かつて鉄道路線の跡をたどる「廃線歩き愛好家」がブームになった時があった。
廃線跡とは、「かつて実際に運行されていた路線」の遺構のこと。
その時は変わった趣味を持っている人もいるのだ、というくらいの気持ちだった。
ところが実際に旅先などに偶然廃線跡があったりすると何となくノスタルジックな気分になるので、そういった趣味を持った人の気持ちに共感できるようになった。
幸福駅(こうふくえき)
帯広市にあった旧国鉄広尾線の駅、1987年に廃駅となった。
かつては駅名が縁起が良いとのことで有名になり、大勢の人が乗車券や入場券を求めて賑わった。
ここは廃線後も観光地として整備されている。
幌加駅(ほろかえき)
北海道、上士幌(かみしほろ)町にある旧国鉄士幌(しほろ)にあった駅、1987年に廃線となった。
駅名の看板は保存団体によって再建されたもの。
タウシュベツ川橋梁
糠平湖にある旧国鉄士幌線のコンクリート製アーチ橋。
北海道遺産に選定された「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」の一つ。
湖に沈んでいて、雪解けとともに現われる。
老朽化が激しくて、毎年「見られるのは今年が最後」と言われ続けている。
第五音更川橋梁(だいごおとふけがわきょうりょう)
旧国鉄士幌線のコンクリート製アーチ橋
この橋梁も「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」の1つになっている。
碓氷第三橋梁(うすいだいさんきょうりょう)
通称「めがね橋」と呼ばれ、旧国鉄信越本線の横川駅と軽井沢駅間に架かる橋梁の一つ。
この区間がアプト式の鉄道だった時代に使われていて、現在ではアプトの道として横川駅(信越本線)からめがね橋を結ぶ全長5km、片道約1時間30分のハイキングコースになっている。
堀田橋梁(ほりたきょうりょう)
大分県九重町の恵良駅から、熊本県小国町の肥後小国駅まで通っていた宮原線(みやのはるせん)。
1984(昭和59)年に廃線となった。
この橋梁のアーチは4つあるらしいが、反対側に回らないと見えないようだ。
アーチは苔むして朽ちていて、登録有形文化財として登録されているが、下には物置小屋として利用されているような跡があった。
このような遺構はまだまだたくさんあるので、もしも見つけたときはその背景を調べてみたら面白いかも。
目に見えるものだけでなく、もっと深い物語などがあるかもしれない。