梅雨の晴れ間の猛暑日となった7月7日、川乗谷から川苔山(地理院地図では川乗山)に登ってきた。
川苔山はこれで6回目くらいになるのだが、川乗谷から入るのは初めてだ。
暑いこの時期に来たのもはじめてだ。
今回の登山では、登りの途中で股関節まわりの大殿筋に痛みが生じてしまい、苦しい一日となった。
奥多摩駅から鍾乳洞行きのバスは満員。そしてその大部分が川乗橋で下車。
さすが人気のコースだ。
差し込む朝の光で渓流の水が白く輝く。
40分少し歩くと林道は大きく迂回して反対の斜面に登っていく。
ここが細倉橋。ここから川乗谷の渓流にそった山道がはじまる。
木陰に入り水の流れが近くなったので涼しい風が体を冷やしてくれる。
鉄骨の橋げたの上に立派な木の橋がかけられている。
大きな岩盤がせまる渓谷は滝が多い。
そんな中を山道は右岸から左岸へ、また右岸へと渡りかえしながら沢を登っていく。
流れの近くが岩盤で通れないらしく、山道は一度尾根を高巻いて行った。
再び渓流にくだるとまた流れをわたって左岸へ。
ここあたりも巨大な岩の縁をのぼって高巻くように進んでいく。
細倉橋から50分でようやく百尋の滝と川苔山との分岐。
滝はすぐだ。
白い花が咲く中に、百尋の滝があった。
岩盤をほぼ垂直に落ちている。
薄暗い谷の底の流れが上空の光を反射して光っていた。
そばまで近づくと滝のしぶきが冷たい風となって舞っていた。
なかなか見ごたえのある滝だ。
5分ほどの休憩のあと、いよいよ川苔山にむかって急登をすすむ。
沢筋を離れたので蒸し暑さが戻ってきた。汗がしたたり落ちる。
滝に迫るようにそそりたっていた尾根の反対側にまわりこむようにしてようやく急登が終わった。
そこからは斜面をトラバースしていくのだが、このあたりから右足の付け根、股関節のまわりの筋肉に違和感を感じだした。
違和感が少しづつ弱い痛みに感じるようになってきた。
暑さと違和感からくる不安とでトラバースが長く感じた。
滝から50分以上かかって1032mの分岐に到着。かなりスローダウンだ。
檜の香りがただよっていると思ったら、間伐材を使って真新しい階段がつくってあった。
あたりにはおがくずや端材も散らばっていて、そこから香りが立ち上っているようだ。
川苔山の山頂の北側の谷に入り込んでいく。
これまでの狭くて暗い谷とは違って穏やかに広がっている。
快適なところなのだが、股関節部の筋肉痛がとれず、右足がふんばれない。
バイケイソウの仲間らしい草が花を咲かせていた。
花弁が緑色だ。
調べてみたらどうもミヤマバイケイソウらしい。
途中でもところどころで見かけたが、ヒノキの林に混じってかなり太いモミの木があった。
11時。ようやく山頂直下の1314m地点。鳩ノ巣や古里からのルートが交わる地点だ。
1032mの分岐からここまで地図のコースタイムでは50分だが、私は1時間10分かかってしまった。
最後の登りは、ゆっくりゆっくり登った。
12時17分、1363mの山頂。
奥には、雲取山がよく見えていた。
山頂にはウツギやヤマボウシの白い花。足元にはホタルブクロも咲いていた。
痛みが治まるのを祈りながら長めに休憩をとった。
薄雲が広がってそれほど暑くはないがみんな木陰に入って休んでいる。
仕上げに暑いコーヒーをゆっくり飲んで下山の準備をしていると、同じバスだったグループが登ってきた。
年配の男性5人、女性2人。
入れ替わりに私は下山を開始した。
帰りは鳩ノ巣駅に向かう。
やはり足の付け根の痛みはとれていない。歩けないことはないのだが、大きな段差などでは右足をかばうような歩き方になってしまう。
長い長い水平道歩きにはいったが、にぶい痛みと暑さでへばってきた。
右足をつくときにかばい気味に体がゆれる。
途中の木の切り株などを利用して小休止。
こんな折れ曲がった針葉樹があった。
うんざりするほど長い水平道が続いたが、ようやく左の谷底に林道らしいものが見えてきた。
そんなところに太いモミノキが3本。
午後3時近く。ようやく林道に出た。
階段をよっこらよっこらおりて林道に立つとほのかに香ってくるものがあった。
きょろきょろしても花などは見えない。でも藤の蔓が伸びてきている。
そういえば藤の花の香りのようだ。藤は花が終わっても匂うものなのだろうか。
林道は大きく迂回しているのでふたたび山道にはいる。
ここで電車の時刻を調べてみたらかなり余裕があるので、ここで7分の休憩。
500mlのペット2本を持ってきたが、ここで飲みつくしてしまった。
休憩してももはや痛みは消えないので、電車の時刻にあわせるようにゆっくりくだることにした。
ようやく鳩ノ巣だ。
3時50分、駅に到着。まずは自販機で麦茶をかって飲む。
あまりびっこをひいてはみっともないので、目立たないようにかばいながらこ線橋を渡る。
こぶしをあてて大殿筋のぐりぐりすると気持ちがいい。
でもその後長く電車ですわっていたので筋肉が固まったのか、乗り換えの階段がつらかった。
今回の教訓。体がふらつきやすい年寄りは、ストックを利用すべし。それもダブルストック!
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