切られお富!

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<訃報> 女優 モーリーン・オハラ

2015-10-25 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
「ジョン・フォード映画の典型的なヒロイン」、「代表的なアメリカの女優」だと思っていたら、じつはアイルランドのダブリン生まれだったんですね。ご冥福お祈りいたします。

このひとというと、むかしNHKで放送したジョン・フォードの特集番組で、大きな目に涙を溜めながらジョン・フォードのことを語っていたのが思い出されます。頑固で偏屈なおやじだったけど、愛さずにいられないみたいなニュアンスでしたね~。

で、出演作でいえば、なんといってもフォードの『我が谷は緑なりき』にとどめを刺すでしょう。この映画で、モーリーン・オハラが心ならずも結婚してしまう場面。ウエディングドレスのベールに風が吹いて、ベールが風に舞うくだりですが、評論家が「フォードはよい風が吹いて運がいい」と書いたことにモーリーン・オハラが反発、「あの場面は大きな扇風機が持ち出されて、わたしは本当に目が痛かった!」と発言しているのが面白いですね。フォードは融通無碍に見えて計算している監督だってことなんですよね。しかし、彼女の大きな目では、巨大扇風機の風はさぞや目が痛かったことでしょう。

そして、フォード自身が会心の作と呼んでいる『静かなる男』のジョン・ウェインとオハラのカップル。雨に濡れながらのキスシーンなんて、じつに情熱的でフォードらしいラブシーンでした。

アイルランドを舞台にした『我が谷は緑なりき』も『静かなる男』も、アイルランド移民であるフォードの思いのこもった映画ですが、モーリーン・オハラも、わたしはアイルランド移民だとばかり思っていましたが、実際にはアイルランド生まれの人だったんですね。

というわけで、興味のある方は映画をご覧ください。また、『静かなる男』と一緒に村上春樹の紀行文『もし僕らのことばがウィスキーだったなら』もできたら併せてお読みください。読んだらわかります。

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