憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

師範代 ~~★新之助シリーズ第6話

2022-08-30 08:45:46 | 師範代 ~~★新之助シリーズ第6話

剛乃進である。

あれから、師範代と
妙な仲になりたいという
困った欲望を
妙なところがうったえるのである。

「う~~ん」
なんだか、妙にもよおしてくるのだが、
剛乃進を慰める師範代は
まだ、あらわれそうにない。

「なにか・・・」
師範代の変わりになるものはないものかと
剛乃進はあたりを見渡した。

が、ない。

道場の師範代の控えの間で
剛乃進はさっきから師範代をまっているのだけど・・・。

「はやくこないかなあ・・・」

まったく、その気になった男は一途というか、
酔狂というか、
閑というか・・・。

「まだ・・・かなああああ」
師範代の部屋の戸をあけて、外を見てみた剛乃進である。

そこからは道場の裏門が見える。
そして、道場の裏には畑がある。
そこをつっきって師範代が
こっそり、剛乃進と逢引しにくるはずである。

が・・・。

「ん?」
畑にはやっと、おおきくなりだした、大根が並んで、はえている。
それを何気なく見ていた剛乃進であるが・・・。

「むふっ」
待ちくたびれた剛乃進は良いことをおもいついたのである。

師範代・・・2

剛乃進。
畑に飛び降りますと
大根を引っこ抜きます。

「でけええなああ」
つぶやくと
小刀をとりだし、
なにやら細工をはじめました。

なにをしてるのか?って?
さ~~?
だけど、剛乃進は非常に熱心です。
そして、
また、なにかつぶやいてますな。
「うふっ・・師範代の・・こんなものだったかなあああ?」
まあ、聡い読者の皆様は
剛乃進がなにをつくりあげたか、
すでに察しがついてらっしゃることでしょうので、
あえて、説明はいたしません。

そして、出来上がったものを
手に持った剛乃進が再び控えの間にはいってきました。

いよいよ・・・。
「細工は流々。しあげはごろうじろ・・」
と、細工物を実用してみようと思う剛乃進ですが・・・

だけど・・・。
「こんなことが、師範代にみつかっちゃあいけない」
だからこそ、おおいそぎで、はかまをずりさげ
さっきから、
妙な刺激をくれと訴え続けてる局所に
「師範代のものとおなじように細工した」大根を
あてがいました。

師範代・・・3

サイズがよかったのか?
剛乃進がその気になりすぎてたのがよかったのか?
大根は剛乃進の局所にするるとはいりこみますと、
なんだか、
非常に具合がよろしい。

「んふ・んふ・んふ」
なんて、ご機嫌で大根をうごめかしている剛乃進であります。

があああああああああああああ、
いっておきますが、
この男、つくづく・・・・「あほ」・・です。

「んふ。んふ・んふ・・」
小気味よさそうな声を上げていたのも
つかの間。

「うえ?ぐ!ごわあああああああ!!」
大根おろしをたべる方はご存知でしょうが、
おろしたての大根はそうでもないのですが、
しばらくして、もう一度、箸をつけると
辛くなって、口がひりひりするってこと・・・。

これが、剛乃進の局所の中でおきたのですから、
たまったもんじゃない。

「ひえ~~~。辛い・・・しみる~~」
と、あわてて、大根をひっこぬき、
床にうずくまること、しばし・・・。

そこに裏木戸があく音。
「や・・・・やばい・・・」
師範代がきちゃった。
剛乃新はあわてて、身住まいをただすと、
「こ・・・これ・・・どうしよう?」
手に持った大根・・・いや?
師範代もどき?
みつかったら、やばい!!
ど・・・ど・・・ど・・・
どうしよう?

「か、、、かくなるうえは・・・・」/ご想像におまかせします。

憐れ、剛乃進。
下の口も、上の口も・・・・。
ひりりりりり~~~~~~。

しびれたお尻と
しびれた口で
師範代を迎えることになりまする。

そんなことなぞしらず、
師範代は部屋にはいってきますと、
剛乃進がなまめかしくねそべり・・
「いらっはひ~~~ぃん」
と、妙な鼻声が、いと、なまめかし~~~~~。

師範代・・・4

剛乃進にすれば、痺れたお尻とお口のせいで、やむを得ずに
「なまめかしく」なったのでございますが、
師範代にすれば、
「その気充分」の剛乃進としか映りません。

「そか・そか」
なぞとご機嫌になるのは、世の男の常でございますから、
早速と師範代は剛乃進を丸裸にひんむいてしまうと、
自らも着物を脱ぎ散らかし
「待たせたの」と挑みかかってゆくのですが・・・・・・・。

やっぱし・・・。
想像できてるよな~~~~?

