重たい社の扉を開け放つと、予期していたかのように白峰が待っていた。
「きやったか」
つと、立ち上がると見えたら、もう白峰の姿はひのえの側に寄り添う様に立っていた。
「さて・・・ひのえ・・・・いかがなす?」
「・・・・・・」
「この白峰。ひのえが七の年より十二年、
この時の来るのをどんなに待ち受けた事か」
「好きになさるが良い」
「ひのえ・・・良いのだな?」
「ほっ。嫌だと申せば、おやめ下さると?」
美しい白峰の顔がひのえを覗き込んだ。
「ひのえは、この白峰が欲しくないか?」
ぐううと瞳をねめつけられると、
ひのえの身体が痺れる様に陶酔してゆく。
余りに美しい白峰に口説かれると、
さしもの、ひのえとて女である。
呆然とした顔の真中。
瞳がほだされる様に潤んだ。
「よいな」
ひのえの顔をよせ来ると、白峰が口を啜った。
「よくも、白銅が如きに口吸いを許しおったな」
白峰が言うと、ひのえをしっかりと包む様に抱きかかえると
へたりとその場に座った。
その膝の中にひのえを落とすと、もう一度口を寄せて来た。
白峰に唇を舐め尽くされ、その舌で唇を割られると
白峰の舌がひのえの口の中に入りこんできた。
ぞわとする感触で生暖かく、
湿った物がひのえの舌を絡めとってゆく。
ひのえの頭の中が真白になり
なにも考えられなくなってゆくとひのえは、
只々、、白峰に与えられる感覚に溺れこんでいった。
「ひのえ。すまぬと思うておる。
わしのあふりを、畏れてその身を繕いて、
娘らしく装う事も、美しく化粧する事もせず、
およそ女である事さえ人に悟られまいとして、
この十年を過ごさせてしもうたの」
優しい言葉である。
白峰のあふりに気がついたのは
ひのえが十二の年に初潮を迎えたその朝だった。
春でもあった。
万物、皆、草木が芽吹く頃に
身体の芯に小さな欲情の息吹きが
ことことを音をたてはじめるようであった。
目の開かぬ内から育て上げた太郎丸も例外で無かった。
ひのえの障りの臭いに畜生ながらも、
女を嗅ぎとると突然、ひのえの足に絡み付いて
さかる様を見せはじめた。
が、ものの刻もせず内に太郎丸の身体が
ひくひくと痙攣し始めると、口から泡を吹きのた打ち回った。
慌ててひのえは父親を呼んだ。
ひのえの声に寄っていた正眼だったが
太郎丸を一目見るなり唸った。
太郎丸の胴から赤い陰茎が延びたまま
口からは泡を吹いている。
時期の来た事を察した勝元から、
その時に白峰の事を聞かされた。
自分に妙な懸想を寄せさすと、
白峰のあふりを受けとんでもないことになる。
その日からひのえは、自分の姿を男に変えた。
「・・・・・」
「ひのえ、今日からは、美しく装おうがよい。紅をさすがよい」
白峰の心奥の欲情が伝わってくるような好色な目付きを一瞬見せた。
「わしの為に装おうてくれるな?」
ひのえの胸に差しこんだ手がぐうと胸をもみこみ、
先の尖った部分を摘み上げる様にして
白峰の細い指の先で転がす様にされると
ひのえの中に鋭い感覚が走り、其れがほとまで走っていった。
「あああ」
思わず声を上げるひのえの顔に白峰が顔を寄せて来る。
「抗えまい?」
袴の胴割から手を入れ込め、
着物の裾をはぐると白峰の手がひのえのほとに届いた。
さきの胸に与えられた感触の答えがもう、そこに現れていた。
「七生。七度。さすがに八代の身。わしを覚えておるの」
ぐじぐじとほとを濡らす精汁を、指に絡めながら、
白峰の声は満足気だった。
「なん・・・と、い・・われ・・・」
白峰の指が陰核を弄り出すのに、
ひのえの声が震え出している。
「今。なんと・・・いわれ・・う、あ・・・あああ」
白峰の指がひのえの陰核を激しく磨り撫でてゆく。
「今・・あ、ああ」
「良いわ。ゆっくり寝物語に語ろうてやる。
ん?ひのえ。良いだろう?」
一呼吸も付かせぬ様に激しい愛撫に
ひのえの思念もその指に与えられる感触だけを追い始めた。
「ああ・・ああ・・あああああああ」
いつまで際限無く、白峰の指が動き回るのだろうか?
