北上川の河畔にある北上展勝地は、東北地方でも有名な桜の名所として知られている。
北上川に架かる珊瑚橋から約2km続く桜並木の他に、展勝地内には数多くの種類の桜があり、4月中旬ごろから5月上旬まで桜を楽しむことができる。
展勝地というのは近くの陣ヶ丘からの眺めが素晴らしく、展望のきいた名勝、景勝地なので、両方を合わせて展勝地となったと言われている。
北上駅でレンタカーを借り、川向こうの展勝地に向かったのだが、途中の珊瑚橋辺りが大渋滞だったので引き返し、車は諦めて船で渡ることにした。
この時期は駅の裏側の河川敷から向こう岸まで船が出ていた。
ピストン輸送で、人数が集まり次第の出発だった。
渡し船から先ほど通ろうとした珊瑚橋の辺りをみると、まだ渋滞していた。
船を選んで正解だった。
後になって分かったことだが、毎年桜の時期は混雑してしまうので、車よりも渡し船か徒歩の方が良いと言うことだった。
駅からは20分くらい歩けば着くらしい。
船を下りるとすぐに目の前に桜並木があり、歩道も整備されていたので、見事な桜のトンネルの下をのんびりと散策した。
ちょうど「北上展勝地さくらまつり」の期間だったので、桜並木の終点付近のレストハウス周辺には出店がたくさん並んでいた。
その内容はほとんどが飲食系で、それも東北地方のものが多く、「三陸産のカキ、ホタテ」や「横手焼きそば」、「展勝地もち」などがあり、食べる方でも十分楽しめた。
その他のイベントとして、民俗芸能、鬼剣舞の公演や観光馬車も走っていた。
「日本の桜の名所100選」に選ばれているほど有名な場所なので、人が大勢押し寄せてはいたが、範囲が広いためか混雑もそれほど気にならなかった。
馬車を見たからかもしれないが、ここは何となく、ノスタルジックな感じがする場所だと思う。
雄大な北上川と周りの素朴な風景が郷愁を感じさせてくれているのかもしれない。