切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

読み終えられない本。

2011-10-25 19:30:00 | 超読書日記
たくさん賞をとっているのでさぞかし面白かろうと手にとったんだけど、全然読み終えられない小説があるんですよ。

というのも、ヒロインの惹かれていく中年オヤジがとにかくダサい!それも信じられないほど!だから、到底読み続けられない!さて、その小説のタイトルは...。

田舎で平凡に暮らす主婦でかつ、キャリアウーマンでもあるヒロイン。

彼女が惹かれる男は、傍若無人だが、才能あふれる芝居の演出家!

そもそも、ファインアート寄りの演劇関係者だってあたりがすでにクサイんだけど、知性と野性を兼ね備えた芝居の演出家って、滅茶苦茶ステレオタイプだと思うんですよね。

(アート寄りの人間なんてウジウジ人種の方が多い感じだし、かといって肉体労働者系だから野卑ってもんでもないんだよね、最近は。一方、野性味溢れる代理店社員というのもたまにいる。野性味溢れる地方公務員だって!)

しかも、彼の破天荒さを示すディテールが、なんとメールの下ネタで、それも今どき信じられないほどベタなやつなんですよ!今日日、お笑い芸人でなくても、もうちょっとマシな下ネタをいうんじゃないのかな!!

にも関わらず、ヒロインがその男に呆れもせず惹かれていくっていうのが、どうにも納得いかないんですよね~。(ヒロインもしくは作者がまじめな人生を歩んだ人ということなのかもしれないけど。)

不倫小説なら古今東西いろいろあったわけで、『チャタレイ夫人の恋人』では、貴婦人と森番という身分差(ましてや、階級社会のイギリスですからね)がフックになっていたし、『ボヴァリー夫人』なら都市と地方、『赤と黒』なら若さと情熱!個人的には、梅崎春生の「Sの背中」なんてもの好きですけどね・・・。

また性愛小説なら、ヘンリーミラーの『北回帰線』から、若き日の吉行淳之介や開高健が愛読したというバルビュスの『地獄』!

というわけで、以上、『ダブル・ファンタジー』という小説の話でした(画像でばればれですね!)。ただ、少し年を重ねた女性が日常から脱出したいとか「女としてやり残したこと」にこだわるという部分は、なんとなくわかります。ま、男でも「男としてやり残したこと」にこだわるのかもしれないけど・・・。(特に独身男子諸君!)

なんとか読み終えたら感想を書くかもしれませんので、あしからず。

ダブル・ファンタジー〈上〉 (文春文庫)
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地獄 (岩波文庫 赤 561-1)
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