切られお富!

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ベネチア映画祭と北野武。

2007-08-31 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
ベネチア映画祭に北野武の名前を冠した賞ができると聞いて、ベネチア映画祭も話題づくりに躍起なんだなって思ったのはわたしだけか…。でも、それほどのものかって気も…。

たけし万歳!ベネチア映画祭で新たな勲章「監督・ばんざい!賞」(サンケイスポーツ) - goo ニュース

正直いって、タレント・ビートたけしはとっくに終わっている印象で、テレビで見ても冴えない感じだけど、映画監督としても迷いがあるのではという気もするな…。

ベネチア映画祭といえば、リド島という、映画『ベニスに死す』の舞台になったホテルのある島で行われている映画祭で、歴史的には黒澤明の『羅生門』や溝口健二の三年連続受賞(『西鶴一代女』『雨月物語』『山椒大夫』)など、日本の映画監督を世界の巨匠にした、<日本にフレンドリーな映画祭>というイメージは昔からある。

かつてはヨーロッパの映画祭というと、世界的な巨匠監督の作品が出品されるというイメージだったんだけど、ベネチア映画祭をみてもヨーロッパの巨匠監督が目立ったのは80年代中盤までで、その後は中国などアジア圏の作品の受賞も目立つ。

今年なんかは審査委員がチャン・イーモウだし、武を担ぎ出すのも、ヨーロッパにおける人材不足を表しているのかなって感じもするかな。

(ただ、出品作にエリック・ロメールの作品があるのは気になる!)

武も、ウィーンにおける小澤征爾みたいな微妙な評価を受けなきゃいいけどって思うけど、映画監督としては曲がり角でしょう。

わたしは武の「座頭市」は絶対に認められない駄作だと思っているけど、「ソナチネ」、「キッズ・リターン」、「ブラザー」は好き。特に、「ソナチネ」と「ブラザー」って独特の怖さがありますからね!でも、最近は…。

とはいえ、今回のニュースみたいな話は日本のマスコミの好みだけど、自分の映画は日本人に必ずしも好かれていないってことは、武本人もわかっているとは思うんですけどねえ~。

だから、イタリア人の商売とバカな日本のマスコミには踊らされてないとは思うけど、とりあえず、観たくなるような映画を作ることの方が先決じゃあないですか?でも、このひと、もう映画にも飽きたって感じがしなくもないんだけど!

・『コマ大数学科特別集中講座』 ビートたけし・竹内薫 著

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