オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

TVの通信販売の不思議

2006年05月26日 | Weblog


素朴な疑問である。

 テレビのチャンネルを回していると、たまたま通信販売の番組が目にはいることがある。私は見ているだけで胸くそが悪くなる。販売担当者の説明に対する共演者のリアクションが大げさでわざとらしくて嘘っぽいからである。見ていて恥ずかしいくらい魂胆が見え見えである。それを図々しくもヌケヌケと平静を装ってオーバー気味にコメントしている。

「私は役者だから演じるのが仕事」と言う言葉が返ってきそうだが。

 果たして、通信販売の商品説明に演技が入り込んでいいものだろうか?「演技」とは架空のものであり虚構である。正確に伝えなければならない情報に「嘘」が入り込んではいけないのである。たとえ誇張はあっても「嘘」はあってはならない。「ところでお値段は?」「なんとみんなセットで○○○円です!」「うわぁー、やぁすぅーい!」「私も欲しい」と言うやりとりの最後のほうは演技であり「嘘」が含まれていると私は思う。下手をすると催眠商法や詐欺商法の類に限りなく近い。

相手を騙して注目を集めようとするのは犯罪である。

 どんな理由があろうと騙すことは許されない。通信販売の役者としての仕事が終われば舞台裏では舌を出して対象商品なんて糞喰らえで本当は商品価値も購買意欲も関心さえ示さないのでは視聴者に対する背任行為である。そんな商品の宣伝を引き受け一役買うのはたとえ仕事とは言えその人の良心に反する行為であって、そんな仕事を安請け合いするような人は人格を疑ってしまう。

この頃は、見え見えの演技で固めた宣伝が新鮮味をなくして、

 さりげなく、普通に買い手の心理に溶け込むような手法が登場しつつある。見え見えの演技では「世の中そんなうまい話ばかりあるはずがない」と最初から警戒されてしまうのである。トーク番組の中でさりげなく「いいですよ」と言ってみたり、有名人の愛用品として紹介したり、便利商品として紹介したりである。

この頃、自宅に新種のアプローチで売り込む訪問販売が続いている。

 「近所で○○の工事をやっているんですが、皆さんにご迷惑をおかけしているので、サービスとして無料で○○の点検を実施しています。」と言う挨拶で始まる。点検を受けると、「そろそろ○○を直した方がいいですよ」と点検結果を見せながら説明し、「今なら出張費無料の格安で実施できますよ」「誰々さんの家も契約していただきましたよ」とたたみかける。実に巧妙である。中には本当に近所で工事をしているのか疑わしい場合もある。内容は屋根や外壁であったり、下水管掃除やガス・水道管工事だったり、場合によってはシロアリ消毒だったりである。

実に巧妙であるが、話が進むにつれて疑心暗鬼になり最後は信用できなくなる。

 ただ単に私が疑い深いだけかも知れない。しかし、販売員の最初の動機が不純に思えると全体が胡散臭く思えてしまう。この「勘」は重要だと思う。不信感を持つことなく商談が成立し契約したものはこれまでに失敗したことはほとんどなく、かえって予想した以上の有利な条件で終えることができた場合が多いようである。相手の誠意がひしひしと伝わってくるので終わった後もすがすがしいものがあるし、アフターサービスもしっかりとやってくれる。多分訪問販売員はその場限りの一発勝負で契約を取っているのではないかと思えるふしがあり、しっかりと最後まで責任をとってくれるのか心配になってくる。

最終的に契約が取れないと見ると、豹変する訪問販売員がいる。

 捨てぜりふを吐いて立ち去ってゆく者や、「こっちも遊びでやってる訳じゃない」と反対にすごむ者もいる。本当の正体を現したのである。もし契約をしていたらいずれどこかでこのような扱いを受けることとなるのだろう。責任感や誠意のかけらも見受けられない。テレビの通信販売で何となく雰囲気として感じている不快感と同じような感覚である。最後には気まずい思いしか残らない。

売り手の方から積極的に迫ってくる商談は眉唾で聞く必要がある。

 本当に信用と価値が認められるなら通常の宣伝だけでお客は寄ってくるはずである。お客の所にわざわざ出向いて商談を迫るのは、そうしないと売れないからであり、売れるだけの信用と価値が認められないからである。お客は必要であればどんな対価をはたいてでもその要求を満足しようとする。そしてその要求を満足する売り手を捜し回る。その時の判断基準は信用と価値ではないかと思う。「ニーズを掘り起こす」という言い方があるが、必要のないニーズを掘り起こして押し売りまがいに品物を売りつけられても消費者は困惑するだけである。


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