切られお富!

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本日、アルゲリッチを聴きに行ったら、天皇皇后両陛下に遭遇!

2015-08-11 23:59:59 | カメレオンのための音楽
たぶん、一生忘れない晩ですね。サントリーホールの公演、広島交響楽団の「平和の夕べ」というコンサートに行ったら、アルゲリッチ登場のベートーヴェンのピアノ協奏曲1番の演奏前に、にわかに会場がにぎやかになり、あっ~と、思ったら…。しかし、こういうコンサートにまめにお出かけになるところがつくづくご立派だなと。わたし、たまたま結構近い席にいたのですが、皇后陛下の佇まいが素敵だなと思いました。そして、アルゲリッチの凄演!浄化されるような何かをもらったような、そんな心境です。というわけで、簡単なご報告のみ。

曲目は、ベートヴェンのエグモント序曲、ヒンデミットの交響曲「世界の調和」、最後がベートーヴェンのピアノ協奏曲1番で指揮者は秋山和慶。

広響は初めてでしたが、繊細な演奏をするいいオケだと感心しました。三曲ともハズレなし。ヒンデミットも予習で聴いていたフルトヴェングラーのCDより良かったぐらいですよ(もっとも、このCDはフルヴェンのベストアクトではないんだろうけど)。

で、曲間に、ホロコーストと原爆の詩を、アルゲリッチの娘アニー・デュトワと作家の平野啓一郎が朗読するというものでしたが、よく響くホールなんで、ちょっと朗読には不向きでしたかね。しかし、アルゲリッチの娘は父母に似て大変な美人、平野啓一郎はけっこうでかいな、という印象は持ちましたが…。

で、アルゲリッチの演奏ですが、一楽章、二楽章とも昔のCDより全然深みがあると思いました。三楽章はちょっと疲れたのかなとも思いましたが、まずまず深みのある演奏。でも、アンコールでもう一度三楽章をやったら、こちらの方が凄かった!一度演奏したので、指がよく回るというか、アルゲリッチで連想するじゃじゃ馬ぶりそのままというか、さっきの鬱憤を一気に晴らすかのような凄演!いや~堪能しました。たぶん、本人も消化不良で、もう一回やりたかったんでしょうね~。

で、皇后はクラシックが特にお好きなのか、アルゲリッチが特にお好きなのか、演奏後もず~っと舞台に向かって拍手されていたのが印象に残る。わたしはそんなに尊王家って感じじゃないんだけど、トルストイの『戦争と平和』で主人公が戦場で皇帝の姿を見て深く感動するくだりがちょっとわかったような気がしました。まさにこれは独特の感情だなと。でも、トルストイはロシア革命を知らずに死んでしまったわけだから、長生きしてたらどう思ったのかな、とは考えてしまいますけどね。

ということで、思わぬ奇跡が降ってきたみたいな晩でした。たまには良いことありますね。日ごろの行いがよいせいかしら。晩酌して、心地よい眠りにつこう!では。

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