切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

国立劇場で伊勢音頭の通しを観てきました。

2015-10-11 23:59:59 | 私の写メ日記(観劇版)
この芝居って、油屋からしか観たことがなかったんで、興味深く観ました。簡単なことのみ。

序幕が一時間で五場もあり、慌ただしかったんですが、印象に残ったのは亀鶴の奴がきっぱりとしてよい感じだというくらいか。あと、高麗蔵の万次郎もとぼけた気品があってよかったですね。でも、相手役が梅丸くんというのは、さすがに若すぎるかと。(ちょっと、「あさが来た」を連想しましたよ。)

次の二幕目が、珍しい太々講。二代目鴈治郎が名演だったらしいんですが、部分でもよいから映像が残っていないですかね。わたしの見た4代目の舞台の印象は、わりと現代的な喜劇だなということ。その点でいえば、18代目勘三郎が生きていたらやりたがっただろうなという印象。今頃、天国で悔しがっているんでしょうね。で、渡辺保さんも書いていたけど、脇が秀太郎、我當みたいな関西勢だと印象が変わったかもしれない。とはいえ、鴈治郎個人は珍しい芝居で健闘していたとは思いますが・・・。

そして、最後はおなじみ油屋と奥庭。

梅玉の十八番である福岡貢はやはりこの場がよいですね。序幕は話自体がつまらなくて味気なかったんですが、油屋になるとやはり一味違う。ただ、襲名時の爽やかな貢からすると、だいぶ渋い貢になっているとは思いました。ま、当然なんですけどね。

で、今回、心ひそかに期待していた魁春の万野。節々に往時の歌右衛門をしのばせるしぐさやせりふ回しが見られたものの、全体としてはかなり地味。派手すぎて気持ち悪い万野も閉口ですが、市井に生きる生身の嫌な女だった二代目鴈治郎、舞台の中でのみ生きる不思議な妖気にみちた歌右衛門の万野に比べると、リアルでもアンリアルでもないところで、やや中途半端か。やはり、この役は女形の難役のひとつなのかもしれない。

そして、鴈治郎の料理人喜助はきっぱりとしつつ、本当に料理の腕がよさそうに見える。正直正大夫よりこっちが当たりでした。また、油屋では壱太郎、梅丸の両若手女形ともまずまず健闘してました。

なお、今月の上演資料集は読みごたえがあって、当分楽しめそうですね。

ということで、そのうち、もうちょっと詳しい感想を書きます。といっても、なかなか、書けないんですが・・・。

PS:文楽と歌舞伎の両方の伊勢音頭を観た人が貰えるコットンバック、ゲットしました!
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「たけしのこれがホントのニ... | トップ | シェロー演出ブーレーズ指揮... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

私の写メ日記(観劇版)」カテゴリの最新記事