【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
配給:東宝、吉本興業
【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:23/206
ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★★☆
音楽:★★★★☆
【あらすじ】
厚い煙に覆われた"えんとつ町"。
煙の向こうに"星"があるなんて誰も想像すらしなかった。
1年前、この町でただ一人、
紙芝居に託して"星"を語っていたブルーノが突然消えてしまう。
ブルーノの息子・ルビッチは、家計を助けるために、
学校を辞めてえんとつ掃除屋として働いていた。
ルビッチは父の教えを守り、
今でも"星"を信じ続けているが、
町のみんなに嘘つきと後ろ指をさされ、
ひとりぼっちになってしまう。
そしてハロウィンの夜、彼の前に奇跡が起きた。
ゴミから生まれたゴミ人間・プペルが現れ、
のけもの同士、2人は友達となる。
ある日、巨大なゴミの怪物が海から浮かび上がる。
それは父の紙芝居に出てきた、
閉ざされたこの世界には存在しないはずの"船"だった。
父の話に確信を得たルビッチは、
プペルと「星を見つけに行こう」と決意する。
しかし、この町の治安を守る異端審問官が2人の計画を阻止するために立ちはだかる。
それでも父を信じて、互いを信じ合って飛び出した2人が、
大冒険の先に見た、えんとつ町に隠された驚きの秘密とは?
【感想】
マジか。マジなのか。。。
この映画、想像以上に面白かった。。。
別に僕はキンコン西野のファンでも何でもなく、
単に1つの映画としてよかったと思う。
絵本はWebで無料公開されているので読んだのだけど、
あの短いページの中でうるっとするぐらいには感動する話。
その映画化って実際どうなんだろうって、
正直あまり期待はしていなかったし、
オープニングをHYDEが歌っているからってレベルで観たのだけど、
これが正解だった。
通常は原作の方がボリュームがあるから、
内容を削ったものが映画化されるけど、
今回の場合はその逆で、
絵本にさらなる要素を加えて映画化してある。
もちろん、大筋は同じなのだけど、
まさに"『えんとつ町のプペル』完全版"と言わんばかりで、
設定やキャラクターが追加された形となっている。
よくできてるなって思える内容で、
原作絵本をベースに、
さらなる人間ドラマやこの世界に隠された秘密、
"星"をめぐる大冒険と、
大人も楽しめる作品に仕上がっていた。
さらに、これまでのいろんな映画のよさを凝縮してあるので、
捉え方によっては「既視感ある」と感じるかもしれないけど、
個人的には逆に王道ゆえの面白さや感動につながっていると感じた。
ストーリー自体もメッセージ性に富んでいてわかりやすい。
「わからないから批判する」ことや、
「違和感に蓋をする」ことをよしとせず、
まわりが何と言おうと、
自分が思ったことは信じ続けて信じぬいて、
とにかく行動しようというもの。
これは、原作者である西野亮廣の実体験も入っているのだろうか。
「お笑い芸人で成功するなんて無理だ」とか、
「芸人が絵本なんてできっこない」とか、
そうやって何かに挑戦しようとしたときのまわりの反応と、
それでも進み続けた彼の想いがこもっているようにも見える。
結果、彼は芸人でも絵本作家でも成果は上げたわけだ。
もちろん、行動したからといって全員が成功するわけではないが、
成功は行動なしにはありえない。
原作が絵本だからなあとか、
キャラデザが好きじゃないなあとか、
そんな理由で僕も最初はそこまで観るつもりはなかったんだけど、
実際に観たら普通に泣くぐらいには面白かったので、
これは観てよかったと思った。
アニメらしく夢だとか希望だとか、
そういう綺麗事が並べられているから、
子供向けだと思われるだろうけど、
大人こそ観た方がいいかもしれない。
あと個人的には、過去の作品を彷彿とさせる要素に思わずニヤリとしてしまった(笑)
例えば、えんとつ町は『FF7』のミッドガル。
船が上空に上がったときに乱気流に飲み込まれるシーンは『天空の城ラピュタ』。
スコップというキャラクターの言動は、ピクサー作品を思わせる(笑)