八島ビジターセンター

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サラシナショウマ

2007年09月13日 | Weblog
いったい普段はどこに潜んでいるのか。あるときはヨツバヒヨドリが咲き、あるときはススキの穂が揺れているのとほぼ同じ場所に今月はサラシナショウマの穂がたくさん出ていました。もちろん、他の植物が花を咲かせているときもサラシナショウマはちゃんとそこに生育しているわけですから、なんとも窮屈な世界を想像してしまいますね。

でも、それが半自然草原のいいところ・・・。

限られた空間の中で、草本植物というのは時期や場所を少しずつずらしてうまく住み分けています。霧が峰で植物の地上部現存量の変化を調べた調査によると、6~7月にはニッコウキスゲ・スズラン・チゴユリなどのユリ科植物が最も多いのですが、次第にアキノキリンソウやノコンギクなどのキク科植物が増加し、最後はススキ・ノガリヤスなどのイネ科植物にとって変わる、とされています(学研ハイベスト教科辞典―植物の世界より。)

草原のベースとなる植物はススキなどのイネ科植物なのですが、これらのイネ科植物は成長の出足がおそく春にはまだ十分な葉を広げていないため、同じ場所にたくさんの他の植物が生育できるわけです。確かに、あんなに見事な大群落を形成するニッコウキスゲの草原だって9月にはちゃんとアキノキリンソウやら、ツリガネニンジンやらが見られるのですから不思議ですね。

でも、時には「譲り合いなんかごめんだ!」となかば強引に一年中広範囲を独占してしまう無法者もいるようです。美ヶ原や霧ケ峰の一部ではでは”ササ”がその身勝手な無法者というわけなのですが・・・

次回はそのことについてお話しましょう。


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