切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

本日、納涼歌舞伎(第一部)を観てました。

2015-08-23 23:46:59 | 私の写メ日記(観劇版)
「おちくぼ物語」と「棒しばり」です。どっちの舞台も若手が頑張っていましたよ。特に、「棒しばり」はちょっとジーンとしました。というわけで、簡単な印象だけ。

「おちくぼ物語」は平安時代版シンデレラですが、話がつまらないかわりに、役者が健闘してましたよ。以前、福助&海老蔵コンビで観て以来でしたが、七之助は福助よりこの役にあっていたし、海老蔵がやっていた貴公子役の隼人くんは、今まで歌舞伎座でやった役では一番台詞が多かったのでは。まだ彼の色が出ているというところまではいかないけど、まずまずの貴公子ぶりでした。ただ、あえていうなら、さらに余裕があった方がモテる男に見えますね。新之助時代の海老蔵の良さは、若いのに腹が据わっているところでしたから。しかし、先月の大阪松竹座に続いて、期待されてますよ、このひとは。

あと、已之助と新悟の帯刀・阿漕のカップルでは、已之助もよかったけど、新悟の女形がちょっと江口のりこみたいで、面白いと思いました。そして、彌十郎の中納言は、今月の役で一番よかったです。あの余裕のある柔らか味が遊び心ですよ。

で、「棒しばり」は、已之助の第一声が力強くて爽やかで、大きな歓声!勘九郎といい、已之助といい、溌剌とした、若くて、よい「棒しばり」でした。

芸の巧拙では、もちろん今は亡き勘三郎・三津五郎にはまだまだ及ばないとは思うけど、これからこの二人が背負っていくだろう舞台人生の最初の「棒しばり」の共演を観ることができてよかったな、と。思えば、わたしの最初に観た歌舞伎が納涼歌舞伎でしたし、個人的には三津五郎目当てで通っていましたけど、いろいろなことが思い出されて、万感迫るものがありました。毎年8月に通い続けたファンは、この舞台にいろんなことを思ったことでしょう。

というわけで、今月は最後に第一部でよかったな、と。楽しませてもらいました。

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