毎日が山のこと

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天狗岳2日目(2024年8月8日)

2024-08-11 13:02:44 | 八ヶ岳とその周辺

これは またも常念に嫌われ北八ヶ岳天狗岳へ(2024年8月7日)1日目の続きです。

 

高見石小屋では、夕食後小屋の様子などをカメラにおさめると早々に寝床にはいった。

夜中に目覚めると天窓がときどき台形に浮かび上がる。雷雨のなごりの稲光だ。

ふたたび目が覚めると天窓がうっすら明るんでいた。

時刻を確かめたかったが、携帯は消耗しないよう電源をおとしていたのでそのままにした。

天窓から目をそらすとまだ漆黒の闇だ。頭の上に積んであるふとんの輪郭さえ見えない。

まだ地平線の下にいる太陽からの光が、地球を包む大気の中で乱反射し、そのほんの一部が小屋の天窓に届いている。

そんなことを考えながら明るくなるのを待つが、30分ほどたったと思う頃でも小屋の天井や壁さえ見えない。

もはや十分に寝たので少しも眠くはない。ただただ明るくなるのを待った。

 

向い側の寝床が一瞬明るくなった。ライトをつけて時刻を確認したのだろう。

それを潮に私も携帯の電源を入れてみた。4時半をまわっていた。

普通の山小屋ならもうスタッフが起きて朝食の支度をしているころだし、登山客もごそごそと支度を始めるころだ。

でもここではまだだれも動かない。朝食は6時からだからのんびりしている。

でも、私は5時半には出ようと思っていたので思い切って起きだし、ライトも使わずに荷物をまとめて1階におりた。

 

おにぎりとパンの残りで朝食をすませ、外にあるトイレに行く。

まだ、薄暗いなか、足を置いた石の上で私はふらついた。

歳をとって平衡感覚がにぶくなっている私は、明るくないと斜めの石の上ではまっすぐ立つのが難しいことがわかった。

 

5時20分に出発。薄暗く足元には水たまりができた森の道を中山めざして少しづつ登っていく。

森はガスに包まれ、足元の苔もしっとりと濡れている。

 

薄暗い道のところどころ、大きな木が倒れたのだろうか、ぽっかりと明るいところがある。

 

長い長い中山の登り。大きめの岩が目立つようになって、バランスの悪い私はダブルストックで慎重に歩いた。

岩から岩へとひょいひょいというわけにはいかない。まして荷物が重すぎる。

 

ようやく木道があらわれて少し歩きやすくなった。そろそろ中山展望台かと期待したが、まだまだだった。

 

7時10分、ようやく中山展望台に到着した。

 

岩石の原が広がっている。ガスがなければ近くの山が見えるはずだが、白い世界が広がるだけ。

 

足元に背の高い苔があった。苔の名前はまったくわからないが、こんな背の高い苔もあるのだ。

グーグルレンズで検索してみたら、スギカズラというものに似ているように思える。

 

展望台から10分弱歩くとそこが中山山頂だった。

八幡平や苗場山の頂上のように平らなところだ。

 

山頂の北側は、高木が少なく石楠花と笹におおわれている。

残念ながらシャクナゲには遅すぎだ。あいかわらずガスの中。

 

ふたたび森の中の道となったが、平らな石が多くなったのでとても歩きやすい。

 

明るさも増してきたし、足元の苔を見るゆとりも出てきた。

 

カメラのレンズフィルターが曇ってしまって写真がぼけてしまうので、フィルターを外して撮ってみた。

小さなものを撮るときはこうしたほうがきれいに写る。

 

中山山頂から20分でにゅうへの分岐に到着。ありがたい、少し太陽の光が差し込み始めた。

 

分岐の少し先でようやく遠くの景色が見えるポイントがあった。となりにある稲子岳の岩壁がみえた。

 

このあたりから岩が少なくなってとても歩きやすくなった。さしてきた太陽の光とともに気持ちを明るくしてくれる。

しらびそ小屋やミドリ池があるうっそうとした森を見下ろしながら歩く。

 

ガスが切れたので硫黄岳の山すそが見えてきた。天狗岳はまだ樹木の陰だ。

 

しばらく歩くと岩が散らばる明るい場所に出た。

 

そこからようやく目的の天狗岳が見えた。

まだ山頂部に雲が残っているが、青空もかなり広がってきたので期待できそうだ。

 

8時少し過ぎに中山峠に到着。ここで10分ほど休憩にした。

 

いよいよ天狗岳への登りにさしかかる。

ところどころ岩石地帯があってそこから東西天狗岳や通ってきた中山の平らな山容が見渡せた。

 

中山はほんとうに八幡平のように平らな山だ。

 

稲子岳の南東壁。クライミングのゲレンデでもある。

 

天狗岳が近づくとますます青空が広がってきた。このまま晴れていてほしい。

ここで若い女性に追い越された。慣れた感じですいすい登っていく。

歳は私の3分の1くらいだろうし、背負っているリュックも軽そうだ。

年甲斐もなく無駄に荷物を背負っている自分を反省。

 

樹林の急な尾根を休み休み登る。2か所ほど岩場があって展望が開ける。

 

山頂が近づくとともに花が増えてきた。まずはオトギリソウ。

 

オンタデかな?

 

フジバカマみたい。

 

アキノキリンソウ。

 

ヤマハハコ。

 

ウメバチソウ

 

トウヤクリンドウもあらわれた。

 

ミヤマコゴメグサ。

 

なんどか到着か、と騙されながらもようやく本物の山頂だ。

 

9時半少し前に東天狗岳山頂に到着。高見石から4時間かかった。

 

南側の根石岳。硫黄岳は少し雲に隠れているがまずまずの展望だ。

 

お隣の西天狗岳。

しばらく休憩して西天狗へとむかう。

 

東天狗の標識の下に咲くトウヤクリンドウ。

東天狗の山頂付近にはトウヤクリンドウがたくさん咲いていた。

 

西天狗へとむかう途中から東天狗をふりかえる。

このころからふたたび雲がわきはじめ、ガスが漂いだした。

 

登りにかかると疲れた足がつりそうになる。

ときどき休憩をまじえながらようやく西天狗へ。

でもすっかりガスに包まれてしまった。

 

このあたりからカメラのバッテリーが残り少なくなったので写真はポイントでの記録だけにして下山開始。

帰りは途中まで同じコースだが、にゅうへとまわって白駒の池へと下る。

 

11時50分、中山峠。若い女性のグループが現れ、黒百合平へと下っていった。

 

分岐からにゅうへの道は長かった。

最初は歩きやすいいい道だったが、半分あたりから岩混じりになり、最後のにゅうへの登り返しが疲れた足にはこたえた。

 

ニュウの岩場を下からのぞむ。

 

13時15分、にゅう直下に。

 

すっかりガスってしまったので展望はすぐ下の白駒の池がわずかに見えただけ。

 

このあと白駒の池までの下りも疲れた足には長く感じられた。

岩がゴロゴロした樹林帯の斜面では、足跡がいくつにもわかれていて、下っているうちに水流の跡や獣道らしいところに踏み込んでしまった。

しかたなくもう一度斜面を登り返して本来の道に戻ることができた。

 

下りはスピードを出さなければ足がつることはない。

長く歩いた割には体調はすこぶるいい。

ただ喉がかわいて、水をいくら飲んでも口の中がカラカラだ。

このあとは早く白駒荘についてソフトクリームを食べることを楽しみに足をすすめた。

 

 

 


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