憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

空に架かる橋  31

2022-09-17 15:48:48 | 「空に架かる橋」

居並ぶ兵士達の眼の前にあるのは、
「生」と「死」
少年の身体は死という様相をうかびあげてゆく。
兵士達の中に浮かぶのは
「畏れ」
自分にもやってくるだろう死が現実に
まざまざと横たわっている。
見たくないと瞳を伏せても
自分に降りかかってくる死の重みは
他人事じゃない。
その一方で生きてる事を
謳歌するかのような男と女の営みが目の前にある。
生きてる事を確かめたい。
快楽の刹那は
生きている頂点。
誰もが、みな確実な命の証に酔いたがる。
兵士達は
当然、
順番を待つ。
あたしの身体で知らされる命の歓喜を
てにいれるために。
だけど・・・。
そのうち、きがつく。
女はあたしだけじゃないと。
触手が伸びて行くのは
渇望に近い。
あたしは次の男にだかれながら、
千秋の悲しい悲鳴をきいた。
馬鹿・・・。
性でしか、生きてる事を確かめられないかわいそうな
男に何をされたって
嘆く必要は無いじゃないか。
馬鹿・・・。
男達は皆悲しい。
今を生きる事に必死になるしかない。
哀れで
哀れで・・・仕方が無い。
そんな男に何かされたと嘆く
千秋の心が悲しい。
なんで・・・。
なんで・・。
つつんでやれない?
そんなことを思うあたしがおかしい?
皆・・・。死ぬ事が怖くて、無様な姿をさらけだしているんだ。
その心がかなしいだろ?
ね?
あたしはあたしを抱く男を精一杯抱きしめてあげる。
コレがさいごかもしれないじゃない?
あたしがいなけりゃ、
彼はひとり、ふるえてるだけじゃない?
ねえ?
あたし・・おかしい?



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