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北海道でもあと3週間もすればオオルリボシヤンマが羽化してきます。そこで、写真によるルリボシヤンマ属の終齢幼虫比較を行ってみました。マダラヤンマ以外であれば、まだ植生の少ない今が採集時でもあります。道内で「ヤゴ屋」をやられている方は少ないとは思いますが、同定の参考にして頂けたらと思います。
1.オオルリボシヤンマ
全国的に見ても最も一般的なルリボシ属のトンボなので、本種を基準に同定を行うのが良いと思います。成虫も含めルリボシヤンマと良く似ており同定が難しいと言われていますが、第6腹節にはっきりとした側棘と頭部側面に淡い側線(矢印)があるので、慣れてしまえば簡単に見分けることができます。
2.ルリボシヤンマ
全体的にコントラストのない体色をしており、オオルリボシには手足に明確なマダラ模様がありますが、本種は不明瞭です。また、腹部背面に一直線状の褐色状があり、第6腹節の側棘は非常に小さく目立ちません(個体によっては痕跡程度しかないものもいる)。
3.イイジマルリボシヤンマ
ルリボシ幼虫と非常に良く似ていますが、終齢幼虫の比較では明らかに小さく細身なことと、体表がより艶っぽいこと、第6腹節の側棘が無い或いは痕跡程度しかないことで見分けられます。しかし、ルリボシ幼虫にも同じような特徴が見られるので、同定には注意が必要です。
4.マダラヤンマ
体表、手足のマダラ模様が明瞭な個体が多く、体形的に見ても同属3種との違いは明らかです。終齢幼虫では同属中最も小さく、第6腹節にははっきりとした側棘があります。幼虫期間が3ヶ月程度とアカネ並に短く、道内では8月上旬頃から羽化が始まります。
1.オオルリボシヤンマ
全国的に見ても最も一般的なルリボシ属のトンボなので、本種を基準に同定を行うのが良いと思います。成虫も含めルリボシヤンマと良く似ており同定が難しいと言われていますが、第6腹節にはっきりとした側棘と頭部側面に淡い側線(矢印)があるので、慣れてしまえば簡単に見分けることができます。
2.ルリボシヤンマ
全体的にコントラストのない体色をしており、オオルリボシには手足に明確なマダラ模様がありますが、本種は不明瞭です。また、腹部背面に一直線状の褐色状があり、第6腹節の側棘は非常に小さく目立ちません(個体によっては痕跡程度しかないものもいる)。
3.イイジマルリボシヤンマ
ルリボシ幼虫と非常に良く似ていますが、終齢幼虫の比較では明らかに小さく細身なことと、体表がより艶っぽいこと、第6腹節の側棘が無い或いは痕跡程度しかないことで見分けられます。しかし、ルリボシ幼虫にも同じような特徴が見られるので、同定には注意が必要です。
4.マダラヤンマ
体表、手足のマダラ模様が明瞭な個体が多く、体形的に見ても同属3種との違いは明らかです。終齢幼虫では同属中最も小さく、第6腹節にははっきりとした側棘があります。幼虫期間が3ヶ月程度とアカネ並に短く、道内では8月上旬頃から羽化が始まります。
初めてコメントとさせていただきます。
この記事でルリボシヤンマとオオルリボシヤンマのヤゴの同定方法に頭部側面の褐色条の有無がありますが、ルリボシヤンマの側面には褐色条がないのでしょうか。(褐色条とは複眼の後方から伸びる線でしょうか)
山口県と北海道では個体変異も考えられますがルリボシヤンマの側面はどのようになっているのでしょうか。
はじめまして、コメントありがとうございます。
ルリボシ、オオルリボシ幼虫の同定についてですが、褐色条は複眼後方から伸びる線で合っています。(写真矢印部分です)
基本的に、オオルリボシ幼虫はヤブヤンマ幼虫のように斑模様がはっきりとしている傾向が強く、ルリボシヤンマ幼虫の体色はどちらかと言うとメリハリ(模様がはっきりとしていない)が無く、のぺっとした印象です。
私の過去における両種の幼虫比較では、やはりルリボシ幼虫には複眼下の側線がほぼ認められませんでした。
当然、地域差や生息環境の違いで全ての個体に側線が認められないとは言い切れませんが、少なくとも北海道の個体では側線の有無が有効な同定方法だと考えます。
また、体系的な違いはオオルリボシ幼虫は腹部に若干膨らみがありますが、ルリボシ幼虫は全体的に細っそりとしています。
分かりにくい説明になってしまったかもしれませんが、参考になれば幸いです。
理解出来ました。今年3月20日に息子が山間部の休耕田にある素掘りの水路で見つけたヤゴはルリボシヤンマではないようです。
その時と5月2日に撮った写真ではっきりと筋がある個体が確認できましたので。
頭の形状でヤブ、マルタン、カトリ、ルリボシ(オオルリボシはいません)に絞られました。カトリは卵越冬なので省き、ヤブは肢のストライプ模様が確認できないことから省き、のこりマルタンとルリボシでしたが褐色条があったのでマルタンだったようです。
先日7月18日に再度確認しに行って全ていなくなっていたのもうなずけます。(数十匹はいたのですがおそらく羽化したようです)
やっとルリボシの多産地をみつけたのでは!?と喜んでいたのですが残念です。
(こちらではルリボシヤンマは準絶滅危惧種でなかなか多産する場所が見つかりません)
参考になったということで、良かったです。
そうですね。仰る生息環境から考えてもマルタン説は濃厚かと思われます。
所変わればとは言いますが、北海道ではルリボシヤンマはオオルリボシと並び、最も普通に見られるヤンマです。
ここ旭川市では前2種よりギンヤンマの方が圧倒的に個体数が少なく、ちょうど今時期は夕暮れ時になるとオオルリボシヤンマの大群衆(黄昏飛翔)が見られます。
ルリボシ幼虫見つかるといいですね。