12月16日に開催されました食素材部会2012年最後を飾るイベント「蔵王洋梨まつり」の報告を致します。
スケジュールは、蔵王山麓の丘陵地帯にある「不忘果樹園」さんで洋梨見て食べて学ぶ研修会と、「ゆと森倶楽部」さんシェフ佐藤さんご協賛による五感に響くスイーツの食味体験です。
空が美しく晴れわたりきりっとした空気感が印象的な蔵王に到着。はじめに、和梨、西洋梨、梅、ブルーベリーなどを栽培・販売をされている不忘果樹園の山家さんご夫妻を訪ねました。
なんとなんと私たちのために、食べ頃の洋梨12種類を取り揃えて待っていてくださいました。「え~~~12種類も!!」このブログを読んでいらっしゃる大多数の方が驚きの声を挙げているのではないでしょうか。
食べ比べた品種;カスケード、カリフォルニア、ゼネラル・レ・クラーク、ハイランド
エルドラド、シルバーベル、バラード、ラ・フランス、グランド・チャンピオン、コンフィレンス、ゴールド ラ・フランス、ドワイアンヌ・デュ・コミス
皆さんご存知のように洋梨は日本梨とは異なり、追熟させることで食べ頃をむかえる特徴があります。品種の違いで収穫や食べ頃が少しずつ異なるため、12種類もの品種を一同に目にして味わうことは、人生の中でも貴重な経験。ここ不忘果樹園さんのご協力あっての究極の食べ比べ体験が実現しました。
色や形の見た目にも個性があり、その姿を目の前に私たちは心躍らせながら、それぞれの味を楽しませて頂きました。
こんなに大きなものもありました。
1個でなんと1.5kg!
食べ比べは、甘み、酸味、香り、食感など大いに刺激され本当に楽しいものでした。
(12種類の味は、明確に異なるものの私の語彙力で味の違いを表現するには力不足です。ご参加できなかった皆さま、是非、来年のこのシーズンをお見逃しなく~。)
その中でも、実に印象的だった味わいは“エルドラド”。
南国を思わせるようなまるでトロピカルフルーツ感覚!独特な香りと甘さが口いっぱいに広がり、一口がもたらす味わいに力強さと躍動感がありました。
食素材研の洋梨マイスター(仮称)、高橋弥生さん。真剣な眼差しに洋梨への並々ならぬ熱き思いを感じます。
今年の夏は雨が少なく水撒きをたくさんされたことや、秋が短く急な冬の訪れなど、実りの環境を整えることに大変な御苦労があったご様子でした。また、野鳥から実を守るために防蝶ネットを張っても隙間から野鳥が入って大切な実を食べられたお話など、生産者山家さんの語りが味わいに奥行きを添えてくれました。
山家さん、お忙しい中、ご協力頂き貴重な体験をさせて頂きありがとうございました。
そして、次に向かったのは『ゆと森倶楽部』さん。シェフ佐藤さんによる目にも鮮やかな“ジェラード6種類”と数え、果物と野菜の“マチェドニア”で迎え入れて下さいました。
ジェラードになる食材は、四季折々異なり、旬の果物だけでなく野菜も楽しめるそうです。
今回、私たちのためにご用意頂いたものは、ラ・フランス(育ての親は、もちろん山家さん。)、ブルーベリー、アップル・シナモン、サトイモ、紫ニンジン、桑の葉の6種類。食材の持ち味を大切に、丁寧に作られた味は絶品ばかり。特に、生産者山家さんからシェフ佐藤さんへ繋がったラ・フランスを味わえた私たちは、1つの果物がもたらす繋がりと広がりを感じて味わう素晴らしい経験をさせて頂きました。
もう1つのお皿“マチェドニア”は、イタリアのポピュラーなデザートですが、果物だけでなく旬の野菜も含まれていて、シェフの特性シロップに浸った姿は、まるで宝石のようにキラキラと輝いていて、心くすぐる一品でした。
シェフ曰く、マチェドニアをジェラードと一緒に味わうと更に楽しめるとのこと。食べる楽しさのエッセンスも頂きました。
クリスマス、年末年始に向けて連日ご多忙の中、シェフとお話をしながら頂いたスイーツの味は、本当に格別でした。豊かな時間を過ごせたことに感謝致します。
師走の急なスケジュール発表となり、参加者が限られてしまいましたが、お陰様で食素材研究部会の今年を締めくくるに相応しいツアーとなりました。ご協力頂きました不忘果樹園様、ゆと森倶楽部様に感謝申し上げます。
食素材研究部会は、来年も野菜・果物の作り手のこだわりや思い、素材を取り巻く人々の繋がり全てが味わいとなることを知ること学ぶことを続けていきます。
魅力ある会を計画していきますので、所属部会を検討されているニューフェイスの方々、次年度の部会エントリーを一同お待ちしております!!(部会長代弁)
皆さま良いお年をお迎えくださいませ!
食素材研究部会 黒澤有紀