その中、白峰に一枚一枚、
着物を剥ぎ取られて行くのにさえ、ひのえは気が付かなかった。
ぐんなりとした身体から指が離れ、
違う感触が与えられたとき初めて、ひのえは気が付いた。
裸身。
「あ、いつのまに」
そう、思った時白峰の顔がひのえの股の間に沈んでゆき、
今度はその指でなく白峰の口に陰核を吸い上げられた。
軽く核を歯で噛んで動かぬようにすると
その舌で核を転がすような動きで舐めくじって行く。
「あ、あ。あ・・・あ」
白峰の口が歯噛みしたひのえの陰核をくうううと強く吸い上げた。
激しく吸い寄せられると白峰がもう少し強くかみ寄せ、舌を転がした。
「ひいい・・・い、い、い・・・」
痛みの中にある強い快感にひのえの声がか細り
うわ言の様にそれを訴え始めた。
「あああ・・・良い、気持ちが良い・・よい・・・・ああ、よ・・い」
乱れはてる初女を、たのしむ白峰はひのえを長い間、解放しなかった。
「・・・・あああ・・・・」
ひのえの声がやがて、堪えきれないようにむせび泣きにかわった。
その声を聞くとやっと白峰はひのえを離し
もう、一度膝の上に抱きかかえた。
ひのえを胸の中に包むと愛おしげに名を呼んだ。
「ひのえ。ひのえ。ひのえ」
白峰は、狂おしいほどひのえを抱き締めると、
みるみる内にその姿を大きな白蛇にかえた。
「もう、恐ろしゅうないじゃろう。ひのえ。
知っておろう?舌は陽根と一対をなすものであるということを・・・」
ちらちらと二股に分かれた己の赤い舌を見せながら
白峰はひのえの身体に幾重にもまきつきながら言葉を続けた。
「ひのえ。蛇の物を見た事はないか?
この舌のように双に分かれておる」
一面に返しのような鍵裂きのついた蛇の物をひのえは見たことがある。
が、双に分かれておる事は気がつかなかった。
白峰はひのえの心を読み透かす。
「そうそう。その鍵裂きでな、
一度入り足れば果てるまで離れぬ故に・・・覚えておくがいい」
ぐっとひのえの身体を締上げるとずううと
白峰は胴を手繰る様にして体をずらした。
そのずらした合間からひのえの乳が
はみ出るようにせり出しているのを白峰が
顔を寄せて双に分かれた舌で
その乳首にちろちろと舌を這わせた。
「あ・・」
「もう良いか?ひのえ」
白峰は頭をくねらすと向きを変えてひのえの腰を這い、引き絞る様に閉めこんだ太腿の隙間に抉る様に頭を突っ込んで行った。
ひのえにも其れから白峰がどうするか判っている。
実を受ける恐ろしさに堅く腿を閉じるのだが、
白峰の力は凄まじい。
ぐうううと腿の合間に入り込むとくぐもった声が聞えた。
「ひのえ。言うたように、わしが物は果てぬまで離れぬ故に、先にこれをやるわ」
その声が途絶えると、
ひのえの身体を引き裂くような痛みが襲って来た。
白峰がひのえのほとにその頭を小さく窄めて潜り込ませると、
うねる様にひのえの中で蠢いた。
「くっ」
痛みを耐え忍ぶひのえの口から苦痛の声が漏れる。
「やめ・・・くううう」
しばらくすると、白峰がほとより抜けでた。
「ひのえ。懇願しやれ。やめてくれと、許してくれとい言うてみい」
「・・・・」
「わしに屈服しとうはないか?」
「・・・・・」
「これよりが本物の実ぞ。破瓜の音を聞くがよい。
破瓜の血が流れたるを見るがよい。ひのえ。もう、わしの物じゃ」
白峰の頭がひのえの耳元に来ると
ひのえの耳をちろちろと舐めあげ始めた。
ぐうと足首まで白峰が巻き付いていくと
ひのえの身体を軽く持ち上げ、
ひのえの身体をくの字に曲げそのまま白峰の物に落とし込み始めた。
腿を開けずとも、ひのえの後ろ側から
