<以下の文を復刻します。>
「地取り」は死語になったのだろうか。辞書をひくと幾つか意味があるようだが、私が若いころ、教わった意味はまったく別のものだった。それは事件や事故が起き、聞き込み捜査や聞き込み調査をすることを地取り(じどり)と言ったが、最近はあまり使われないようだ。この「地取り」は専門用語・業界用語のたぐいだが、私にはいまだに忘れられない言葉である。ここで、いつもブログでは“ . . . 本文を読む
<以下の文を復刻します。>
いろいろの映像があるうちで私が最も感動するのは、1964年10月10日の先の東京オリンピック開会式の映像である。当時、私は“社会人”になりたての若造だったが、この開会式の模様は今でも忘れられない。その当時の状況を描いた拙小説『啓太がゆく』の一部を引用させていただくとともに、選手たちの入場行進の映像をぜひご覧いただきたい。(2021年3月1日)
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ふと、坂本九の『見上げてごらん夜の星を』を思い出した。昔、某テレビ局への入社が決まり、同期の仲間と共に“職場研修”を受けた。ある日、スタジオのセットや大道具、小道具などの実習を体験したあと、まったく不得手なテレビ技術の講習も受けた。夜も遅くなりいい加減に疲れたが、会社からもらった弁当をみんなで食べていると、急に、ある音楽が部屋いっぱいに流れた。放送中だったのか? それが . . . 本文を読む
〈以下の文を復刻します〉
ディオゲネス(ラファエロ作)
人間の誇りとかプライドというのは、往々にして傲慢とか独りよがりなどにつながる。だから誇りそのものは良いのだが、時として他人を傷つけやすい。その点は十分に注意しなければならないが、この前、あることを思い出して痛快な気分になった。それは、プルターク(プルタルコス)の「英雄伝」に出てくるアレクサンダー大王と哲人・ディオゲネスのやり取りだ。有 . . . 本文を読む
<以下の文を復刻します。>
大杉栄
昔、『黒い絨毯』というアメリカ映画(1954年)を見たことがある。チャールトン・ヘストンとエレノア・パーカーが主演だったが、アリ(蟻)の大群に人間などが襲われるという迫力のある映画だったので、今でも内容はだいたい覚えている。 調べてみたら、南米アマゾン川の上流地域で「マラブンタ」というアリが大量に移動するストーリーで(1901年)、マラブンタは . . . 本文を読む
<以下の記事を復刻します。>
イギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンが『種の起源』を著したのは1859年だが、それ以来、進化論の立場から「生存競争」や「適者生存」といった概念が世界的に広く受け入れられてきた。 しかし、そうした概念が「優勝劣敗」や「弱肉強食」といったものへ発展していくと、それは少し不穏当ではないかという反発が出てきた。自然界はたしかに優勝劣敗、弱肉強食の . . . 本文を読む
1960年代から70年代にかけて大活躍したのが「ザ・ピーナッツ」の伊藤エミ・ユミの双子の姉妹である。あの頃はテレビをつけると2人は本当によく出演していた。テレビの発展期における代表的な“エンターテイナー”と言えるだろう。 「恋のフーガ」は1967年の作品。
http://www.youtube.com/watch?v=e9qvN5BNDIA . . . 本文を読む
過去の作品をまとめる必要が出てきたので、この場を借ります。ご了承ください。
秩父の山々
http://blog.goo.ne.jp/yajimatakehiro/e/49f159f20789e49b145abdd836a786f3http://blog.goo.ne.jp/yajimatakehiro/e/e48fd1f70490af08d5193a882b959248http://blo . . . 本文を読む
第5場[12月中旬、東京・下谷にある松本カヨの借家。 カヨと日下藤吉が話し合っている。]
カヨ 「ハルさんが上京することになって、良かったですね」
藤吉 「ええ、このあと妹と相談して、母も呼ぶつもりです」
カヨ 「お母さまやハルさんと話し合えば、藤吉さんも今後の身の振り方が決められると思いますよ」
藤吉 「そうですね。でも、僕は追われる身だから、良い考えが浮かぶかどうか・・・」
カヨ 「 . . . 本文を読む
第5幕
第1場[11月中旬、東京・下谷(したや)区内の住宅街。 松本カヨが“借家住まい”している平屋に、友人の山中ハツが訪れてくる。]
ハツ 「こんにちは、カヨさん。お久しぶりです」
カヨ 「ハツさん、ずいぶん待ちましたよ」
ハツ 「ごめんなさい、東京は初めてなので何度も道に迷いました。怒っていらして?」
カヨ 「ええ、とても、ホッホッホッホッホ。いえ、あなたに会 . . . 本文を読む
第11場ーA[11月9日午後、南佐久郡・野辺山原の高原。 追跡してきた高崎鎮台の吉野大尉、前川中尉の率いる兵隊、並びに警官隊が、困民軍の一隊を追いつめている。]
前川 「中隊長殿、敵は戦う気力を無くしたようですね」
吉野 「うむ、我々が執拗に攻撃を繰り返したからな。ここで息の根を止めてやろう」
前川 「ご覧なさい、人夫どもが荷物を放り出して逃げ出していますよ」
吉野 「駆り出された百姓達だ . . . 本文を読む
第5場[11月7日夜、大日向村・本郷部落の龍興寺。 困民軍幹部の宿営地になっており、菊池貫平、坂本、伊奈野、島崎、新井寅吉、大野喜十郎らの他に、地元の菊池恒之助がいる。]
坂本 「十石峠からここまで、アッという間に制圧しましたね」
貫平 「うむ、極めて順調に事が運んだ。この辺の農民はほとんどが負債に苦しんでいるから、我々にとても協力的なのだ。 借金返済の延期と税の減免は、以前から佐久自由党が強 . . . 本文を読む
第4幕
第1場[11月6日午後、群馬県南甘楽郡の楢原(ならはら)村。 菊池、坂本、伊奈野ら困民軍が行進している所に、日下藤吉が駆けつけてくる。]
藤吉 「菊池さん、坂本さん、日下です!」
坂本 「おお、藤吉君か、無事で良かったな」
菊池 「君と別れてから、どうしてるかとても心配だったぞ。元気でやっていたか」
藤吉 「はい・・・しかし、児玉町で敵軍と戦い多くの同志を失いました。大野苗吉さん . . . 本文を読む
第16場ーA[11月4日深夜、児玉町・金屋の農村地帯。 大野苗吉、大野又吉の率いる困民軍が戦闘隊形を取っている。]
苗吉 「敵の軍勢は我々の前に現われた。いいか、人数では我々の方が圧倒的に多い。敵を包囲して“もみ潰して”やろう!」
又吉 「鉄砲隊は出来るだけ相手に近づき、一斉射撃を行なう。その後、抜刀隊と竹槍隊が突撃する。肉弾戦になれば、人数の多いわが軍の方が有利なはず . . . 本文を読む
第10場[11月4日午後、皆野にある荒川の渡し船場。 東京憲兵隊の小笠原大尉、隈元少尉、内田少尉に率いられて、憲兵隊員が進撃の用意をしている。]
隈元 「小笠原大尉、きのうは参りました。銃を撃っても、弾が飛んでいかないのですからね」
小笠原 「ハッハッハッハッハ、それは参ったろう。しかし、きょうは大丈夫だ、新品の弾薬を沢山持って来たからな」
内田 「きょうこそが、村田銃の本当の“ . . . 本文を読む