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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

想像以上に面白くて、むしろ大人にこそ観て欲しいと思った『映画 えんとつ町のプぺル』

2020年12月26日 22時49分13秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
 配給:東宝、吉本興業

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:23/206
 ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★★☆
    音楽:★★★★☆

【あらすじ】
厚い煙に覆われた"えんとつ町"。
煙の向こうに"星"があるなんて誰も想像すらしなかった。

1年前、この町でただ一人、
紙芝居に託して"星"を語っていたブルーノが突然消えてしまう。
ブルーノの息子・ルビッチは、家計を助けるために、
学校を辞めてえんとつ掃除屋として働いていた。

ルビッチは父の教えを守り、
今でも"星"を信じ続けているが、
町のみんなに嘘つきと後ろ指をさされ、
ひとりぼっちになってしまう。

そしてハロウィンの夜、彼の前に奇跡が起きた。
ゴミから生まれたゴミ人間・プペルが現れ、
のけもの同士、2人は友達となる。

ある日、巨大なゴミの怪物が海から浮かび上がる。
それは父の紙芝居に出てきた、
閉ざされたこの世界には存在しないはずの"船"だった。

父の話に確信を得たルビッチは、
プペルと「星を見つけに行こう」と決意する。

しかし、この町の治安を守る異端審問官が2人の計画を阻止するために立ちはだかる。
それでも父を信じて、互いを信じ合って飛び出した2人が、
大冒険の先に見た、えんとつ町に隠された驚きの秘密とは?

【感想】
マジか。マジなのか。。。
この映画、想像以上に面白かった。。。
別に僕はキンコン西野のファンでも何でもなく、
単に1つの映画としてよかったと思う。

絵本はWebで無料公開されているので読んだのだけど、
あの短いページの中でうるっとするぐらいには感動する話。
その映画化って実際どうなんだろうって、
正直あまり期待はしていなかったし、
オープニングをHYDEが歌っているからってレベルで観たのだけど、
これが正解だった。

通常は原作の方がボリュームがあるから、
内容を削ったものが映画化されるけど、
今回の場合はその逆で、
絵本にさらなる要素を加えて映画化してある。
もちろん、大筋は同じなのだけど、
まさに"『えんとつ町のプペル』完全版"と言わんばかりで、
設定やキャラクターが追加された形となっている。

よくできてるなって思える内容で、
原作絵本をベースに、
さらなる人間ドラマやこの世界に隠された秘密、
"星"をめぐる大冒険と、
大人も楽しめる作品に仕上がっていた。

さらに、これまでのいろんな映画のよさを凝縮してあるので、
捉え方によっては「既視感ある」と感じるかもしれないけど、
個人的には逆に王道ゆえの面白さや感動につながっていると感じた。

ストーリー自体もメッセージ性に富んでいてわかりやすい。
「わからないから批判する」ことや、
「違和感に蓋をする」ことをよしとせず、
まわりが何と言おうと、
自分が思ったことは信じ続けて信じぬいて、
とにかく行動しようというもの。

これは、原作者である西野亮廣の実体験も入っているのだろうか。
「お笑い芸人で成功するなんて無理だ」とか、
「芸人が絵本なんてできっこない」とか、
そうやって何かに挑戦しようとしたときのまわりの反応と、
それでも進み続けた彼の想いがこもっているようにも見える。
結果、彼は芸人でも絵本作家でも成果は上げたわけだ。
もちろん、行動したからといって全員が成功するわけではないが、
成功は行動なしにはありえない。

原作が絵本だからなあとか、
キャラデザが好きじゃないなあとか、
そんな理由で僕も最初はそこまで観るつもりはなかったんだけど、
実際に観たら普通に泣くぐらいには面白かったので、
これは観てよかったと思った。
アニメらしく夢だとか希望だとか、
そういう綺麗事が並べられているから、
子供向けだと思われるだろうけど、
大人こそ観た方がいいかもしれない。

あと個人的には、過去の作品を彷彿とさせる要素に思わずニヤリとしてしまった(笑)
例えば、えんとつ町は『FF7』のミッドガル。
船が上空に上がったときに乱気流に飲み込まれるシーンは『天空の城ラピュタ』。
スコップというキャラクターの言動は、ピクサー作品を思わせる(笑)

『映画 えんとつ町のプペル』公式サイト

2020年12月25日公開『映画 えんとつ町のプペル』公式サイト。製作総指揮・脚本・原作:西野亮廣×制作:STUDIO4℃!大人も泣ける大ヒ...

『映画 えんとつ町のプペル』公式サイト

 

おひとりさまの快適さと誰かといることの大変さを考える『私をくいとめて』

2020年12月26日 17時39分24秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
 配給:日活

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:139/205
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
おひとりさまライフがすっかり板についた黒田みつ子(のん)、31歳。
みつ子がひとりで楽しく生きているのには訳がある。
脳内に相談役「A」(中村倫也)がいるのだ。

人間関係や身の振り方に迷ったときは、
もう一人の自分「A」がいつも正しいアンサーをくれる。
「A」といっしょに平和な日常がずっと続くと思っていた、そんなある日、
みつ子は取引先の年下の営業マン・多田くん(林遣都)に恋をしてしまう。