ひのえのほとが見えている所に
白峰の双の物がぐっと窄められる様にして
ひのえの中に捻じ込まれていった。
「うう・・・・ああ・・・・」
ひのえのうめくくような声が,咽喉から上がって来る。
「痛いか?痛いか?ひのえ。
早う、楽にしてやるからの。じっとしておれ」
白峰が言うと、白峰の物が
ひのえの中で何度も振幅を繰り返し始めた。
ぱつともいうような鈍い音がすると、
ほとがはっきり引き裂かれる痛みとともに
滑るような破瓜の印が白峰の白い胴を赤く濡らした。
其れでも白峰はひのえにほとに、
繰り返し己の物をぐいぐいと押し込んでくる。
白峰が己の物を引いてもしっかりとほとに食い込んでおり、
ほとごと引かれてゆくようであった。
「抜きとうないか?抜きとうないか。ひのえ。ほれ、入れてやるわ」
引いた物をさらにぐるぐると弧を画く様にひのえの中に入れこんでくる。
「ああ・・・・うう・・・・あ」
「思い起こせ。ひのえ。
その前世も、その前もこうやってお前はわしの物を呑み込んだのだ。
ひのえ。ひのえ。愛おしいぞ。こはわしじゃ。ほれ」
ぐい、ぐいとひのえの中を擦りあげてくる。
「許されよ・・・白峰殿。ひのえを離して・・・」
痛みに堪えてひのえがやっと口にした言葉も無駄な事であった。
「言うたであろう。果てるまで抜かれぬと・・・・」
「あああああ・・・・・・・」
白峰の乱行は夜を徹し、
やっと,朝が白白と開ける頃にひのえを離した。
ぐったりとしたひのえの身体を離すと白峰は
「辛かったのう。痛かったのう」
と、言いながら初めに見せた美しい若者の姿に戻ると、
その柔らかい舌でひのえの傷を舐め上げるのであった。
温かく柔かな舌にほとの傷をなめ上げられると、
ひのえの心も、傷の痛みも癒される様であった。
ようやっと、白峰から離されたひのえの耳に寿ぎの祝い詩が聞えて来た。
ひのえを迎えに行った氏子達が社の外で歌って祝っているのである。
「祝い唄か。長かったの。
お前を待つ日はどんなに長かったか・・が、もう、ここにおる」
うとうとと寝入るひのえの股の中で白峰が何時の間にか、
又、蛇の姿になっているのにも気が付かず
ひのえはその日をうつうつとまどろんだ。
白峰はひのえの傷を癒す様に
その細長い舌でひのえが目覚めるまで、
その舌を這わせひのえのほとを舐め続けたのである。
二日
「あ・・・うん」
ひのえが目覚めると白峰は若者の姿に変ると、白粥をその口にはみ、ひのえの口に注ぎ込んだ。
ひのえがごくりと飲み干すのを確かめ何度か繰り返すと
「くちたか?」
と、尋ねた。
「あ・・・はい」
力なく答えるひのえのほとを開くと
白峰は又、自分の物を潜り込ませた。
「ひのえ。良うなってくるまで辛抱するのだぞ。
お前を百夜苦しめはせぬ。待っておれ。
だんだん良うなってくるのだから。よいな」
こうして白峰は夜毎、日毎、ひのえをほとを堪能するのであった。
三日
「ひのえ。尋ぬるが良い」
ひのえの中で一鎖引かかる物がある。
幼き日の出来事を、正眼から聞かされていた。
「わしの言葉が、全ての因を、縁を結んだのだ。
蛇が入ると言うた、その一言の言霊が成れば、因縁が結ばれる。
それを、耐えるしかない」
が、確かに白峰の頭が、
わずかの間であったが、ひのえのほとに入りこんだ。
ならば、因縁結実。
言霊の差配も消えようというのに、
変らず白峰の元から離れる事がかなわない。
白峰も離そうともせずにいる。
それは、白峰のいう八代の身という事に、基をなすのではないか?
父の知らぬところでもっと大きな因が、縁が、
由縁が動いているのではないか?
