矢嶋武弘・Takehiroの部屋

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(再) 裏切られた“日中友好” 醜悪な反日暴動事件

2013年04月01日 14時17分43秒 | 政治・外交・防衛

中国の「反日デモ」は毎度のことだが、8年前の酷いのを再録しておこう。

1) まったく呆れた事が起きるものだ。 過日(4月9日)、北京の日本大使館に反日デモ隊が押し寄せ、投石を繰り返して窓ガラスなどが破損した事件で、中国当局は謝罪もしなければ、補償をしようという態度も示さない。 そればかりか、今回の暴力デモ事件の責任は中国側にはなく、日本側にあるというのだ。こんな理不尽な態度が、国際的に認められるとでも思っているのだろうか。
愛国・反日教育を推し進めてきた中国が、日本を憎いと思うのは勝手だが、国際法のルールを守ることは最低限の責務である。 それを歴史問題だとか日本の教科書問題などにかこつけて、謝罪も補償も拒否しようという姿勢は、まことに傲慢不遜で馬鹿げていると言わざるを得ない。 日本に反中国感情が起きて当然である。

 マスコミの報道によれば、中国は、日本の国連安保理常任理事国入りの動きに反発しており、反日デモ隊もその事を強くアピールしていた。 それは中国側の考えで好きなようにすれば良い。デモで自由に意思を表明することも大いに結構だ。しかし、反日デモで大使館に投石したり、日本のスーパーマーケット、店鋪などへの襲撃を、中国当局が事実上黙認していたことは断じて許せない。
テレビの映像を見る限り、中国の公安・警察はデモ隊の暴力行為をほとんど見過ごしていた。 酷いのは、デモ隊の投石に対し、警官が「俺の方には投げないでくれ」と言ったところ、若いデモ隊員が「貴方には投げませんよ」と答えて日本大使館に投石していた。警官はそのデモ隊員をまったく規制しようとしなかった。呆れたものである。
こんな“馴れ合い”の暴力デモがもし許されるなら、我々だって東京・元麻布にある中国大使館に押しかけ、思いっきり投石して溜飲を下げたいものだ。 日本は中国と違って立派な“法治国家”だから、それは許されないだろうが。とにかく、今回の暴力デモ事件については、「中国よ、恥を知れ!!」と強く言いたい。

2) 中国では徹底した愛国・反日教育をした結果、「愛国無罪」というのが認められていると、一部のマスコミが伝えていた。 つまり、違法行為でも愛国のためなら許されるという事らしい。事実、デモ隊のスローガンやプラカードの中にも、そういう文言があった。
これでは国際法も何もあったものではない。愛国のためなら、何をしても良いというのだ。 そこで私は、19世紀から20世紀にかけて中国(当時の清)で荒れ狂った「義和団」の乱を思い出した。「義和団」とは極めて排外主義的な武装秘密結社で、中国在留の外国人や外国施設などを次々に襲撃したことで有名である。清朝政府は陰に陽に義和団を支援した。
余談になるが、昔「北京の55日」というチャールトン・ヘストン主演のアメリカ映画を見たことがある。 年配の人は多分見ていると思うが、日米英など8カ国の連合軍が義和団と死闘を繰り広げ鎮圧する物語で、スケールの大きな映画として印象に残っている。

 今回の反日デモ隊は勿論、義和団とはまったく異質のものだが、愛国という点では共通性がある。 しかも、統一指導部を持たなかった義和団と同じように、インターネット・サイトを通じて“自然発生的”に集まりデモを行なった。中国政府はあからさまにデモ隊を支援してはいないが、反日・愛国ということで深い理解を示している。 だから私は「むかし義和団、いまウエブ・サイト」と言いたい。
こうした“草の根”愛国主義を利用して、中国は日本に圧力をかけ、その安保理常任理事国入りを阻止したり、領土問題など両国間の懸案を有利に処理しようと考えているに違いない。 しかし、ここで指摘したいのは、1972年の国交正常化以来続いてきた日中友好関係が、今後どうなるかということである。
田中角栄首相の訪中、パンダの来日に始まる友好関係は30年以上も続いてきたはずだ。 本来であれば、日本が安保理常任理事国入りを目指すなら、日中友好を口にする中国が度量を示し、真っ先に日本を支持して国連各国の根回しをしても何らおかしくはない。ところが、事態はまったく逆の方向に進もうとしている。 中国は日本の常任理事国入りを妨害し、阻止しようとしているのだ。
 これでは、日中友好どころではない。 靖国問題や教科書問題など、事あるごとに日本に内政干渉を繰り返し、ODA(政府開発援助)の供与が途絶える見通しとなるやいなや、“金の切れ目が縁の切れ目”とばかりに、今度は反日運動を盛り上げようとする魂胆は、極めて陰険、打算的、非友好的な態度と言わざるを得ない。 どこが日中友好なのか! 「偽善者めっ!」と怒鳴りつけたくなる。

3) 昨年、私は観光で初めて台湾を訪れた。その後、近いうちに中国にぜひ行きたいと思っていた。家内を連れて初めて中国を観光しようと思ったのだ。 ところが昨年の8月、中国で行なわれたサッカー・アジアカップで大変なショックを受け、中国を訪問したいという気持は消え失せてしまった。
ご存知のように、サッカー・アジアカップでは、反日感情をむき出しにした中国人サポーターが、日本選手団の乗ったバスに投石し、日本公使の乗った車を襲撃したり、日の丸を燃やしたり、選手や日本人サポーターを「侵略者」「鬼」「小日本人」などと罵倒した。 
不勉強な私は、日中友好関係が着実に進展しているとばかりに思っていたので、愕然としたのである。それ以来、家内と一緒に中国の観光を楽しもうという甘い目論見は潰えた。 誰が中国なんかに行ってやるか、という思いである。
今回の偏狭な反日デモを契機に、中国への旅行は著しく減少するだろう。旅行のキャンセルが相次いでいるという。これは当然のことだ。日本における反中国感情、中国への警戒心を高めただけである。 それだけ中国の観光収入が減れば、中国人が自らの首を絞めるだけだ。

こうした事態になったのも、元はと言えば中国共産党の一党支配による政治にある。 この共産党ファシズムは自らの支配を正当化するために、子供達に抗日戦争の歴史を延々と教え込み、日本を完全な“悪玉”に仕立て上げて愛国・反日教育を完成させた。
そこには、周恩来首相がかつて「過去の中日両国の不幸な歴史は、過ぎ去ったことにしなければならない」と述べ、日中国交正常化に大英断を下した姿勢は微塵もない。 毛沢東や周恩来といった大政治家に比べると、現在の中国指導部はなんと“小物”に成り果ててしまったのか!
中国の非を鳴らそうと思えば、いくらでも言うことができるが、本日はここまでにしておきたい。必要とあれば、今後いくらでも述べる用意がある。 最後に、中国指導部が本当に日中友好を望んでいるのであれば、今回の暴力デモ事件について、謝罪と補償の意思を直ちに表明すべきである。もし、それを怠るようであれば、我々日本国民は断じて許すことはないだろう。(2005年4月17日)


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