以下の復刻話は、オールド映画ファンの“戯れ言”として聞いてほしい。
映画『忍ぶ川』(DVD・原作は三浦哲郎)を借りてきて見たが、最後の“初夜のシーン”が実に美しく素晴らしかった。ゆったりとしていて生命感にあふれている。加藤剛と栗原小巻が主演の映画だ。
そこで『忍ぶ川』を調べていたら、面白い話が出てきた。熊井啓監督は当初、吉永小百合を主演に考えて、吉永の両親らともいろいろ打ち合わせをしていた。日活もその線で動いていた。
しかし、熊井監督が吉永の自宅で泥酔し母親(和枝さん)と悶着を起こしたり、白黒映画にするかカラー作品にするかなどで父親(芳之さん)と対立したとのことだ。結局、吉永小百合の出演は“ご破算”になって、栗原小巻の登場になったという。映画(1972年)も俳優座の作品、東宝の配給となった。小巻さんが小百合さんに勝った形だ。
吉永小百合と栗原小巻は、我々の青春時代の憧れの的だった。二人とも美人で素晴らしい女優である。しかも、二人の誕生日は1945年3月13日と3月14日の一日違いと因縁めいている。小百合さんの方に“一日の長”がある。
もう何十年も前、私たち若者はサユリスト(小百合ファン)とコマキスト(小巻ファン)にほぼ二分されている感じだった。私はどちらかと言うとサユリストだが、小巻さんも大好きだった。それほど二人は素晴らしかったのである。
加藤剛さんも早稲田大学の先輩であり大好きな俳優だ。彼はいつも清潔感にあふれていた。『忍ぶ川』の初夜のシーンでも、まことに清々しく雄々しく見えてしまう。相手が小巻さんだからだろうが、美男美女の演技に陶然とした気持になるのだ。相手役が小百合さんだったらとつい思ってしまうが、それは永遠に叶わなかったのだ・・・
八戸は若いころ、イカ釣り船の取材で行ったことがあります。夜通し船に乗って取材しましたが、静かな海面に集魚灯が美しく映えていたことが今でも忘れられません。
すっかり八戸の話になってしまいましたが、『忍ぶ川』の加藤剛と栗原小巻のコンビは見事だったと思います。この映画(DVD)は何度か観ましたが、また機会があれば観てみたいものです。TSUTAYAにもまだありますから。
かなり昔ですけどね。なぜなら、作家の三浦哲郎は我が郷の出身で長兄のクラスメートでした。三浦は転校生で年齢は一つ違いだったとか。彼は物静かで友人を必要としないタイプだったそうです。。。
さて、映画の主人公なら私は栗原小巻の方が向いている気がします。加藤剛ピタリですね♥
中村吉右衛門に吉永小百合というのも良いですね(笑)。
しかし、結果的に加藤剛と栗原小巻の方が良かったと思います。栗原がフレッシュでとても印象に残りました。
女優候補としては若尾文子、司葉子、岩下志麻等の名前が上がったそうです。挙句、熊井監督に巡ってきて吉永小百合に断られたのですが主役(というより相手役)には熊井監督は中村吉右衛門を用意していたそうです。
熊井監督はモノクロにこだわり、吉永の父はカラーを主張したそうですね。
私はどちらかというとコマキストの方ですから主役は加藤剛でしたが、仮に吉永小百合が出演していたら主役は誰だったのでしょうか。
1日違いの“ライバル”ということでしょう!