ひのえは、白峰に言われた通り尋ねた。
「白峰。お前と私がこうなるのは、前世からの決め事なのですか?」
ひのえの身体を抱き寄せると白峰は
「その通り。お前の父のせいではない。
それを、明かしてやるが為に、初手から、
あのような酷い事をして、言霊の因を晴らして見せたのだ。
正眼の言霊の因など、あの時にとっくに晴れておる。
なのに、まだ、お前がここにおるということは、
わしが本意にお前を望む故なのだ。それを、思い出せ」
と、言うと白峰は身体を、ふっと振り上げた。
と、又も、白蛇の姿に変った。
「よう、味わうがよいわ。
確かに、お前のほとに入組んでみせようて。
よう、見て置け。正眼の因などで結ばれた縁でない事を、
思い知るが良い」
「あ」
白峰の尾がひのえの顔を押さえる様に俯かせると、
白峰の顔がひのえの裾を肌蹴ながらほとに向っていった。
あられもなく着物の裾を捲りあげると白峰の胴が
ひのえの太腿にまきつき両の足を左右にぱくりと開かせた。
「ひのえ。見ておるがよい。確かに入り込むぞ」
白峰は頭を小さく窄めるとひのえのほとにぐるりと捻じ入って来た。
「ああ・・・」
間違いなく、白峰の頭がひのえのほとに入りこむ様を
白峰がその尾でひのえの顔を寄せ付けて見せるのである。
「ううう・・・・」
己がほとに入り込んだ物が蠢く様を見せられながら、
ひのえの心の中が奇妙な思いに取り付かれた。
ほとに味合された感覚が懐かしいとも愛おしいとも、
そんなものに似たような気がした。
しばらくすると、白峰がほとより脱け出て来ると
「のう。前に入りこんだのと同じものであったろうて。
ひのえ。よう、血が騒いでおるわ。
ほとの中が滾って・・・熱いわ。早う」
と、言うが早く、白蛇の姿のまま、身をくねらすと、
胴の外に白峰の物がいきり立っているのがちらりと見えた。
「こが、入る様も見るが良い」
白峰が軽くひのえの尻を持ち上げる様にすると、
ひのえの目に己のほとがはっきり見えた。
「ああ」
恥辱にひのえが目を背けようとするのを、白峰は許さなかった。
「目を開けて、見るが良い」
斜めから入れ込む白峰の物を呑み込んで行くほとを見ながら、
ひのえの目が虚ろになり、閉じられていった。
「少しは気持ちが良くなって来たか」
異常な興奮がひのえを包み込み、
ひのえの五感は只、じっと、白峰の動きだけを受け止め始めていた。
白銅はうち捨てられた細かな紙片を拾うと、ふうと吹いた。
一片の紙から、小さな式神が現れた。
「はっ」
片膝を付き、白銅の前に額づく式神である。
「白峰の所へ行けるか?」
「・・・・・」
「お前の思うておる通り、くじり殺されようの。行けるか?」
「行ってみれば、帰らぬとも、良うございますか?
それで、白銅様の気が晴れますか?」
「・・・・・・」
「行って参ります」
ふっと、姿が消えたが、それから、やはり式神は帰って来なかった。
式神を飛ばした所で、甲斐はない。
只、ひょっとしてその式神をひのえが見るやも知れぬ。
式神を見たひのえがそれが白銅の物だと言う事は判る。
ひのえが白銅の事を一かけらでも思い起こしてくれれば良い。
それだけの白銅であった。
七日目の夜にひのえは小さな喘ぎを迎えた。
「言った通りであろう?良いだろう?どうじゃ?
ひのえ。わしの物がもっと欲しかろう?」
たぶさねを、大きく膨らますと、白峰が激しく動き出した。
「あああああああ・・・・ああ、ああ・・・・・」
ひのえの身体がとうとう白峰のくじりに喘ぎ始めた。
「あ、あ、あ」
「良いと言うてみい。良いだろうが、言うてみい」
「ああ。ああ。もっと、ずっと、欲しゅうございます。朝まで離しますまいな」
「もとよりよ。ひのえ。ひのえ。八代の身。愛おしいのう」
「ああ・・・・其は・・・い・か・なる・・こ・・と?」
白峰のくじりに抗う事も叶わぬまま、
尋ねた言葉に白峰が優しく答えた。
「八代の事か?」
「ああ・・ああ・・はい・・・」
ほたえ狂うひのえを眺めやりながら、
白峰はなおも腰を突き動かした。
「ひのえ。前世から数えて、その身で八代。
七日七夜のまぐわいを七度重ねたひのえの八代を百日百夜。
貰い受けると願を懸けたのじゃ」
「あああ・・・・あ、おおおうう」
「良いか?お前の身体が七日七夜、七世の縁を、因を結んだのを覚えておるのじゃ。
千年の昔から、お前はわしだけの物じゃ。
其れ。そうだとお前のほとが答えておろう?」
うねるような快い波がひのえのほとの中に現れると、
ひのえのほとが小刻みに震えだした。
「おおおおう・・・・」
ひのえがあくめを迎え出すと、