きっと多田くんと自分は両思いだと信じて、
みつ子は「A」と共に一歩前へ踏み出すことにするが……。

【感想】
まさにあらすじの通りの展開で、
おひとりさまの女性がそれを卒業していく過程を面白おかしく描いた映画。

ただ生きるだけなら、
このままひとりでも何不自由なく暮らせるはずなのに、
突如恋に落ちたがために状況が一変する。

久しぶりの恋心にドギマギしつつも、
何とか多田くんとの距離を縮めたいみつ子なんだけど、
ひとつ問題があるんだよね。

おひとりさまなら絶対共感できるだろうけど、「めんどくささ」(笑)
ひとりは楽よ。
誰かとスケジュール調整する必要もないし、
思いがけず傷つくこともないし、
気を遣うこともないし、すべてが自分の思いのまま。

でも、誰かといっしょにいるには「努力が必要」。
みつ子もそれを痛感しており、いっしょにいる中でも、
相手との距離の取り方がわからず、
「早くここから逃げ出したい!」と泣きわめく始末。

ここはもうトレードオフだよね(笑)
ひとりには究極の楽さはあるけれど、
やることに限界はある。
他人といると自由はある程度なくなるけど、
できることも増えるし、得られる喜びや感動は大きくなる。

どちらがいいというのはないけれど、
みつ子はその究極の選択を迫られることになるのがこの映画の見どころ。

それ以外でも、彼女が日頃溜めている鬱憤が
時として噴出してしまうのも面白い。
仕事での出来事や友達の結婚など、
事あるごとに昔を思い出しては、
「実はあのときこう思ってたんだよね」というのを、
もうひとりの自分「A」と対話していくのは共感できる人も多いだろう。

ただ、途中ちょっと中だるみしちゃうんだよね。
「ひとりでいるか、ふたりを取るか」
という葛藤がもっとあってもいいと思うんだけど、
「おひとりさま」からの脱却を扱っている割にはその葛藤が少ないかなー。

あと、「A」との対話って、演出上、
声は中村倫也が演じているけど、
いわゆる自問自答でしかなく、
実際に声に出ているのが、
まわりにも聞こえる独り言なのか、
それとも心の声をあえて口にしているだけで、
まわりには聞こえないものなのかがわからなかった(なお、原作は未読です)。

個人的には、超絶ナルシストのカーター(若林拓也)をもっと見たかったなー。
ああいう振り切ったキャラ好きだからwww

映画『私をくいとめて』|大ヒット上映中!

【のん=31歳おひとりさま】×【林遣都=年下営業マン】×【大九明子監督×綿矢りさ原作=『勝手にふるえてろ』】⇒⇒わかりみ深すぎ崖っぷちロマン...

映画『私をくいとめて』|大ヒット上映中!

 

実写版とまるで異なる『ジョゼと虎と魚たち』

2020年12月26日 17時21分58秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
 配給:松竹、KADOKAWA

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:47/204
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★★☆
    音楽:★★★★☆

【あらすじ】
趣味の絵と本と想像の中で、
自分の世界を生きるジョゼ。
幼い頃から車椅子の彼女は、
ある日、危うく坂道で転げ落ちそうになったところを、
大学生の恒夫に助けられる。

海洋生物学を専攻する恒夫は、
メキシコにしか生息しない幻の魚の群れを
いつかその目で見るという夢を追いかけながら、
バイトに明け暮れる勤労学生。

そんな恒夫にジョゼとふたりで暮らす祖母・チヅは、
あるバイトを持ち掛ける。
それはジョゼの注文を聞いて、
彼女の相手をすること。

しかし、ひねくれていて口が悪いジョゼは恒夫に辛辣に当たり、
恒夫もジョゼに我慢することなく真っすぐにぶつかっていく。

やがて縮まっていく二人の距離。
これまで限られた世界しか知らなかったジョゼは恒夫との触れ合いを通じて、
外の世界へ飛び出すことを決めるが……。

【感想】
昨日実写版観たけど、5000%違う作品(笑)
もはや完全なるリブートと呼べるだろう。

どっちが好きかは好みによるだろうけど、
僕は実写版の方が好きかなー。
実写版の方が生々しかったんだよね。
ジョゼは暗いし、恒夫はスケベな大学生でセフレ持ち。
ジョゼとの情事も『寄生獣』並みに食べるようなキスが印象的だし、
ラストは恒夫が半ば逃げるように別れるという哀愁漂う人間らしい作品だった。

それに対して、アニメはとにかく綺麗な純愛モノ。
画の綺麗さもそうなんだけど、
より前向きで明るい希望に満ちた作品だった。
当然、男女の絡みなんて一切なく、
肉体的よりも精神的なつながりを重視したような感じ。

ジョゼはツンデレっぽい感じだけど暗さはなく、
恒夫との交流を通じて、
絵を仕事にしようとする主体性があった。

恒夫はスケベとは程遠く、
吉沢亮を彷彿とさせるようなスラッとしたイケメンで、
ダイビングが趣味という爽やかさに加えて、
書いた論文が海外の大学の教授の目に留まるほどの頭のよさも併せ持つ。

2人とも実写版のキャラクター設定とは大きく変わっているんだわ。

しかも、恒夫を巡るジョゼと舞の対抗心が垣間見えたり、後半で訪れる悲劇など、
実写版よりもストーリーに波があって、
ドラマチックな展開になっているから、
物語の構成としてはアニメ版の方が面白いとは思う。

だから、綺麗な純愛モノを観たいならアニメ版、
生々しい人間ドラマを観たいなら実写版、
という感じかなー。

アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』公式サイト

アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』12.25[Fri.]ROADSHOW! 芥川賞作家・田辺聖子が描く、青春恋愛小説の金字塔が遂に劇場アニメ化...

アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』公式サイト