八島ビジターセンター

長野県のほぼ中央、霧ヶ峰高原の八島湿原を中心とした地域の最新情報をビジターセンターからお届けします

秋のひとコマ

2007年09月08日 | Weblog
偶然にも、ちょっと秋らしい写真が撮れたので紹介します。昨日の台風でズミの木の下にたくさんの葉が落ちていました。主に見られたのはズミ、ヤマブドウ、そしてシラカンバです。何気なく撮ってみたら、なんでもない写真なのに意外と気に入ってしまいました。いろんな色・形の葉っぱに、心地のいい木洩れ日がやさしい印象を与えていて心が温まります。大げさですかね(笑)

さて、「食欲の秋」ということで湿原の動物たちは少しせわしなくなってきました。何か昆虫を捕食しているのでしょうか。今朝、八島ヶ池ではイワツバメが水面に向かって滑空を繰り返している姿がみられました。水面に無数の波紋が広がってはぶつかり合う様子がなかなかきれいです。野鳥も食べ物に夢中のようで、茂みの中をごそごそと歩き回っている姿をよく見かけます。ひょんなタイミングで鉢合わせなんてこともしばしば。数メートル先の木道で蝶を捕まえた鳥もいましたが、僕の存在にもすぐには気がつかないようでした。

そんな動物たちの油断した姿も、よく見ているとなかなか楽しいものです。草叢で何か物音がしたら足を止めてそーと目を向けてみましょう。向こうから姿を見せてくれるかもしれませんよ。


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■AED設置施設
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ワレモコウ

2007年09月06日 | Weblog
今日は台風の影響で朝から雨模様。お客さんは100人にも満たない静かな一日でした。こんな日は雨音を聞きながらのんびりと考え事にでもふけって過ごすのが一番ですね。といっても、仕事をさぼっているわけではないですよ・・・(笑)

今日は湿原に咲いていた愛嬌あるワレモコウをご紹介しましょう。
まるで「やじろべえ」です。鎌ヶ池のほとりにさいていて、万歳をした姿がなんとも微笑ましかったので思わず立ち止まってしまいました。サービス精神旺盛なワレモコウ。そういえば、数年前には、自然保護センターでハート型のワレモコウが咲いてちょっとした話題となっていたのを思い出します。まだまだ探せば、楽しいワレモコウを発見できるかもしれませんね。

ワレモコウも秋を代表するお花。これまた落ち着いた色と雰囲気がなんとも魅力的です。湿原の周辺にまだまだ見られます・・。


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足元

2007年09月04日 | Weblog
午後6時、湿原では昼間の騒々しさを押し流すように、重たい霧が鎌ヶ池から御射山のほうへ向かって立ち込めていきます。僕はこの時間と霧がとても好きです。その霧の中で私たちが学び得ること。それには自分にとって、大切にしていきたい特別な想いがあります。

日中、人々は遠くの景色に目を奪われてあっちもいいこっちもいいと、これから歩いていく道のことを考えます。それは、日常生活においてもっと広い世界や、新しい出会いや、遠い未来にあこがれるのと似ています。それも大切なことでしょう。しかし、太陽の光が和らぎ、霧が立ち込めた時、我々が目にする周囲10mほどの小さな世界はとんでもなく美しく映るものです。

人はあまり遠くを見すぎていると自分の周囲にある大切なものを見逃してしまうのではないでしょうか。

かの文豪ゲーテも、「遠方と未来には何の変りがあろう」といっています。遠くの木陰や谷間に憧れて行ってみても自分たちの期待したほどのものはなく、結局は元いた場所に戻ってくる。それと同じで、どんな放浪者も最後には自分の小さな家、自分の家族、自分を養う仕事の中に本当のよろこびを見つける、と。

私はこの言葉が好きです。いつもそのことを忘れないように生きたいと思います。今を大切に生き、友達を大切にする。日々の食事や休息や音楽を楽しむ。そうして丁寧に少しずつ前へ進む。

夕暮れと霧は私たちにそんな足元を見ることの大切さを教えてくれるのです。


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ミズナラ

2007年09月02日 | Weblog
ミズナラのどんぐりが少しずつ大きくなってきました。

ミズナラは数多くある木の中でも、私がとりわけ好きな木の一つです。その魅力は「親しみやすさ」でしょうか。大きくユーモアに満ちた葉っぱとおとぎ話に出てきそうな独特の樹形は、見るたびに惹かれてしまいます。また、その親しみやすさの反面、草原の中に一本立ちした力強い姿からは貫禄の頼もしさをも感じさせるのです。

ミズナラはブナ科コナラ属の樹木です。このコナラ属の代表種といえば、関東地方の里山に多いコナラが思い浮かぶかと思います。私の生まれ育った埼玉県所沢市にはまだまだ広大な雑木林が残っていて、家のうしろに広がるクヌギ・コナラ林は幼い頃の遊び場でもありました。コナラは、ミズナラに比べるとずっとスリムで健康的な印象のある木です。ミズナラが「経験豊かで無口な人生の先輩」だとしたら、コナラは「まだまだやんちゃな未熟者」という表現がぴったりでしょう。厳しい環境に立つミズナラは落ち着きのある厳粛な印象を我々に与えますが、地元の雑木林はもっと素朴で、明るい木々の声が聞こえてくるような気がするのですから。そして、両者は家族であり、親戚であり、兄弟なのです。それは、その実や葉を見ればわかること。微笑ましい絆がそこには見て取れますよ。

子どもの頃から、そうした木々に親しんできたということでは(当時は特別自然が好きだったという訳ではないのだけれど)、今私がコナラ属さらにはブナ科の木々に対して親しみを覚えるのは自然なことなのかもしれません。これらの木を見ると、家族に対して持つような何か無条件に暖かい気持ちになるものです。

霧ケ峰にはたくさんの立派なミズナラが育っています。是非、皆さんのお気に入りの一本を見つけてください。


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