芥川というと、初期にせよ晩年の作品にせよ、深刻なものがよく取り上げられるでしょ。でも、芥川の元気だったころの良さって、皮肉屋のユーモアみたいな部分なんですよね。で、オチは単純ながら、語り口とひとを喰った演出術で最高なのが、この『西郷隆盛』。わたしは、1分間しっかり笑いました!ということで、ご興味のある方はどうぞ!
歴史に対する懐疑とか、芥川流の理屈で考えるのもよいんだけど、この作品とか、歌舞伎や能の「俊寛」をおちょくった芥川版「俊寛」など、健康な時代の芥川のひとを喰った感じって、内田百なんかに負けてないですね。
大正6年の発表だから、当時は明治維新の生々しさは消えて、伝説の巨人西郷の残像だけが、世間に漂っていたのでは?生粋の江戸っ子・芥川ならではの皮肉も交じっているんでしょうが、この小説ではナポレオンでも描くように西郷を描いているって、わたしは思うな~。
(ちなみに、「ナポレオンと田虫」を書いた横光利一らの新感覚派って、大正13年の関東大震災以後に、注目を浴び始める。)
というようなわけで、文庫本でも青空文庫でも、気軽に読めますので、暇つぶしにどうぞ!
歴史に対する懐疑とか、芥川流の理屈で考えるのもよいんだけど、この作品とか、歌舞伎や能の「俊寛」をおちょくった芥川版「俊寛」など、健康な時代の芥川のひとを喰った感じって、内田百なんかに負けてないですね。
大正6年の発表だから、当時は明治維新の生々しさは消えて、伝説の巨人西郷の残像だけが、世間に漂っていたのでは?生粋の江戸っ子・芥川ならではの皮肉も交じっているんでしょうが、この小説ではナポレオンでも描くように西郷を描いているって、わたしは思うな~。
(ちなみに、「ナポレオンと田虫」を書いた横光利一らの新感覚派って、大正13年の関東大震災以後に、注目を浴び始める。)
というようなわけで、文庫本でも青空文庫でも、気軽に読めますので、暇つぶしにどうぞ!
朗読CD 朗読街道(59)西郷隆盛 芥川龍之介 | |
クリエーター情報なし | |
スタジオスピーク |
西郷隆盛 | |
クリエーター情報なし | |
メーカー情報なし |
蜘蛛の糸・杜子春・トロッコ 他十七篇 (岩波文庫) | |
クリエーター情報なし | |
岩波書店 |
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます