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ジャズ界の大御所に対してこんなことを言える義理じゃないのだけど、「ソニー・ロリンズ、日本で引退公演」という記事を読んで、「まだ引退してなかったんだ!」と思ってしまったわたしはいい加減なジャズファンですね。
正直なところ、癖の強いものが好きだったわたしには、力の抜けた感じのソニー・ロリンズのサックスのよさがなかなか解らなかった。でも、突然開眼したのは、有名な「サキコロ(サキソフォン・コロッサス」でなく、MJQと競演したアルバム。その中でも特に好きだったのが"on a slow boat to china"(中国行きのスロウ・ボート)という短い曲です。
村上春樹の最初の短編集のタイトルにもなったスタンダードナンバーで、「恋敵を岸に残し、あなたを中国行きの船に乗せてしまうんだ。のんびりと行く船で、月の光を浴びれば、石のように冷たくてかたいあなたの心もやがて融けて私のものになるだろう・・・」というユーモラスな歌詞の一曲。(ただし、ソニー・ロリンズの演奏にはもちろん歌手はいません。)
この曲のほのぼのとした感じと自由で伸びやかなサックスは、コルトレーンあたりの緊張感あるサックスとはまったく違った味わいのあるものです。気負わない"個性”というものもあるんだなってことを教えてくれたミュージシャンですね。
それと、ついでながら、村上春樹の本の方も、彼の短編集の中ではベストなんじゃないかと思うのですが・・・。
尚、この曲に関しては『ジャズ・スタンダード100―名曲で読むアメリカ』(新潮文庫)という本を参考にさせて頂きました。絶版みたいだけどいい本ですよね。
ソニー・ロリンズ、日本で引退公演 (日刊スポーツ) - goo ニュース
正直なところ、癖の強いものが好きだったわたしには、力の抜けた感じのソニー・ロリンズのサックスのよさがなかなか解らなかった。でも、突然開眼したのは、有名な「サキコロ(サキソフォン・コロッサス」でなく、MJQと競演したアルバム。その中でも特に好きだったのが"on a slow boat to china"(中国行きのスロウ・ボート)という短い曲です。
村上春樹の最初の短編集のタイトルにもなったスタンダードナンバーで、「恋敵を岸に残し、あなたを中国行きの船に乗せてしまうんだ。のんびりと行く船で、月の光を浴びれば、石のように冷たくてかたいあなたの心もやがて融けて私のものになるだろう・・・」というユーモラスな歌詞の一曲。(ただし、ソニー・ロリンズの演奏にはもちろん歌手はいません。)
この曲のほのぼのとした感じと自由で伸びやかなサックスは、コルトレーンあたりの緊張感あるサックスとはまったく違った味わいのあるものです。気負わない"個性”というものもあるんだなってことを教えてくれたミュージシャンですね。
それと、ついでながら、村上春樹の本の方も、彼の短編集の中ではベストなんじゃないかと思うのですが・・・。
尚、この曲に関しては『ジャズ・スタンダード100―名曲で読むアメリカ』(新潮文庫)という本を参考にさせて頂きました。絶版みたいだけどいい本ですよね。
ソニー・ロリンズ、日本で引退公演 (日刊スポーツ) - goo ニュース
![]() | ソニー・ロリンズ・ウィズ・ザ・モダン・ジャズ・クァルテットソニー・ロリンズ, パーシー・ヒース, ジョン・ルイス, ミルト・ジャクソン, ケニー・クラーク, ケニー・ドリュー, アート・ブレイキービクターエンタテインメントこのアイテムの詳細を見る |
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40年程まえ、来日した時に松本英彦が競演して汗ビッショリで頑張ってましたが、圧倒的な肺活量とジャズセンス違いに力尽きた感じでした。やらなければよかったのに。
MJQは私もCDを持っていますがいつ聞いても新鮮で、堪りません。
でも いなかの悲しさ 殆どのショップに無くてこのCDを入手するのに大変苦労しました。
村上春樹について書いた文を勝手ながらTBさせていただきました。
お二人ともジャズはお詳しいみたいですね。
わたしはたいしたジャズファンではないのですが、やっぱり、最初はバド・パウエルやチャーリー・パーカーみたいな生き急ぐようなミュージシャンが好きでした。
でもソニー・ロリンズみたいなタイプの、短命でなく息の長い持続した個性に、最近は親近感を持ちます。これは自分も少しは年をとったことと、社会人経験を多少は積んできたことに関係あるかもしれません。
ソニー・ロリンズの力の抜け方と村上春樹の小説の主人公の「やれやれ」っていう口癖って何か通じるものがあるような気がしますよね。