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それからほぼ半年がたち、時は応永23年(西暦1416年)の初夏の頃になった。(ちなみに山口貞清は31歳、尾高武弘は29歳になっていた) 山口領内はこれといった出来事もなく、農民を始め庶民は平穏な生活を送っている。関東の情勢探索の旅を終えた武弘は、久しぶりに領内の様子を見て回ることにした。付き人の佐吉を従えてだが、そろそろ“田植え”の時期に入るので農民は忙しそうにし . . . 本文を読む
<以下の文は2002年9月6日に書いたものですが、一部修正して復刻します。>
1) 生の結末が死である。 生があるから死が訪れるわけで、そういう意味で生死は一体のものである。良い死に方をするということは、良い生き方を全うするのと同じ意味を持つ。 日本語では「死生観」という相応しい言葉があるが、死をもって生が成就するのである。 人間誰しも、良い死に方をしたいと思っているだろう。 眠るがごとく大往生 . . . 本文を読む
〈以下の記事を一部修正して復刻します。〉
オリンピックのことだが、77年前(1948年)のロンドン五輪のことを思い出した。あの時は第2次大戦直後だっただけに、敗戦国の日本やドイツは参加を認められなかった。仕方がなかったが、今でも残念に思う。当時、日本の水泳陣は敗戦直後だというのに“全盛期”を迎えていた。古橋広之進や橋爪四郎といった選手は、自由形ですでに世界記録を上回るタイ . . . 本文を読む
<2024年9月28日に書いた記事を復刻します>
昨日の自民党総裁選、決選投票の大逆転で石破茂氏が当選した。1回目の投票では高市早苗氏が党員・党友票で1位になるなど優位に立ったが、結果は石破氏が逆転勝利と予想外の展開になった。しかし、近く行なわれる解散・総選挙を思うと、石破氏の方が自民党は戦いやすいだろう。高市さんではあまりに“守旧派”だから、野党は攻めやすいのだ。石破氏 . . . 本文を読む
1965年のアメリカ・イタリアの合作映画。第一次世界大戦からロシア革命を通じて、時代に翻弄される人々の運命を描いた超大作である。 主演はオマー・シャリフとジュリー・クリスティーだが、クリスティーが演じる「ラーラのテーマ」がとても流麗な感じがして印象深い。何度でも聴きたくなる挿入曲だ。(モーリス・ジャーㇽ作曲)
「ララのテーマLara's Theme」モーリス・ジャール、Maurice・Jarre . . . 本文を読む
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それから5年の月日がたち、応永22年(西暦1415年)を迎えた。武弘と小巻の間にはすでに一子・太郎丸が生まれ、小巻はちょうど第二子を身ごもっていた。尾高家とその一族にはこれといった問題もなく、平穏な日々が過ぎていった。問題があるとすれば、武弘は最近やや肥満気味になったのを気にして、このところ佐吉とともに武術の鍛錬に精を出している程度だ。一方、藤沢忠則に嫁いだ小百合はけっこう気苦労が絶えな . . . 本文を読む
<空想、夢想、幻想の歴史ロマン>
『主な登場人物』
<山口家関係>山口貞清(山口城主) 牧の方(貞清の妻・豊島範泰の娘) 山口武貞(貞清の父) 薫(貞清の母) 和田信春(家臣) 稲村幸正(家臣) 幸若丸と桔梗(貞清の子供)
<尾高家関係>尾高武弘(主人公・山口貞清の家臣) 小巻(武弘の妻・筒井泰宗の娘) 尾高武則(武弘の父) 栞(武弘の母) 佐吉(武弘の家来) 太郎丸と鈴(武弘の子供)
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