切られお富!

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歌舞伎座 第二部を観てきました。(1/8 観劇)

2022-01-09 23:59:59 | かぶき讃(劇評)
今回はごくごく簡単なことだけ。

最初が舞踊二題、三番叟と万歳。

最初の三番叟は、梅玉・魁春兄弟に、芝翫。そもそも梅玉・魁春兄弟が好きなので、翁の厳かな雰囲気といい、千歳の腰の感じが歌右衛門の舞台を想像できたりと、わたし的には満足だったし、芝翫はやはり見た感じが立派。でも、全体としては、地味で落ち着きすぎな舞台という気もしたかな。ま、そもそもそういう演目ではあるんですが。

次の万歳は、鴈治郎と又五郎。実は二人とも好きな役者だし、伝統芸能は還暦過ぎてからですから、大いに期待してるんですが、文楽の万歳の視覚的イメージが頭にあるので、無難で地味だなという気がしなくもなかったです。個人的には、大播磨亡き後の大役の大役のいくつかを、歌六・又五郎兄弟にやってほしいと思っています。ま、普通に考えれば、芝翫、幸四郎がやるんでしょうけど、やっぱりちょっと若い気もするんで。

さて、次が、三代目桜田治助原作の「邯鄲枕物語 艪清の夢」。

今月は国立劇場の「里見八犬伝」も三代目桜田治助の劇作だから、今月は治助の月なんでしょうかね?

で、以前、今の幸四郎が明治座でやった舞台も、宗十郎が「宗十郎の会」でやった舞台も観てないので、どうなのかなと思っていました。話としては、お金のない男がお金の有り余る世界の夢をみるという、落語的というか、デストピアチックなストーリーで、話としては面白い。でも、わたしは笑えなかったなあ~。

納涼歌舞伎的な楽屋落ちとか、輪郭のはっきりしない、ややゴタついた展開なんかが乗れなかった原因なんでしょうか?ちょっとわたしの頭の中ではまだ整理できていません。衛星劇場で宗十郎の会の映像を流してほしいなと思いました。あのおおらかな、今は亡き宗十郎なら、太平楽な話として、楽しく演じてたろうなとは想像します。少し、納涼歌舞伎のノリにし過ぎたのが、わたしと合わなかった原因かもしれない。

廓文章吉田屋のパロディのくだり(幸四郎・孝太郎)と、たまたま、わたしの観た日が幸四郎の誕生日だったことが貴重ではありました。

以上、今回はこんなところで。




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