さる4月26日、サントリーホールで、チョン・キョンファのコンサートに行ってきたのですが、曲目はベートーヴェンのヴァイオリンソナタ3曲。なかでも、なんといっても、クロイツェルが!!!というわけで、簡単な感想のみ。
わたしが彼女のコンサートに行ったのは、前回(2013)の復帰コンサートが最初で、今回が二回目。前回はフランクのヴァイオリンソナタが忘れがたい名演でしたが、今回はどうかななんて思いながら、ベートーヴェンの事前予習をして、本番にのぞみました。
ちなみに、わたしが事前予習に聴いていたCDは、バルビゼ&フェラス、アルゲリッチ&ギトリス、ルービンシュタイン&シェリングでしたが、クロイツェルに限っていうなら、アルゲリッチ&ギトリスの別府での奇跡の一枚が、そのけんか腰とさえいえる激しさゆえに圧倒的。アルゲリッチはクレーメルとのスタジオ録音全集も世評が高いのですが、たまたまこのときは家にあったはずの一枚が見つからず、ギトリス盤のみ聴いていました。でも、これだけで個人的には十分でしたが…。
で、話をキョンファに戻しますが、彼女というと、全盛期の全身全霊ともいえる、燃え尽きるような演奏スタイルを期待してしまうし、わたしも事前予習のアルゲリッチ&ギトリスに煽られて、そんな気分で会場にのぞんだのですが、さて、結果は…。
☆ ☆ ☆
たぶん、賛否両論なんでしょうが、若い時の激しさというよりはもうちょっと大人の演奏でした。「春」はまだ調子が出てない感じでしたが、7番のあたりからのってきて、一番感動したのは「クロイツェル」の静謐な第二楽章。彼女の本当の真骨頂はピアニッシモだという説がありますが、まさにそのピアニッシモを堪能できました。立ち上がれなくなる感じというか…。ま、他の方の感想も聞きたいところかな~。なお、ウェーベルンの作品は初めて聴きましたが、この静謐な曲に、観客の咳が随分邪魔をしていて、彼女が気の毒でした。
でも、前回の公演でも思ったことなんですが、この人、良い人っぽいんですよね。飾らなくてチャーミングな感じが、韓国料理屋のおばちゃんみたいで、全然嫌味がない。前述の客の咳払いなんて、欧米のソリストだったら露骨に嫌な顔しそうなところなんだけど、実に大人な対応というか、感心しましたよ。こういう話は演奏に関係ないという向きもいるでしょうが、少なくともこの人に限り、バイオリニストととしての天才ぶりを置いておいても、わたしは大好きです。
アンコールは、サービス精神旺盛な彼女らしい三曲。特に最後の「愛の挨拶」はプログラムの楽曲に劣らないくらいのウットリさせてくれるものでした。
なお、会場でも売られていた過去の演奏録音の新譜シベコン&チャイコンですが、チャイコンは凡庸ながら、シベコンが凄い!全盛期の戦慄の何パーセントかは確実にこのCDの中に入っていると思います。
ということで、次はコンチェルトが聞きたいですね~。もうやる気ないのかもしれませんが・・・。
ベートーヴェン: ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調 op.24 「春」
: ヴァイオリン・ソナタ第7番 ハ短調 op.30-2
ウェーベルン : 4つの小品 op.7
ベートーヴェン: ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 op.47 「クロイツェル」
<アンコール>
J.S.バッハ:ヴァイオリン・ソナタ 第4番 ハ短調 BWV1017から ラルゴ
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 op.24 「春」 から第3楽章スケルツォ
エルガー:愛の挨拶
わたしが彼女のコンサートに行ったのは、前回(2013)の復帰コンサートが最初で、今回が二回目。前回はフランクのヴァイオリンソナタが忘れがたい名演でしたが、今回はどうかななんて思いながら、ベートーヴェンの事前予習をして、本番にのぞみました。
ちなみに、わたしが事前予習に聴いていたCDは、バルビゼ&フェラス、アルゲリッチ&ギトリス、ルービンシュタイン&シェリングでしたが、クロイツェルに限っていうなら、アルゲリッチ&ギトリスの別府での奇跡の一枚が、そのけんか腰とさえいえる激しさゆえに圧倒的。アルゲリッチはクレーメルとのスタジオ録音全集も世評が高いのですが、たまたまこのときは家にあったはずの一枚が見つからず、ギトリス盤のみ聴いていました。でも、これだけで個人的には十分でしたが…。
で、話をキョンファに戻しますが、彼女というと、全盛期の全身全霊ともいえる、燃え尽きるような演奏スタイルを期待してしまうし、わたしも事前予習のアルゲリッチ&ギトリスに煽られて、そんな気分で会場にのぞんだのですが、さて、結果は…。
☆ ☆ ☆
たぶん、賛否両論なんでしょうが、若い時の激しさというよりはもうちょっと大人の演奏でした。「春」はまだ調子が出てない感じでしたが、7番のあたりからのってきて、一番感動したのは「クロイツェル」の静謐な第二楽章。彼女の本当の真骨頂はピアニッシモだという説がありますが、まさにそのピアニッシモを堪能できました。立ち上がれなくなる感じというか…。ま、他の方の感想も聞きたいところかな~。なお、ウェーベルンの作品は初めて聴きましたが、この静謐な曲に、観客の咳が随分邪魔をしていて、彼女が気の毒でした。
でも、前回の公演でも思ったことなんですが、この人、良い人っぽいんですよね。飾らなくてチャーミングな感じが、韓国料理屋のおばちゃんみたいで、全然嫌味がない。前述の客の咳払いなんて、欧米のソリストだったら露骨に嫌な顔しそうなところなんだけど、実に大人な対応というか、感心しましたよ。こういう話は演奏に関係ないという向きもいるでしょうが、少なくともこの人に限り、バイオリニストととしての天才ぶりを置いておいても、わたしは大好きです。
アンコールは、サービス精神旺盛な彼女らしい三曲。特に最後の「愛の挨拶」はプログラムの楽曲に劣らないくらいのウットリさせてくれるものでした。
なお、会場でも売られていた過去の演奏録音の新譜シベコン&チャイコンですが、チャイコンは凡庸ながら、シベコンが凄い!全盛期の戦慄の何パーセントかは確実にこのCDの中に入っていると思います。
ということで、次はコンチェルトが聞きたいですね~。もうやる気ないのかもしれませんが・・・。
ベートーヴェン: ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調 op.24 「春」
: ヴァイオリン・ソナタ第7番 ハ短調 op.30-2
ウェーベルン : 4つの小品 op.7
ベートーヴェン: ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 op.47 「クロイツェル」
<アンコール>
J.S.バッハ:ヴァイオリン・ソナタ 第4番 ハ短調 BWV1017から ラルゴ
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 op.24 「春」 から第3楽章スケルツォ
エルガー:愛の挨拶
シベリウス : ヴァイオリン協奏曲 | チャイコフスキー : ヴァイオリン協奏曲 (Sibelius & Tchaikovsky Violin Concertos in The Theatre des Champs-Elysees 1973 & 1978 / Kyung-Wha Chung) [輸入盤・日本語解説付] | |
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