「和泉元彌プロレス参戦」という話を聞いて、このひともココまできちゃったんだなあ~とつくづくため息。じつは、わたし、例のダブルブッキング騒動で話題になった日の新宿コマ劇場の公演を観てるんですよね、わけあって。(別に和泉元彌ファンじゃないですよ、念のため。)
確か三年ほど前のその公演は、和泉元彌の「都合」で20分か30分遅れて開演されたのだけど、三部構成で、最初が「義経と弁慶」という芝居、第二部で狂言、第三部で歌謡ショウという内容。
まず、「義経と弁慶」は共演の西岡徳馬が弁慶を演じていたのだけど、元気よく声を張り上げるばかりの元彌・義経にウンザリしたし、芝居自体も新歌舞伎を見慣れたわたしにはあまりに俗っぽく、老人向け大衆芝居なんだろうなというのが率直な感想だった。
第二部の狂言は、和泉元彌が姉の狂言師と共演する形で行われたのだけど、狂言というものの性格上、上演時間は15分程度。また、能楽堂の舞台が再現されているわけではなく、簡易式の橋掛かりもどき(これがまた相当貧乏臭いんだけど。)があるだけ。狂言を観たことのない人が、「これが狂言か!」なんて思うことは大いなる誤解だと言わざるを得ないものだった。
そして、第三部の歌謡ショウ。これがなんだか凄まじいもので、ある意味一番楽しめましたが、いってみれば温泉場の歌謡ショウそのものみたいな代物。着物姿の女性ダンサーがマンボを踊ったり、白いスーツを着た西岡徳馬が愛の歌みたいな奴を歌いだしたり、和泉元彌の姉二人が訳のわかんないコスプレもどきの衣装で登場するなど、腹を抱えずにはいられない展開に続いて、コマ劇場のトレードマーク、コマのように回る舞台から当時発売されていた本人のシングルを歌いながら和泉元彌が登場!舞台狭しとかけまわり、かなり下手な歌を歌って、西岡徳馬と抱き合いながら舞台終了!もう笑ったのなんのって!
わたしは行ったことがないけれど、北島三郎とか松平健のショウもこんな感じなのかもしれない。ただ、伝統芸能継承者なんじゃなかったっけ、この一家?!っていう疑問は感じずにはいられなかった。こんな仕事をしなければ食っていけないとしたらこの一家って、悲しいなあと。
わたしなんぞが偉そうなことはいえないけれど、芸の世界って格上の人たちとの共演が大事なはず。しかし、この一家って狂言の世界の他の名門とはまったくつきあってもらえず、孤高の存在になってしまっているらしい。こんな状態を作り出したのは、和泉元彌の母親なんだと思うけど、後世に伝えるべき芸が細っていくことを元彌の祖父で人間国宝・九世三宅藤九郎、重要無形文化財だった父和泉元秀はあの世でどう思っているのかなと気の毒になってくる。それが、とうとうプロレスですからね…。
伝統芸能のことをよく知らずに結婚しちゃった羽野晶紀はさぞや後悔してるんだろうけど、こどものために義母・和泉節子を座敷牢にでも入れないとお先真っ暗ってところなんじゃないかな?
和泉元彌とは?
歌って踊る狂言師・和泉元彌の悲劇
能楽協会「ハッスル元彌」と勝負せず (日刊スポーツ) - goo ニュース
確か三年ほど前のその公演は、和泉元彌の「都合」で20分か30分遅れて開演されたのだけど、三部構成で、最初が「義経と弁慶」という芝居、第二部で狂言、第三部で歌謡ショウという内容。
まず、「義経と弁慶」は共演の西岡徳馬が弁慶を演じていたのだけど、元気よく声を張り上げるばかりの元彌・義経にウンザリしたし、芝居自体も新歌舞伎を見慣れたわたしにはあまりに俗っぽく、老人向け大衆芝居なんだろうなというのが率直な感想だった。
第二部の狂言は、和泉元彌が姉の狂言師と共演する形で行われたのだけど、狂言というものの性格上、上演時間は15分程度。また、能楽堂の舞台が再現されているわけではなく、簡易式の橋掛かりもどき(これがまた相当貧乏臭いんだけど。)があるだけ。狂言を観たことのない人が、「これが狂言か!」なんて思うことは大いなる誤解だと言わざるを得ないものだった。
そして、第三部の歌謡ショウ。これがなんだか凄まじいもので、ある意味一番楽しめましたが、いってみれば温泉場の歌謡ショウそのものみたいな代物。着物姿の女性ダンサーがマンボを踊ったり、白いスーツを着た西岡徳馬が愛の歌みたいな奴を歌いだしたり、和泉元彌の姉二人が訳のわかんないコスプレもどきの衣装で登場するなど、腹を抱えずにはいられない展開に続いて、コマ劇場のトレードマーク、コマのように回る舞台から当時発売されていた本人のシングルを歌いながら和泉元彌が登場!舞台狭しとかけまわり、かなり下手な歌を歌って、西岡徳馬と抱き合いながら舞台終了!もう笑ったのなんのって!
わたしは行ったことがないけれど、北島三郎とか松平健のショウもこんな感じなのかもしれない。ただ、伝統芸能継承者なんじゃなかったっけ、この一家?!っていう疑問は感じずにはいられなかった。こんな仕事をしなければ食っていけないとしたらこの一家って、悲しいなあと。
わたしなんぞが偉そうなことはいえないけれど、芸の世界って格上の人たちとの共演が大事なはず。しかし、この一家って狂言の世界の他の名門とはまったくつきあってもらえず、孤高の存在になってしまっているらしい。こんな状態を作り出したのは、和泉元彌の母親なんだと思うけど、後世に伝えるべき芸が細っていくことを元彌の祖父で人間国宝・九世三宅藤九郎、重要無形文化財だった父和泉元秀はあの世でどう思っているのかなと気の毒になってくる。それが、とうとうプロレスですからね…。
伝統芸能のことをよく知らずに結婚しちゃった羽野晶紀はさぞや後悔してるんだろうけど、こどものために義母・和泉節子を座敷牢にでも入れないとお先真っ暗ってところなんじゃないかな?
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