白峰が振り絞るような声を上げてひのえのなかに精をはきだした。
「ひ、ひ、ひのえ・・ひのえ、ひのえ」
猛り狂う白峰の物が、七日目はこれでやっと静まったのである。
十五日目の朝。
ひのえは障りを向えた。
「とまらなんだか」
白峰はそう言ったがそのまま、ひのえを引寄せると、
またしても、裾を捲り上げてゆく。
ぎょっとした目でひのえは白峰をみた。
「何を?」
「きまっておろう」
障りのまっ只中でさえ、白峰はひのえを求めた。
「良いわ。湯殿へ行こう」
ひのえを抱きかかえると白峰は湯殿に向かった。
「来や」
ひのえの中に入れこむと
「抜けぬまで血は落ちぬゆえ、気にする事はない」
そう言うと、いつものように白峰の物が蠢き出した。
十五日。何処にここまでの精があるのかと思うほど
白峰の交接が無い日は無かった。
白峰が一度ひのえの中に入りこむと、
早くても、一刻、時に昼夜に及ぶ事も、すでに何度かあった。
恐ろしく、長い快感を与えられた後は
その名残が芯に残り、ひのえのほとが渇く暇さえなかった。
三十日の夕刻。
白峰の手が指がひのえのほとを揉み込み、
何度も白く細い指がひのえの中に踊り込んだ。
「ああ・・・」
身体の中がほたえ、ほとの芯まで熱っぽく感じ、
白峰の指がひどく快い。
ほとの中で二本の指を開いたり窄ませたりしながら白峰が
「ひのえ。よう、滑っておるわ」
言うと、その指を引きぬいてひのえに見せた。
軽く広げた指に絡むような精汁が粘っこく糸を引いており、
透けるような透明な蜘蛛の糸の様であった。
「いや」
想わず目を伏せるひのえに白峰が覆い被さってゆく。
「ひのえ。このような時は欲情も激しいが、子も宿る」
身体ごと激しく揺さ振られながら
この日、ひのえはひどく乱れ、何度もあくめを迎えた。
白峰がひのえを離した時、ひのえの中からとろとろと熱く、
大量の精汁が零れ落ちた。
「ひのえ。女になったの」
白峰の囁きにひのえは白峰の胸に顔を埋めた。
四十五日
「ひのえ・・・来ぬの・・・」
障りが、である。
「あ・・」
「まだ、判らぬがの・・・」
白峰の顔が綻ぶ。ぐうっと両の乳を、揉みしだきながら、
「心持ち、張って来ておるのか」
「わか・・り・・・」
摘み上げられた物に湧きあがった感覚に、
ひのえは思わず、しゃがみ込んだ。
其れだけで、自分のほとの中にも疼くような渋りが込み上げて来る。
「どうした?もう、潤むか?」
「あ・・いえ」
「嘘を申すな」
ひのえの足を引寄せると、そのまま、白峰は裾を割り、
ほとに向けて舌を這わせていった。
ぬるりと溢れるものを啜る様に舐め上げると、
白峰の舌がほとに差し込まれた。
温かく柔らかい、舌の小さな蠢きにさえひのえの声が漏れた。
ひのえをしばらく快楽の波のなかに泳がせていた白峰であった。
「そろそろ、欲しかろう?入れてやるわ」
しとど、濡れそぼった物が喘ぐ様に
白峰の実を呑み込んで行く様を見ながらひのえの声を聞いた。
切ながる、その声に白峰の物が益々、張りつめてゆく。
「よう、覚えたの」
ひのえの身体が白峰の寵愛に、呼応するようになってくると、
白峰がひのえを少しでも長く喘がせようとする。
果てそうになると白峰もじっと、
動きを止めてあくめを遣り過ごすのである。
が、動かぬ物にまでひのえの肉が追い縋るかのように
ひくひくと動き、僅かの蠢きにひのえが声を上げた。
「これだけでも、良いか?この方がもっと・・・良かろう」
あくめが沈み込むと白峰が再び、ひのえの中に躍動を繰返した。
五十三夜
「白峰・・かように人の姿になりても、・・なぜ?」
白峰が人の姿になりても、その陽根だけは蛇の物であった。
ひのえはそれを聞いているのである。
「人の物が良かったか?ひのえ。こは、ひのえだけに与うる物。
故にこの容。ひのえをたぎらす物を人の物にせぬばならぬか?」
「あ、いえ。ひのえは人の物など、見た事も、ましてや、触れた事も・・・」
「判っておるわ。」
白峰自身が破瓜を与えたのである。
自明の事である。
「蛇神の姿にならぬのはの、こうできぬゆえ・・・・」
ひのえのほとを刺し貫いた物を動かしながら、
白峰の指がひのえの陰核を弄った。
「ああ・・ああ・・・許しおれ・・・」
ひのえのほとの中に大きな波が押寄せてくるのを、
白峰の物がさらに蠢く。
激しい陰核への刺激が
そのまま、ほとの中の白峰の物の動きと呼応すると、
ひのえがあっさり、あくめを迎えてしまった。
「ああ・・・・・・ああ・・しら・・・み・・ね・・よ・・い」
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