであって、それを黙々とこなしていく事が
嫌なことを嫌に感じない唯一の方法なのかもしれません。

 そうはいっても色々考えてしまうのが人間で
でもわき目もふらずに一つのことだけに集中できることができたら
それはそれは幸せな生き方だなと切に思います。
 

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