切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

『仕事道楽―スタジオジブリの現場』 鈴木敏夫 著

2008-08-04 23:59:59 | 超読書日記
『崖の上のポニョ』はまだ見ていないのですが、スタジオ・ジブリの名物プロデューサー・鈴木敏夫さんの本をとりあえず読んでみました。これはなかなか面白かったな~。

宮崎駿、高畑勲という個性的なクリエイターと編集者出身の映画プロデューサー鈴木氏が絶妙なコンビであることを示すエピソード満載のこの本ですが、わたしが興味を持ったのは、徳間書店オーナー・徳間康快に関するくだり。

毀誉褒貶ある経営者だった故徳間氏ですが、スタジオジブリの設立や宮崎駿作品のプロデューサーとして名前が残ったという意味では、映画界に功徳を残したとはいえるんじゃないかと・・・。

これは、もちろん映画界に参入して大失敗した、多くの企業家と比べてって意味なんですけどね~。(誰のことを言ってるというわけでもないけどさ~。)

ところで、正直なことをいうと、わたしはあまり宮崎アニメも見ていないような人間なのですが、なぜ、ナウシカなんかの世界に惹かれなかったかというと、「子供頃に戻りたい」みたいな心情から遠い人間だからかもしれません。

子供の頃から早く大人になりたかったし、「少年少女の無垢さ」ということに疑いを持ってしまう性質なんです。

なので、リアリズムっぽい実写映画に出てくるような、乾いた大人の感覚(ヌーヴェルヴァーグとか)が思春期のわたしの関心事で、アニメ・オタクの「萌え~」って感覚は、今もってわたしにはよくわからないんですよ。

ただ、BSアニメ夜話のおかげで、アニメのディテールの面白さっていうものに最近やっと目覚めたってところなんですけれどね・・・。

というわけで、目下、見逃していたジブリ作品を見たりして、アニメの奥深さを再確認中。でも、どんな表現であれ、個性的な作品のクリエイターは人間的にも個性的で一家言アルということは、この本で確認できました。

宮崎駿の『折り返し点』と併せて読まれるべき本なのでしょうね。

仕事道楽―スタジオジブリの現場 (岩波新書 新赤版 1143)
鈴木 敏夫
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折り返し点―1997~2008
宮崎 駿
岩波書店

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コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (しんいちろう)
2008-08-07 05:55:11
「折り返し点」は読み応えのある名著でした。宮崎さん、すごい箴言の人なんですね。この鈴木さんの本も買ってみますね。
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コメントありがとうございます。 (切られお富 )
2008-08-11 00:39:16
ご返事が遅れまして…。

実は、いま個人的に<宮崎駿マイ・ブーム>に入っていまして、『折り返し点』に続いて『出発点』も買ってしまったんですが、この人って大変な論客なんですね。

『出発点』の「ルパン三世」論や手塚治虫批判はかなり舌鋒鋭いです。

ついでながら、宮崎氏絶賛のサンテグジュペリ『人間の大地』(新潮文庫)も買ってしまいました。表紙も描いてるんですよね~。

しばらくこのブーム続きそうです。
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