切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

国立劇場で、歌舞伎鑑賞教室を観てきました。

2016-06-04 23:59:59 | 私の写メ日記(観劇版)
橋之助の「魚屋宗五郎」観てきました(第二部の方)。一階はセーラー服女子で占められていて、若いってよいな、と…。というのは嘘で、わたしは彼女たちの年の頃より、今の方が自由でよいです。だって、自分のお金で芝居観に来れているんで!というわけで、簡単に感想っ。

時代物役者って感じの橋之助からすると、世話物の魚屋宗五郎ってニンじゃないなと思っていたんですが、結論から先にいうと、これが非常に良かった。ちょっと目、魚屋というより侠客の親分みたいな貫禄ではあったんだけど、二世松緑から三津五郎の線の宗五郎で、シャープでよい舞台でした。わたしからすると、ドタバタ喜劇風だった義兄勘三郎のものより、好感をもちましたね。ただ、門前の述懐するくだりの泣かせる感じなんかは、もう一息センチメンタルでもいいかな~とは思ったけど。

共演者でいうと、梅枝の女房おはまが、若いのに大した台詞の抑揚で、二度目とは思えない出来。もっとも、この役って、若い人がやる役ではないから、時蔵がやるときみたいな所帯じみた感じまでは、まだまだではありましたけど。

で、脇でよかったのは菊茶屋女房おみつの芝喜松で立派な女将の貫禄。宗五郎の父太兵衛の橘太郎は見た目は老けなんだけど、芝居はオヤジにしてはちょっと若い印象。三吉役の宗生は、さすがに黙阿弥の世話物の台詞が難しかったんじゃないでしょうか。周りが巧いんで、ちょっと気の毒に思えた。松江の浦戸は、もうちょっと年配がやる役だということもあって、神妙な感じ。磯部の殿の萬太郎は台詞はしっかりしているんだけど、口跡の良い役者が、聞かせる台詞をスカッと言う印象のこの役からすると、ちょっと地味であったかな~。

で、順番が逆になりましたけど、舞台の前のガイド「歌舞伎のみかたは」、萬太郎が解説。この人の解説を観るのは二回目だけど、解説巧い方だと思います。解説の中では、景清を橋吾、髪結新三の新三を國矢、源七を千次郎が演じていたけど(間違ってたらご免なさい。)、髪結新三の最後の場面がなかなかシャープでよかったなあ~。

というようなわけで、橋之助は襲名前になかなか頑張ってるな~と思った舞台でした。なお、上演資料集に載っている二世松緑、七世梅幸の芸談は勉強になりますね。







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