切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

『大都会』と倉本聡

2012-01-13 23:59:59 | TVピープル
石原プロのドラマ『大都会』が初DVD化されるって話だけど、この作品の脚本を『北の国から』などで知られる倉本聡が書いているって話は、どのくらい認知度があるんだろう?脚本の教科書とさえ評される構成力の妙。単品でDVDにしてくれないかな(笑)!

倉本聡の脚本集にも入っているんだけど、第一シリーズの基本的な設定と何本かの脚本が彼の手によるもの。第一シリーズの重厚な人間ドラマが視聴率的に低迷したため、第二シリーズ以降はご存知ど派手アクション物へと変貌していきます。

この作品を「脚本の教科書」と評したのは、以前市川森一の訃報記事で紹介した別冊宝島の『シナリオ入門』。

CMを除けば、正味40分余りの時間に、渡哲也の心情や裕次郎のかっこいい決め台詞などが散りばめられ、場面転換の間もナレーションなどを利用して、限られた時間を無駄に使わない。

石原プロのドラマは村川透、澤田幸弘、小澤啓一、舛田利雄ら日活出身の監督たちが演出しているので、そもそもドラマとしての質が高いのですが、脚本術からしてテクニカルだったってことですよね~。

というわけで、40%超えのドラマもいいけれど、昔のドラマもよいですよ!ちなみに、わたし、年末は『前略おふくろさま』を何本か観て感動しました!(ショーケンもいいけど、北林谷栄が艶っぽい!)

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2 コメント

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Unknown (しんいちろう)
2012-01-14 07:24:44
倉本聰は、演出家や俳優による「てにをは」の変更なども一切認めないという事で有名ですよね。つまり彼らを一切信用していないし、もちろん視聴者も信用していないことが、そのシナリオに如実に現れていると思います。あんまり好きな人ではないのですが、お富さんが書かれていた「ブルークリスマス」は見てみたいですね。「歸國(きこく)」はご覧になりました?舞台は知らないのですが、TVドラマ版はひどかったなぁ。
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コメントありがとうございます。 (切られお富)
2012-01-15 15:15:58
じつをいうと、わたしもつい最近まで苦手な作家でした。そもそも自然回帰みたいなタイプって、どうも昔から苦手なもので。

最近になって、まとめて見直して気づいたのは、倉本聰って、都会育ち、映画育ち(元日活専属だった時代があるらしい。)、テクニシャン・タイプのライターだったってことですかね。

頭がよくてテクニシャンであるがゆえに、違うものを求めて富良野に行っちゃったってことなんでしょうか。

なので、シナリオ研究みたいな視点でみると、構成力が凄いです。(特に古い作品。)

ところで、オウムの逃亡犯が逮捕されましたけど、80年代にはやったドラマとかマンガの「美味しんぼ」なんかの自然回帰志向って、引いた目線で再考・再検証が必要な気がします。宗教に行かなかった人たちも、この手のモノに惹かれていたわけですからね。

ちなみに、『映画秘宝』という雑誌の最新号に載った倉本聰のインタビューで、「UFOや幽霊の存在を信じている」と倉本聰は語っています。潜在的にオカルト思考を持っている人なのかもしれないですね。

なお、「歸國(きこく)」は観ていません。WOWOWでやった『學』も録画したままでまだ未見。でも、WOWOWで放送した倉本VS仲代達矢対談は面白かったんですけど。
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