
先日のBSマンガ夜話であすなひろしの『青い空を、白い雲がかけてった』が取り上げられていて気になっていたところに、たまたま新宿の紀伊国屋フォレストで、『青い空を、白い雲がかけてった』と『いつも春のよう』が積んであったのを目にして、ついつい二冊とも買ってしまった。(これだから貯金できないんだな…。)
いまのところ、『いつも春のよう』しか読めてないのだけれど、ホント胸が締め付けられるような切ない作品集で、年末にこんな本に出合えてつくづく良かったなあと思えた一冊です。
どの作品にも共通するのが、楽天的に振舞いながらも何か現実に対する「あきらめ」のような感情を内に秘める女性の登場人物たち。彼女たちは「リアリスト」だということなのかもしれないのだけど、どこか「ロマン」を捨てきれない「リアリスト」なんですよね。この辺り、映画で言うと、中平康の『月曜日のユカ』や、一番面白かった頃の石井隆の「天使のはらわた」シリーズなんかを思い出す。(曽根中生の『赤い教室』や相米慎二の『ラブホテル』など。)
巧みで残酷なストーリー展開に、『空気の底』や『人間昆虫記』の頃の手塚治虫を思い出しますが、手塚治虫の残酷さが「世の無情や不条理」といった印象を残すのに対して、あすなひろしの場合は、少女漫画的で繊細な絵柄も含めて、どこか「せつなさ」が残る。
作品的には「童話ソクラテスの殺人」と「ラメのスーちゃん」が大傑作だけど、「けさらんぱさらん」と「かわいいおんな」のヒロインも忘れがたい。
でも、やっぱり「ラメのスーちゃん」のラスト・ページですね。
本のタイトルには「春」が付いてるけど、12月にぴったりの作品集です!
PS:作者については、下記のHPをご覧ください。
・あすなひろし追悼公式サイト
いまのところ、『いつも春のよう』しか読めてないのだけれど、ホント胸が締め付けられるような切ない作品集で、年末にこんな本に出合えてつくづく良かったなあと思えた一冊です。
どの作品にも共通するのが、楽天的に振舞いながらも何か現実に対する「あきらめ」のような感情を内に秘める女性の登場人物たち。彼女たちは「リアリスト」だということなのかもしれないのだけど、どこか「ロマン」を捨てきれない「リアリスト」なんですよね。この辺り、映画で言うと、中平康の『月曜日のユカ』や、一番面白かった頃の石井隆の「天使のはらわた」シリーズなんかを思い出す。(曽根中生の『赤い教室』や相米慎二の『ラブホテル』など。)
巧みで残酷なストーリー展開に、『空気の底』や『人間昆虫記』の頃の手塚治虫を思い出しますが、手塚治虫の残酷さが「世の無情や不条理」といった印象を残すのに対して、あすなひろしの場合は、少女漫画的で繊細な絵柄も含めて、どこか「せつなさ」が残る。
作品的には「童話ソクラテスの殺人」と「ラメのスーちゃん」が大傑作だけど、「けさらんぱさらん」と「かわいいおんな」のヒロインも忘れがたい。
でも、やっぱり「ラメのスーちゃん」のラスト・ページですね。
本のタイトルには「春」が付いてるけど、12月にぴったりの作品集です!
PS:作者については、下記のHPをご覧ください。
・あすなひろし追悼公式サイト
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