「ふん・ふん・ふん」
ご機嫌な鼻息で妙な動きのリズムをとっていると
剛乃進のなまめかしい声が上がってくる。
もちろん、これも、剛乃進にすれば
なまめかしい訴えではない。
『ひっ・・・し・・・しみるよ~~』
と、いうことなのですが、
まさか、そんなことを言うわけにもいかず
「ひぇ~ふぇ~」
と、叫びまくってるのですが、
師範代は
『ま、剛乃進なら、そんなもんだろ』
女を相手になにかなさってるわけではないので、
女性特有のあの・・・・声は期待できない。
だけど、
『ちと、やかましいの』
うるさい口をふさぐついでに
口吻でもしてやるかと、
師範代は剛乃進に口をくっつけて、
『ふん・ふん・ふん・・・』
剛乃進の局部に与える動きに専念しだしたのです。が・・・・・・。

「?!」
な・・・・、なんだか、口がぴりぴり・・・?
「え?」
師範代の大事なところもなんだか・・・ぴりぴり・・・?
「え?え?・・・」
なんて、ちょっと妙だと思っていたのも束の間。
「ぶわああああああああ~~」
粘膜部分に辛みが到達してしまったようです。

あわてて剛乃進を突き放す師範代の顔が真っ青になっている。
「お、おまえ・・。な・・・なんか、悪い病気になっていないか?」

『あは、やっぱ、ばれちゃったんだね』
なんて、剛乃進、のんびり構えてる場合じゃない。
師範代の顔色はまっさおだぞ!!

師範代・・・5

師範代の真っ青な顔をみたら、やっぱり、本当のことを言うしかないと剛乃進も覚悟しますが・・・。
読者さまには非常にもうしわけないのですが・・・。
剛乃進、まだ、お口がしびれてます。
師範代は無論、皆様にうまく通じるかどうか・・・。

「あはは、そりはちらうんです。しはんらいがくるのら
遅くれ・・つい・・くちはびしくなってしまたんれすよ」
「なんじゃ?口さびしくなった?それで、なんで?こんなにぴりぴり?」
「あはは・・。そりは、らいこんれす」
「大根?」
まともに口の利けない剛乃進の説明を聞いているのも面倒でございます。
師範代はわずかなヒントから、剛乃進の行動をおしはかります。
『そうか、わしをまってる間にひもじくなったということか。
それで、裏の畑の大根を食った・・・。ふむふむ』
と、ここまでは容易に推理できますが・・・。
「じゃが?なんで、あっちゃのほうまで、ぴりぴりしておるのじゃ?」
「そ・・そりはれすね~~」
剛乃進にすれば、それを一番いいたくなかったのである。
が、もうし方がない。
「れすから~~~。まちくらびれて~~。らいこんをしはんらいの~~かわりにしれ~~」
「はい?」
どうやら、口さびしかったのは、別の口もだったのかと
師範代も得心しました。
「あほ・ばか・・・うふふ・・」
師範代が怒るとおもいきゃ、なんだか、うれしそうでございます。
まあ、妙な男心ともうしましょうか・・・。
『うふふ・・・わしがことをそんなに恋しかったか・・』
と、言う心理なのでございましょう。
が、師範代・・・この男こそ、あほです!
気がついてない事実を話すべきか、
知らぬが花といいましょうか?
ちょっと、そのまま、様子をみつづけてみましょう・・・。

「あほう・・・ばか」
剛乃進のまぬけ加減を思うとどうしてもその言葉しか出てこない師範代です。
だって、考えて御覧なさい。
食べた大根がぴりぴりしてると判ってるのに、
なんで、そんなものを***につっこんじゃう?
馬鹿としかいえない。
あほとしかいえない。

で、師範代はその問題の「師範代のかわり」をみてみたくなりました。
「俺の物と比べてみせてやる。みせてみろ」
まあ、本心は『俺のよりでかく作っておるまいの?』と、いうところでしょうが・・・。

師範代・・・6

「え?」
あほ。馬鹿。と大笑いする師範代だったので、
ここは、もうこのまま、話が流れてゆくと
ほっと、胸をなでおろした剛乃進だったのですが・・・。

『師範代のかわり』をみせろといわれても、
すでにそれは、剛乃進の腹の中。
このことこそが
本当にいいたくない、極地なのです。
事実を隠蔽するために
あらぬところにつっこんだ大根を
たべたなんて、いいたくない。
まして、悲壮な覚悟でたべたのです。
せっかくの努力?が水の泡になる。

なのに、師範代。
「こりゃ、みせてみろ」
なんて、妙に楽しそうです。

し・・・しかたがない。

「じつ・・・は・・、そんらことがしれたら、きらわれりるとおもっへ・・」
どうも、そのことで師範代が剛乃進を嫌いになったりはしないと安心はしました。
「で、ひょうこをかくそうとおもいまひて・・」
「ん?証拠?あはは・・・。それがみてみたい。
どこに隠したんじゃ?みせてみろ」
さ、ここが問題です。
でも、うじうじ、とおまわしにいってみても、結果は同じ。
「たべちゃいまひた」
「あん?なんだ・・・?」
そうか。それは絶好の隠し場所だ。
木は森の中に隠せ。
食えるものは胃の中に隠せ。
見事な兵法であるといえる。

なるほど。なるほど。
剛乃進の策士ぶりに関心しているのもつかの間。
師範代、ふと・・・。

「まて・・」
突っ込んだものをくっちゃったんだよな?

「俺は・・・」
「はひ?」
「その大根をくった・・・」
「はい・・」
「お前の口に・・・チューしちゃったってことだよな?」
「は・・・い」
「それって、つまり・・・・・」

事の真実に気がついた師範代。
本当に真っ青になったとさ。

              終わり。

追記。
剛乃進がまっさおになった師範代を慰めているようです。
「あ、いのひにはべつじょうないれすよ・・。
ね、ね、ね、しはんらい。
これれ、わらくしとしはんらいは
めいじつともに臭い仲~~~~」

             おあとがよろしいようで・・・・。



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