古希を過ぎたころからすこしっづつ身辺整理に入っている。捨てることが苦手な戦前派は、結構つまらないものまでとっておく習性があるようだ。何年もの間一度も使わないものまで後生大事にしまっておくのだから始末が悪い。
これまでにも背広類は、ずいぶん処分してきた。古い下着は、海外旅行の際に竹の子生活よろしく現地で捨ててきた。今年は、重い荷物のひとつである図書類の処分に取り掛かった。これまでも市役所の図書コーナーへずいぶん置いてきたが、最近Book Offが開店したので一二度持参してみた。何のことはない、運び賃にもならない買取価格だった。それなら市役所の不用品へまわしたほうが気持ちがいい。Book Offには二度と持参しないつもりである。
今日も本箱をのぞいてみた。懐かしいもの、大切なもの各種雑多あったが詩を書いたことのない私が、初めて書いた詩が出てきた。母にささげる詩だった。
母に捧ぐ(享年92歳)
明治は遠くなりにけりの感
死期には何の不足も無いが
その人生の波乱に満ちた道程は
筆舌に尽くしがたい
ただ自分の人生を悔いることなく
戻ってこない金銭貸借
対人関係の軋轢
何も語らずに口をふさいで逝ってしまった母
いまさら何を語ろう
いまさら何を食べたかろう
いまさら何が欲しかろう
ただ供養あるのみ
合掌
平成6年5月、一周忌の席で発表させてもらった。
私が何を言わんとしていたか、中には頭の痛い人もいたはずである。
今日は、身辺整理のつもりが、変な方向へ話が飛躍してしまった。許されよ!である。
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