大変過酷なレースであった。暑さだけでなく、体力的にも人間の限界ぎりぎりのところで争われるレ-スである。審判員の配置の関係か周回道路で行われる競技であるが、まさかのミスリードが起きてしまった。大会運営者、特に競技場入り口で周回判定と選手の案内をしていた競技関係者は、山崎選手にどう謝るというのか。
あのままもう一周できなかったかもしれないし、またきちっと最後まで完走して上位入賞を果たしたかもしれないのだ。問題は、そんなことではない。最後のエネルギーを使い果たし、倒れても完走することを目指したであろう山崎選手に、棄権(失格)という汚名を着せるのはなんともしのびがたい。
大会運営最高責任者の謝罪を求めたい。3時間40分もかけて競技してきた最後の一周をミスリードで棄権に追いやられてしまった山崎選手にどう謝るのだろうか。謝ってすむ問題ではない。名誉も名声もあの瞬間に捨て去られてしまったのだ。
確かに選手も大会関係者も暑さとの戦いで大変なことは分かる。しかし、運営者は交替もできるし、休憩もできる。選手はそうは行かないのだ。選手側にもいろいろ条件だってあるはずだ。年齢的なもの、選手として選ばれるまでの予選での戦い、その他個人の条件はいろいろあるはずだ。ここ一番、今日のチャンスしかない選手もいるはずだ。
すべての人生をかけて戦っている選手に、正しい判定と評価をするのが運営者側に課せられた使命であると思う。今日は残念な光景を見たしまった。